蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「・・・あの子とクラマは、私がお腹を痛めて産んだ子供ではないことは確かです。ですが今の二人はれっきとしたファブレの一員です。それは全てを知った上で私達は二人を受け入れました・・・そして私はその上で貴方が戻ってくるのを待っていました。貴方がファブレの子として・・・私達の子として戻ってくるのを」
「っ・・・納得がいきません、母上・・・ならば俺にその旨を伝えればよかったはず。そうすれば俺はファブレに戻って・・・」
「・・・出来れば私もそうしたかった。けれど貴方が預言の為に死ぬことを良しとせずにファブレを出ていったなら、戻るように言っても殺されるだけの場所に戻りたくないなどと言われたらと思うと・・・怖かったのです、否定されることが・・・」
「っ・・・母上・・・」
・・・母親としての想い、そして不安。シュザンヌの声には自身の非力さに対しての情けなさすらもがこもり、悲痛な響きがあった。さしものアッシュもやっと出た自分本意な反論すらそんな姿に、かき消えてしまう。母の姿に、自分がそうさせてしまったのだと理解したが為に。
「・・・それなのに何故貴方はヴァンにモースの言うことを聞くがまま、人を襲うような子になってしまったのですか・・・?」
「・・・え?」
だが続いた悲痛ながらも今までの流れにそぐわない話に、アッシュは呆けた声を上げた。何故ここにヴァンとモースの話が来るのかと。
「母上、何故そのような事を・・・?」
「・・・タルタロスに二人がいたのは貴方も知っているはずです。その場に二人がいて貴方もその姿を見かけたのですから・・・そしてこれは貴方と共に捕らえられた六神将の調べによりわかった話ですが、その指示にヴァンにモースの二人の物があったと供述が取れました。それはつまり貴方もそのタルタロス襲撃に自ら関わっていたことに他なりません・・・違いますか?」
「・・・っ!」
すぐにその真意を問うアッシュだが捕らえた六神将の証言付きでヴァンにモースが首謀者とわかったと返され、自らも関わっていたことを否定出来なかった事に驚きに目を見開いた。
「答えなさい・・・何故貴方は和平に向かうという触れ込みだったタルタロスを襲い、キムラスカとマルクトの結び付きを自ら壊そうとしたのですか?・・・貴方もヴァンとモースの指示を受けていたのでしょう。それはつまり戦争を望んでいたのですか?」
「そっ、それは・・・そんなこと・・・」
「なら訳を言ってください。答えられないような理由でタルタロスを襲った訳ではないのでしょう?」
「・・・っ!」
・・・シュザンヌの弱いが確かな問いかけはアッシュをこれまでにないほど、動揺させて顔が歪ますた。これがアッシュに強く出るものには荒く対応出来ただろう・・・だがシュザンヌの弱さはアッシュにとって酷く鋭い刃であった。母として自分を哀れむその姿に対して虚勢の鎧を張る事が出来ない為に、胸に抵抗なく深く突き刺さってしまう最大の武器となるほどに。
「・・・その訳も言えないというのですね。残念です。貴方はキムラスカの事を本当の意味で、見捨ててしまったということになってしまった・・・」
「母上っ、ちが・・・違います、俺はそんなつもりでタルタロスを襲ったのでは・・・」
「なら何のためなのですか・・・?それを言ってください・・・」
「・・・それは・・・」
尚も深まるシュザンヌの悲しみを瞳から感じ取り自身への絶望を宿した声に変わったことにアッシュは違うと慌てるが、再度の問いかけを向けられまた言葉を無くす・・・傍目から見ればこの二人のやり取りは平行線上の物と見えるだろう。何せけしてアッシュはシュザンヌを安心させるような理由というか、言い訳を持っているようにも思い付くようにも見えないのだ。事実アッシュはシュザンヌに恥じないような理由を持ってないからなのだろうが、このままシュザンヌの悲しみの瞳に見つめられていてもアッシュは何も返せないだろう。
「・・・もうよいか、シュザンヌ」
・・・事実、これ以上見ている意味はないと感じたのか公爵が声をかける。
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「っ・・・納得がいきません、母上・・・ならば俺にその旨を伝えればよかったはず。そうすれば俺はファブレに戻って・・・」
「・・・出来れば私もそうしたかった。けれど貴方が預言の為に死ぬことを良しとせずにファブレを出ていったなら、戻るように言っても殺されるだけの場所に戻りたくないなどと言われたらと思うと・・・怖かったのです、否定されることが・・・」
「っ・・・母上・・・」
・・・母親としての想い、そして不安。シュザンヌの声には自身の非力さに対しての情けなさすらもがこもり、悲痛な響きがあった。さしものアッシュもやっと出た自分本意な反論すらそんな姿に、かき消えてしまう。母の姿に、自分がそうさせてしまったのだと理解したが為に。
「・・・それなのに何故貴方はヴァンにモースの言うことを聞くがまま、人を襲うような子になってしまったのですか・・・?」
「・・・え?」
だが続いた悲痛ながらも今までの流れにそぐわない話に、アッシュは呆けた声を上げた。何故ここにヴァンとモースの話が来るのかと。
「母上、何故そのような事を・・・?」
「・・・タルタロスに二人がいたのは貴方も知っているはずです。その場に二人がいて貴方もその姿を見かけたのですから・・・そしてこれは貴方と共に捕らえられた六神将の調べによりわかった話ですが、その指示にヴァンにモースの二人の物があったと供述が取れました。それはつまり貴方もそのタルタロス襲撃に自ら関わっていたことに他なりません・・・違いますか?」
「・・・っ!」
すぐにその真意を問うアッシュだが捕らえた六神将の証言付きでヴァンにモースが首謀者とわかったと返され、自らも関わっていたことを否定出来なかった事に驚きに目を見開いた。
「答えなさい・・・何故貴方は和平に向かうという触れ込みだったタルタロスを襲い、キムラスカとマルクトの結び付きを自ら壊そうとしたのですか?・・・貴方もヴァンとモースの指示を受けていたのでしょう。それはつまり戦争を望んでいたのですか?」
「そっ、それは・・・そんなこと・・・」
「なら訳を言ってください。答えられないような理由でタルタロスを襲った訳ではないのでしょう?」
「・・・っ!」
・・・シュザンヌの弱いが確かな問いかけはアッシュをこれまでにないほど、動揺させて顔が歪ますた。これがアッシュに強く出るものには荒く対応出来ただろう・・・だがシュザンヌの弱さはアッシュにとって酷く鋭い刃であった。母として自分を哀れむその姿に対して虚勢の鎧を張る事が出来ない為に、胸に抵抗なく深く突き刺さってしまう最大の武器となるほどに。
「・・・その訳も言えないというのですね。残念です。貴方はキムラスカの事を本当の意味で、見捨ててしまったということになってしまった・・・」
「母上っ、ちが・・・違います、俺はそんなつもりでタルタロスを襲ったのでは・・・」
「なら何のためなのですか・・・?それを言ってください・・・」
「・・・それは・・・」
尚も深まるシュザンヌの悲しみを瞳から感じ取り自身への絶望を宿した声に変わったことにアッシュは違うと慌てるが、再度の問いかけを向けられまた言葉を無くす・・・傍目から見ればこの二人のやり取りは平行線上の物と見えるだろう。何せけしてアッシュはシュザンヌを安心させるような理由というか、言い訳を持っているようにも思い付くようにも見えないのだ。事実アッシュはシュザンヌに恥じないような理由を持ってないからなのだろうが、このままシュザンヌの悲しみの瞳に見つめられていてもアッシュは何も返せないだろう。
「・・・もうよいか、シュザンヌ」
・・・事実、これ以上見ている意味はないと感じたのか公爵が声をかける。
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