蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
(クラマ様が来なければとガイラルディア様は言いましたが、そのクラマ様は仰りました。なら何故そうしなかったのか、本気で殺そうと思ったならとっくの昔に事を成していただろうと・・・多分そう言っても慎重を期していた時にクラマが来たから慎重にまたならざるを得なくなったというよう、自分の名を言い訳のように言うだろうから黙っていてくれとクラマ様は仰りましたが・・・間違いなく言うでしょうな、この様子でしたら・・・)
自分を辞めさせた原因である蔵馬との会話を思い出しながらも、ペールは確信する。目の前の主は蔵馬の言うよう何かを常に言い訳に使い、結局自分を良いように見せたいからこそ自分自身が犯してしまった言い逃れが出来ないはずの過失を心からは認めようとしないのだと。
(・・・ガイラルディア様には言えませんがこの様子でしたらクラマ様の言った通りでしょうな。この方ではファブレへの復讐は為せなかったでしょう。復讐をすると言いながらそれは言葉だけで我々の協力が無ければそこには到れない。現に私もヴァンも乗り気ではない時はやろうという意見を翻していた。なら仕方ない、と・・・そんな方に刺し違えてでも一人でやり遂げるなどという気概があるはずがない・・・)
そんな様子にペールはある種の失望にも似た感情を抱きながら、ガイでは復讐を果たせないと確信を抱いていた。まず間違いなく一人では無理だと、そう思う形で。
(・・・クラマ様はもしファブレに何か仕掛けてくるなら容赦はしないと仰られたが、この方が成功する見込みのない勝負に出るわけがない。あの方ならそれも織り込んだ上の事でしょうが、それを抜きにしてもこれ以上ファブレへの復讐を胸に宿しながら生きても成功する見込みはないでしょう。それに成功したとて残るだろう結果はキムラスカとマルクト間での戦争で、ガルディオス復興などとても望める状態ではない。よしんばガルディオス復興を為しても、戦争の火種になったとしてマルクトから英雄という呼び名を着せられ公然の死刑宣告として最前線送りが関の山と言った所でしょう。それに復讐を諦めマルクトに戻ってガルディオス復興を目指したとて、それもうまくいくかどうかわかるわけがない・・・もう八方塞がりとしか言えませんな、この状況は)
そしてガイでは無理だとわかったからこそこれからの事を考えるペールだが、蔵馬からの言葉も相まって状況が自分達の思うように好転しないとわかるからこそ、諦めに近い思いで八方塞がりだという結論に至っていた。
(とは言え問題はこの方に状況を理解していただく事なのですが・・・この様子では素直に私の言葉を受け入れていただけるとは思えませんな・・・)
しかし自分が理解をしても主であるガイが理解していなければ意味がない。そんな思いを抱くのだが眼前の主はただクラマへの怒りを浮かべ続け現実逃避しかしていないため、無理だろうとペールは諦めと共に早々に結論づける。
(・・・やむを得ません、しばらく頭を冷やしていただいた上で色々考えていただきましょう)
「・・・ガイラルディア様、少し落ち着かれてください。とりあえずしばらく休息を取り、それからこれからの事を考えましょう」
「っ・・・あぁ、済まないなペール・・・」
そこで思い付いたのは時間を取ってガイが落ち着くのを待とうという物。まだ怒りが収まらないガイに休息を取ろうとペールが申し上げれば、体面を気にしてかようやく落ち着いた様子で笑みを見せる。
「・・・では行きましょうか」
「あぁ・・・」
(・・・この様子ではしばらくは引きずりそうですな・・・いや、ここで私がしっかりせねばならんのだ・・・)
そんなガイにここから離れようと言えば素直に従ってはくれるが、その顔が浮かない様子だった為相当根深い物と感じたペールは自身に渇を入れこれからの事を考えていった・・・そこに暗雲立ち込める暗い未来しかなくともという、その想いが蔵馬によって言葉巧みに作為的に植え付けられた物であると気付かないまま・・・
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自分を辞めさせた原因である蔵馬との会話を思い出しながらも、ペールは確信する。目の前の主は蔵馬の言うよう何かを常に言い訳に使い、結局自分を良いように見せたいからこそ自分自身が犯してしまった言い逃れが出来ないはずの過失を心からは認めようとしないのだと。
(・・・ガイラルディア様には言えませんがこの様子でしたらクラマ様の言った通りでしょうな。この方ではファブレへの復讐は為せなかったでしょう。復讐をすると言いながらそれは言葉だけで我々の協力が無ければそこには到れない。現に私もヴァンも乗り気ではない時はやろうという意見を翻していた。なら仕方ない、と・・・そんな方に刺し違えてでも一人でやり遂げるなどという気概があるはずがない・・・)
そんな様子にペールはある種の失望にも似た感情を抱きながら、ガイでは復讐を果たせないと確信を抱いていた。まず間違いなく一人では無理だと、そう思う形で。
(・・・クラマ様はもしファブレに何か仕掛けてくるなら容赦はしないと仰られたが、この方が成功する見込みのない勝負に出るわけがない。あの方ならそれも織り込んだ上の事でしょうが、それを抜きにしてもこれ以上ファブレへの復讐を胸に宿しながら生きても成功する見込みはないでしょう。それに成功したとて残るだろう結果はキムラスカとマルクト間での戦争で、ガルディオス復興などとても望める状態ではない。よしんばガルディオス復興を為しても、戦争の火種になったとしてマルクトから英雄という呼び名を着せられ公然の死刑宣告として最前線送りが関の山と言った所でしょう。それに復讐を諦めマルクトに戻ってガルディオス復興を目指したとて、それもうまくいくかどうかわかるわけがない・・・もう八方塞がりとしか言えませんな、この状況は)
そしてガイでは無理だとわかったからこそこれからの事を考えるペールだが、蔵馬からの言葉も相まって状況が自分達の思うように好転しないとわかるからこそ、諦めに近い思いで八方塞がりだという結論に至っていた。
(とは言え問題はこの方に状況を理解していただく事なのですが・・・この様子では素直に私の言葉を受け入れていただけるとは思えませんな・・・)
しかし自分が理解をしても主であるガイが理解していなければ意味がない。そんな思いを抱くのだが眼前の主はただクラマへの怒りを浮かべ続け現実逃避しかしていないため、無理だろうとペールは諦めと共に早々に結論づける。
(・・・やむを得ません、しばらく頭を冷やしていただいた上で色々考えていただきましょう)
「・・・ガイラルディア様、少し落ち着かれてください。とりあえずしばらく休息を取り、それからこれからの事を考えましょう」
「っ・・・あぁ、済まないなペール・・・」
そこで思い付いたのは時間を取ってガイが落ち着くのを待とうという物。まだ怒りが収まらないガイに休息を取ろうとペールが申し上げれば、体面を気にしてかようやく落ち着いた様子で笑みを見せる。
「・・・では行きましょうか」
「あぁ・・・」
(・・・この様子ではしばらくは引きずりそうですな・・・いや、ここで私がしっかりせねばならんのだ・・・)
そんなガイにここから離れようと言えば素直に従ってはくれるが、その顔が浮かない様子だった為相当根深い物と感じたペールは自身に渇を入れこれからの事を考えていった・・・そこに暗雲立ち込める暗い未来しかなくともという、その想いが蔵馬によって言葉巧みに作為的に植え付けられた物であると気付かないまま・・・
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