蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
・・・ガイが驚愕を隠せず、ペールが肯定した手紙の内容。そこには事細かにペールが何故辞めてきたのかをつらつらと記した物があった。
「馬鹿な・・・俺達は誰にも聞かれず話をしてたはずだ・・・!」
「・・・しかし実際問題として、その手紙に書かれてある中身は嘘などではありません。何しろ我ら自身が話していた中身を一言一句違わぬよう記してあるのですから、クラマ様には全て筒抜けだったのでしょう。我らが復讐の為にファブレに入り込んだ事は・・・だからこそ私も言われたのです。この事をバラされたくないならファブレを辞めるようにと・・・」
「・・・ええい、くそっ!まさかあいつがこんな形で全てを台無しにするなんてな・・・!」
そしてその中身とはいかな会話を三人がしていたのかというのを聞き逃しなく記した物。うまくやっていたはずだとワナワナと震えだすガイにペールが諦めのこもった声を上げれば、手紙を地べたに投げつけ怒りの表情のままに踏みにじっていく・・・蔵馬がファブレに来るまでにルークを手懐けていたというのに、その今まで築き上げてきた信頼がすぐに蔵馬に向けられた事からガイは蔵馬の事を表面では好意的には接していたが、相当に嫌うようになっていった。それにぽっと出とは言え蔵馬の悪口でも言おう物なら既に虜になっていた屋敷の女性陣が怖いことをガイは知っていた為、余計にその怒りは溜まっていくばかりだった。これは今までの苦労が報われなかったことも相まっての怒りなのだ。
「・・・おそらくあの方は全てお見通しだったのでしょうな。ガイラルディア様が屋敷より出された後は遠くないいずれかには私を頼り、内と外よりファブレを襲うという手段を取るだろうという事を・・・」
「だろうな・・・だからお前をファブレから脅して追い出したんだろう・・・っ!」
その姿に本来の呼び方でガイラルディアと呼ぶペールはいずれ自分達が取っていたであろう予測の行動はもう読まれていたのだろうと呟けば、ガイも怒りのままにただその言葉を肯定しながらまだ手紙を踏みにじり続ける。
・・・普通に考えればその結論には誰でも思いつくだろう。ペールの述べた手法は。恨みを持つものが二人懐の内にいて一人を追い出したからもう恨みを向けられないから、安心だ・・・などと思う者などまずいないだろう。普通は残った片方がまた何かをするのでは、と思う物だ。ましてや蔵馬がそんな初歩中の初歩のミスにも等しい見落としなどするわけがない。その点ガイを手引きするかもしれないペールをファブレから追い出すのは、至極当然の流れと言えるだろう。
・・・だが重要なのはそこからであり蔵馬の取った処置がそこで終わり、とはいかないことだ。
「・・・ガイラルディア様、これからどうされますか?」
「・・・これから・・・?」
そんな怒りの収まらない所にペールがどうするかと問えば、ガイは何をと怪訝な顔つきになる。
「・・・ファブレを追い出されヴァンが捕らえられている今、我々が出来ることはそうありません。それでも貴方はまだファブレへの復讐を目指しますか?」
「何を言っているんだ、ペール。俺は復讐をするためにファブレに奉公人として潜り込んだんだぞ。今更引けると思ってるのか・・・?」
「・・・ガイラルディア様・・・」
そのペールの問いかけの意味を自身が正確に補足して話すペールだったが、ガイは一切考える素振りを見せず逆にその考えを批難する声を上げてくる始末。その本当の主の姿にペールの表情が苦く悲し気に曇る。
「・・・引けるか引けないか、ガイラルディア様がそういう考えでいらっしゃることを私が否定することは出来ません。ですが尚も復讐にこだわりファブレを滅ぼさんとするなら、クラマ様は今の状況では確実にキムラスカとマルクト間で戦争になり得る・・・そう仰りました」
「何!?キムラスカとマルクト間で戦争だと・・・!?」
その表情のままに主の意向に背けないと言いつつも蔵馬よりの言葉により戦争になるとペールより告げられ、ガイは全くそんなことを考えていなかったと言わんばかりに声を上げる。
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「馬鹿な・・・俺達は誰にも聞かれず話をしてたはずだ・・・!」
「・・・しかし実際問題として、その手紙に書かれてある中身は嘘などではありません。何しろ我ら自身が話していた中身を一言一句違わぬよう記してあるのですから、クラマ様には全て筒抜けだったのでしょう。我らが復讐の為にファブレに入り込んだ事は・・・だからこそ私も言われたのです。この事をバラされたくないならファブレを辞めるようにと・・・」
「・・・ええい、くそっ!まさかあいつがこんな形で全てを台無しにするなんてな・・・!」
そしてその中身とはいかな会話を三人がしていたのかというのを聞き逃しなく記した物。うまくやっていたはずだとワナワナと震えだすガイにペールが諦めのこもった声を上げれば、手紙を地べたに投げつけ怒りの表情のままに踏みにじっていく・・・蔵馬がファブレに来るまでにルークを手懐けていたというのに、その今まで築き上げてきた信頼がすぐに蔵馬に向けられた事からガイは蔵馬の事を表面では好意的には接していたが、相当に嫌うようになっていった。それにぽっと出とは言え蔵馬の悪口でも言おう物なら既に虜になっていた屋敷の女性陣が怖いことをガイは知っていた為、余計にその怒りは溜まっていくばかりだった。これは今までの苦労が報われなかったことも相まっての怒りなのだ。
「・・・おそらくあの方は全てお見通しだったのでしょうな。ガイラルディア様が屋敷より出された後は遠くないいずれかには私を頼り、内と外よりファブレを襲うという手段を取るだろうという事を・・・」
「だろうな・・・だからお前をファブレから脅して追い出したんだろう・・・っ!」
その姿に本来の呼び方でガイラルディアと呼ぶペールはいずれ自分達が取っていたであろう予測の行動はもう読まれていたのだろうと呟けば、ガイも怒りのままにただその言葉を肯定しながらまだ手紙を踏みにじり続ける。
・・・普通に考えればその結論には誰でも思いつくだろう。ペールの述べた手法は。恨みを持つものが二人懐の内にいて一人を追い出したからもう恨みを向けられないから、安心だ・・・などと思う者などまずいないだろう。普通は残った片方がまた何かをするのでは、と思う物だ。ましてや蔵馬がそんな初歩中の初歩のミスにも等しい見落としなどするわけがない。その点ガイを手引きするかもしれないペールをファブレから追い出すのは、至極当然の流れと言えるだろう。
・・・だが重要なのはそこからであり蔵馬の取った処置がそこで終わり、とはいかないことだ。
「・・・ガイラルディア様、これからどうされますか?」
「・・・これから・・・?」
そんな怒りの収まらない所にペールがどうするかと問えば、ガイは何をと怪訝な顔つきになる。
「・・・ファブレを追い出されヴァンが捕らえられている今、我々が出来ることはそうありません。それでも貴方はまだファブレへの復讐を目指しますか?」
「何を言っているんだ、ペール。俺は復讐をするためにファブレに奉公人として潜り込んだんだぞ。今更引けると思ってるのか・・・?」
「・・・ガイラルディア様・・・」
そのペールの問いかけの意味を自身が正確に補足して話すペールだったが、ガイは一切考える素振りを見せず逆にその考えを批難する声を上げてくる始末。その本当の主の姿にペールの表情が苦く悲し気に曇る。
「・・・引けるか引けないか、ガイラルディア様がそういう考えでいらっしゃることを私が否定することは出来ません。ですが尚も復讐にこだわりファブレを滅ぼさんとするなら、クラマ様は今の状況では確実にキムラスカとマルクト間で戦争になり得る・・・そう仰りました」
「何!?キムラスカとマルクト間で戦争だと・・・!?」
その表情のままに主の意向に背けないと言いつつも蔵馬よりの言葉により戦争になるとペールより告げられ、ガイは全くそんなことを考えていなかったと言わんばかりに声を上げる。
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