蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「・・・言っておきますが1つ目の理由はまだ推測ではないかとしても、2つ目の理由と言うか推測はまず間違いなく適応されると思います」
そんな凍り付く三人に、ジェイドは2つ目の理由は覆らないと強調するように淡々とまた述べていく。
「ファブレ邸への侵入に加え二人のファブレの子息に無礼を働き、更に先の謁見の間での陛下への批判・・・これが陛下が怒りを感じられた主だった理由ですが、これは階級制度がハッキリしたキムラスカの刑法に照らし合わせればまずキムラスカの人間なら重い厳罰が与えられることは間違いない事象になり得ます。それは別国の人間なら即刻引き渡しの対象になり得るくらいのものです。ただそれをイオン様はティアを庇い立てて謝る・・・だけで済ませようとしました。本来なら引き渡してもらわねば割に合わない罪を犯しているにも関わらずです」
「あ、あれは・・・あのままではティアが危ないと思ったから・・・」
「今私はティアの身の危険の事を私は言っていません。謝るだけで済ませようとした、というイオン様の態度が問題なんですよ。あそこで断固とした処分を下そうともせず結局最後までティアをただ惜しむばかりで、そればかりか今もまた謝って許してもらおうとした・・・そんな言葉しか使わず頭を下げるしかしないイオン様の姿に、あの陛下がすんなりとティアの事を許すとおっしゃると思いますか?」
「・・・っ!」
あの時のティアを守り今も擁護するイオンの行動がいかに考えなしだったのか、それが謝るという行動に出ている。そう突き付けながらもインゴベルトを引き合いに出しそのままだったら結果どうなるかを想像させるジェイドに、イオンは言葉を失った。インゴベルトがそんな甘いことをするわけがない、どう拭っても拭えないイメージしか湧いてこない為に。
そんな姿を見てジェイドは眼鏡を押さえつつ視線を背けながら、更に続けていく。
「・・・そんな現状でもう一度どころか、何度和平の為にバチカルに向かったところで以降は門前払いされるのがオチでしょう。いえ、和平でなくとも以降もダアトが拒絶される可能性は非常に高いと思われます・・・ティアをキムラスカに引き渡さない限りは」
「そっ、それは!そんなことをしたら・・・!」
「・・・間違いなくティアは死刑を免れられないでしょう。それだけ陛下の怒りは深いということです」
「!」
そしてそのままにティアを引き渡さない限りはダアトは拒絶されたままだと言えばイオンは話の流れを思い出し顔面蒼白になり、ジェイドはそのイオンの不安をはっきりと言葉にしティアも瞬時に顔面蒼白となった。
「た、大佐ぁ・・・そうする以外にないんですか・・・?」
「・・・でなければ陛下がティアを引き渡せと言わなかった理由には繋がらないんです。それに1つ目の理由を達成した今、余計にティアを引き渡さねば陛下はダアトを許さないものと私は見ています」
「え・・・1つ目の理由って、推測でしかないとか大佐言ってませんでしたか・・・?」
そこに1人アニスが事の重大さに震えながら他に選択肢がないかを問うが、ジェイドが今度は視線を合わせながらそれを否定しつつ1つ目の理由を出した事に恐る恐るまだ推測の域は出てないのではと問う。
「・・・では1つ聞きましょう。六神将を捕らえたとこうやって手紙にシンクの仮面が送られてきましたが、どうやってキムラスカは六神将を捕らえたと思いますか?」
「え?えっと、それは・・・六神将の乗ったタルタロスを襲撃して、六人全員捕らえたんじゃないんですか・・・?」
「まぁ普通なら、そうなるでしょう。ですがいくらキムラスカが本腰を入れたと言っても六神将が揃っていてタルタロスという陸上戦艦に乗る中で、そう易々と捕らえられると思いますか?・・・カイツールが襲われ、インゴベルト陛下にその情報がすぐさま渡ったとて精々数日程度が彼らを捕らえられる時間です。そんな短期間で居場所を特定した上で六神将を捕らえられるなど、そうそう容易に出来ることではありません・・・そう考えてから私は思ったんです。キムラスカは元々六神将を捕らえられる勝算があったからこそ、モースと謡将の二人を逃がさないようにしたのではとね」
「まさか、そんな・・・!」
そんな声にジェイドは六神将をいかように捕らえたかの手段は分からないと言いつつも、その難しさと手早さから確信があったからこそ二人を留めおく事にしたのではと述べる。だがアニスは途方もない話だと信じられない様子で声を上げた。
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そんな凍り付く三人に、ジェイドは2つ目の理由は覆らないと強調するように淡々とまた述べていく。
「ファブレ邸への侵入に加え二人のファブレの子息に無礼を働き、更に先の謁見の間での陛下への批判・・・これが陛下が怒りを感じられた主だった理由ですが、これは階級制度がハッキリしたキムラスカの刑法に照らし合わせればまずキムラスカの人間なら重い厳罰が与えられることは間違いない事象になり得ます。それは別国の人間なら即刻引き渡しの対象になり得るくらいのものです。ただそれをイオン様はティアを庇い立てて謝る・・・だけで済ませようとしました。本来なら引き渡してもらわねば割に合わない罪を犯しているにも関わらずです」
「あ、あれは・・・あのままではティアが危ないと思ったから・・・」
「今私はティアの身の危険の事を私は言っていません。謝るだけで済ませようとした、というイオン様の態度が問題なんですよ。あそこで断固とした処分を下そうともせず結局最後までティアをただ惜しむばかりで、そればかりか今もまた謝って許してもらおうとした・・・そんな言葉しか使わず頭を下げるしかしないイオン様の姿に、あの陛下がすんなりとティアの事を許すとおっしゃると思いますか?」
「・・・っ!」
あの時のティアを守り今も擁護するイオンの行動がいかに考えなしだったのか、それが謝るという行動に出ている。そう突き付けながらもインゴベルトを引き合いに出しそのままだったら結果どうなるかを想像させるジェイドに、イオンは言葉を失った。インゴベルトがそんな甘いことをするわけがない、どう拭っても拭えないイメージしか湧いてこない為に。
そんな姿を見てジェイドは眼鏡を押さえつつ視線を背けながら、更に続けていく。
「・・・そんな現状でもう一度どころか、何度和平の為にバチカルに向かったところで以降は門前払いされるのがオチでしょう。いえ、和平でなくとも以降もダアトが拒絶される可能性は非常に高いと思われます・・・ティアをキムラスカに引き渡さない限りは」
「そっ、それは!そんなことをしたら・・・!」
「・・・間違いなくティアは死刑を免れられないでしょう。それだけ陛下の怒りは深いということです」
「!」
そしてそのままにティアを引き渡さない限りはダアトは拒絶されたままだと言えばイオンは話の流れを思い出し顔面蒼白になり、ジェイドはそのイオンの不安をはっきりと言葉にしティアも瞬時に顔面蒼白となった。
「た、大佐ぁ・・・そうする以外にないんですか・・・?」
「・・・でなければ陛下がティアを引き渡せと言わなかった理由には繋がらないんです。それに1つ目の理由を達成した今、余計にティアを引き渡さねば陛下はダアトを許さないものと私は見ています」
「え・・・1つ目の理由って、推測でしかないとか大佐言ってませんでしたか・・・?」
そこに1人アニスが事の重大さに震えながら他に選択肢がないかを問うが、ジェイドが今度は視線を合わせながらそれを否定しつつ1つ目の理由を出した事に恐る恐るまだ推測の域は出てないのではと問う。
「・・・では1つ聞きましょう。六神将を捕らえたとこうやって手紙にシンクの仮面が送られてきましたが、どうやってキムラスカは六神将を捕らえたと思いますか?」
「え?えっと、それは・・・六神将の乗ったタルタロスを襲撃して、六人全員捕らえたんじゃないんですか・・・?」
「まぁ普通なら、そうなるでしょう。ですがいくらキムラスカが本腰を入れたと言っても六神将が揃っていてタルタロスという陸上戦艦に乗る中で、そう易々と捕らえられると思いますか?・・・カイツールが襲われ、インゴベルト陛下にその情報がすぐさま渡ったとて精々数日程度が彼らを捕らえられる時間です。そんな短期間で居場所を特定した上で六神将を捕らえられるなど、そうそう容易に出来ることではありません・・・そう考えてから私は思ったんです。キムラスカは元々六神将を捕らえられる勝算があったからこそ、モースと謡将の二人を逃がさないようにしたのではとね」
「まさか、そんな・・・!」
そんな声にジェイドは六神将をいかように捕らえたかの手段は分からないと言いつつも、その難しさと手早さから確信があったからこそ二人を留めおく事にしたのではと述べる。だがアニスは途方もない話だと信じられない様子で声を上げた。
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