蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「貴方がその様なファブレにキムラスカに対して全く配慮のないことを言われた事、正直私は貴方の事が残念でならない・・・だがそれ以上に残念なのはガイ、お前だ」
「わ、私が・・・!?」
イオンの反論が無くなり心底からそんな姿を見下す言葉を残せば、公爵は今度はガイに厳しい言葉をぶつけ頭を上げさせ動揺させる。
(・・・そろそろ行こうか)
その光景を見ていた蔵馬は自身もそこに参戦するべく、静かに足を運ぶ。
「そうであろう。重ね重ね言うが主の意向を汲むことなく勝手に行動したばかりか、屋敷を襲った者と何もせず共に帰ってくる者を雇っていたと思うと残念でならん」
「公爵様・・・」
「本来であればお前のような者は王族への反逆罪に余罪を諸々含めて死刑にするところだが、今までファブレに仕えてきた実績がある。その実績に免じて屋敷をクビという処分で特別に死刑にはしないでやろう。ありがたく思え」
「なっ!?」
そのガイに先程のやり取りを思い出させた上で公爵は尊大に告げた。死刑にしないと情けをかけた上で屋敷をクビにすると。すがるような目をしていたガイはその処分に目を向き足を前に出しかけるが、公爵の言葉は早かった。
「尚この処分に不満を申すと言うならお前を死刑にしても私は一向に構わんぞ。命を持って罪を償いたいと言うなら、それを止める理由は私にはない」
「・・・っ!」
その言葉はクビか死か、それ以外受け入れないと言外に強く述べた物だった。察するにクビを撤回することを要求しようとしていたのだろう・・・ガイの足に出された手は止まり、顔のありとあらゆる穴が開かれ静止した。
「という訳だ。今すぐどちらか選べ。クビを選ぶならこの退職金を渡し、荷物も処分せずにケセドニアに送ってやる」
「・・・それはもう、私にファブレの敷居を跨がせる気もないというんですか・・・?」
「当然だ。本来ならお前の顔すら見たくもないのだ。こうやって直々に金を渡してやるだけでもありがたいと思え。とは言え二度とこの屋敷には戻れん上に、また諦め悪く顔を見せるようであれば即刻で死刑に処すがな」
「・・・っ」
その上でジャラリと音のする袋を取り出されながらすぐに選択を迫られその中身から、ガイも否応なしにすぐさま出ていけと言われたのだと理解して力なく問いかければ、公爵は嫌悪を持って居丈高に返しその頭を下げさせワナワナと震えださせた。
「・・・お話はよろしいですか、義父上?」
「おぉ、クラマ。戻ってきたのか」
そこに蔵馬が公爵の側に寄るよう歩いてきて近付けば、公爵は居丈高な姿を一気に笑顔に変え蔵馬に向ける。
「はい・・・それで何の話をしているのか、と言っても大方の想像はつきますが・・・」
そんな公爵に返事を返しつつもさりげに蔵馬は公爵の前に立ち、ガイ達に油断なく鋭い視線を送る。
「うむ、ガイの処分を突き付けている最中だ。してガイ、どうする?」
「っ・・・はい、私はクビを受け入れます・・・」
「「「・・・っ」」」
そんな蔵馬に気を使いつつも最後選択をどうするかを聞く公爵に、ガイはとうとう逃げ場を失い力ない声で命を取ることを選んだ。そんなガイにジェイドを除いた三人が同情めいた視線を送るが、そもそもの原因の人物達が一方的に同情するのはおかしいと言わざるを得ないだろう。そんな姿に蔵馬は公爵に手を出し丁寧に金の入った袋を受け取り、ガイの前に差し出す。
「君には今まで世話になったが、もうキムラスカや公の場で会うことはないだろう。達者に暮らすといい」
「・・・はい、今までありがとうございました・・・では、失礼します・・・」
「あ、ガイ・・・」
そこに言葉面だけは感謝をしてはいるが素っ気なさしかない声を向ける蔵馬にガイは死んだ目をしながら袋を受け取り礼をした後、フラフラと下に向かう天空客車の方へと歩き出す。その姿にイオンが止めようと手を出すが、蔵馬がその姿に口を出す。
「追いかけないのですか、導師?もう用事は済まれたでしょう。ここにいる意味はないはずですが」
「っ・・・!・・・皆さん、行きましょう・・・」
「「「・・・」」」
その言葉は丁寧ではあったが明らかに「さっさと行け、もてなす気などない」という気持ちが有無を言わさない強さでこもっていた。それにやむを得ずガイを取ることを選んだイオンは悲し気に去ろうと周りに言い、なんとも言えない様子の三人を引き連れガイの後を追う・・・
「・・・お前の予想通りの事をしでかしてくれたな、導師達は」
「その予想を外してほしいと、少しだけですがそう思っていたんですけどね」
そんな姿を見ながら声が届かなくなった所で公爵は疲れたような表情で、蔵馬は苦笑を浮かべ予想通りだと会話する。
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「わ、私が・・・!?」
イオンの反論が無くなり心底からそんな姿を見下す言葉を残せば、公爵は今度はガイに厳しい言葉をぶつけ頭を上げさせ動揺させる。
(・・・そろそろ行こうか)
その光景を見ていた蔵馬は自身もそこに参戦するべく、静かに足を運ぶ。
「そうであろう。重ね重ね言うが主の意向を汲むことなく勝手に行動したばかりか、屋敷を襲った者と何もせず共に帰ってくる者を雇っていたと思うと残念でならん」
「公爵様・・・」
「本来であればお前のような者は王族への反逆罪に余罪を諸々含めて死刑にするところだが、今までファブレに仕えてきた実績がある。その実績に免じて屋敷をクビという処分で特別に死刑にはしないでやろう。ありがたく思え」
「なっ!?」
そのガイに先程のやり取りを思い出させた上で公爵は尊大に告げた。死刑にしないと情けをかけた上で屋敷をクビにすると。すがるような目をしていたガイはその処分に目を向き足を前に出しかけるが、公爵の言葉は早かった。
「尚この処分に不満を申すと言うならお前を死刑にしても私は一向に構わんぞ。命を持って罪を償いたいと言うなら、それを止める理由は私にはない」
「・・・っ!」
その言葉はクビか死か、それ以外受け入れないと言外に強く述べた物だった。察するにクビを撤回することを要求しようとしていたのだろう・・・ガイの足に出された手は止まり、顔のありとあらゆる穴が開かれ静止した。
「という訳だ。今すぐどちらか選べ。クビを選ぶならこの退職金を渡し、荷物も処分せずにケセドニアに送ってやる」
「・・・それはもう、私にファブレの敷居を跨がせる気もないというんですか・・・?」
「当然だ。本来ならお前の顔すら見たくもないのだ。こうやって直々に金を渡してやるだけでもありがたいと思え。とは言え二度とこの屋敷には戻れん上に、また諦め悪く顔を見せるようであれば即刻で死刑に処すがな」
「・・・っ」
その上でジャラリと音のする袋を取り出されながらすぐに選択を迫られその中身から、ガイも否応なしにすぐさま出ていけと言われたのだと理解して力なく問いかければ、公爵は嫌悪を持って居丈高に返しその頭を下げさせワナワナと震えださせた。
「・・・お話はよろしいですか、義父上?」
「おぉ、クラマ。戻ってきたのか」
そこに蔵馬が公爵の側に寄るよう歩いてきて近付けば、公爵は居丈高な姿を一気に笑顔に変え蔵馬に向ける。
「はい・・・それで何の話をしているのか、と言っても大方の想像はつきますが・・・」
そんな公爵に返事を返しつつもさりげに蔵馬は公爵の前に立ち、ガイ達に油断なく鋭い視線を送る。
「うむ、ガイの処分を突き付けている最中だ。してガイ、どうする?」
「っ・・・はい、私はクビを受け入れます・・・」
「「「・・・っ」」」
そんな蔵馬に気を使いつつも最後選択をどうするかを聞く公爵に、ガイはとうとう逃げ場を失い力ない声で命を取ることを選んだ。そんなガイにジェイドを除いた三人が同情めいた視線を送るが、そもそもの原因の人物達が一方的に同情するのはおかしいと言わざるを得ないだろう。そんな姿に蔵馬は公爵に手を出し丁寧に金の入った袋を受け取り、ガイの前に差し出す。
「君には今まで世話になったが、もうキムラスカや公の場で会うことはないだろう。達者に暮らすといい」
「・・・はい、今までありがとうございました・・・では、失礼します・・・」
「あ、ガイ・・・」
そこに言葉面だけは感謝をしてはいるが素っ気なさしかない声を向ける蔵馬にガイは死んだ目をしながら袋を受け取り礼をした後、フラフラと下に向かう天空客車の方へと歩き出す。その姿にイオンが止めようと手を出すが、蔵馬がその姿に口を出す。
「追いかけないのですか、導師?もう用事は済まれたでしょう。ここにいる意味はないはずですが」
「っ・・・!・・・皆さん、行きましょう・・・」
「「「・・・」」」
その言葉は丁寧ではあったが明らかに「さっさと行け、もてなす気などない」という気持ちが有無を言わさない強さでこもっていた。それにやむを得ずガイを取ることを選んだイオンは悲し気に去ろうと周りに言い、なんとも言えない様子の三人を引き連れガイの後を追う・・・
「・・・お前の予想通りの事をしでかしてくれたな、導師達は」
「その予想を外してほしいと、少しだけですがそう思っていたんですけどね」
そんな姿を見ながら声が届かなくなった所で公爵は疲れたような表情で、蔵馬は苦笑を浮かべ予想通りだと会話する。
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