蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった

「・・・まぁそういうことでしたら話が早い。異世界ですか・・・どのような所かは分かりませんが、俺の事を知らない者しかいないというなら好都合だ。コエンマ、その話乗せてもらいますよ」
「そうか・・・まぁ心配するな、いくつか候補はあったが比較的に文明が発展していなそうな世界の入口へと案内する。お前なら余程でなければ大丈夫な世界のはずだ」
「心遣い、感謝します。では早速、案内をお願い出来ますか?」
「わかった。では行こうか・・・」
一通り話を聞いてこれなら安心出来ると確信した蔵馬はそれに乗ることを決め、コエンマも大丈夫だろうと太鼓判を押す。それを受け行こうと切り出す蔵馬に、コエンマも了承してその場を蔵馬と共に後にする・・・














・・・そして霊界に来た蔵馬は、とある暗く陰鬱な地獄の人気のない場所へと元のサイズに戻ったコエンマ先導の元案内された。
「・・・ここだ。我々の力では数人がかりでないと扉は開かんが今のお前なら、一人でも開けるだろう」
「成程・・・確かによく見れば歪みのような物が見えるな。ただあまりにもか細く、下手をすればD級妖怪すら通れないような歪みだ」
コエンマが着いたと告げる場所を前にして蔵馬は目を細めながら、相当に小さい針の穴みたいな歪みに気付く。
「1つ言っておくがその扉は開いたとしても、すぐに穴を閉じようとその姿を縮める。後始末をしようなどと考えなくていいから、そのまま行けばいい」
「わかりました・・・では早速・・・・・・行かせてもらう」
その扉に関して後始末は気にするなと告げるコエンマに、蔵馬は丁寧な態度から一気に妖狐へと姿を変え自身を含ませた笑みを見せる。と同時に、蔵馬が扉を凝視した瞬間扉は蔵馬が通れるサイズに大きく広がった。
「あぁ、行ってこい・・・見送りがわしだけでは味気ないだろうとは思うがな」
「気にするな・・・ではな」
その扉にさっさと飛び込む前に別れの挨拶をするコエンマに、蔵馬は軽く一言残しその扉の中へと入った。そして蔵馬の姿が無くなると同時に扉は収縮し、元のサイズに戻った。
「・・・飛影や幽助ならともかく、蔵馬なら大丈夫だろう。さぁ、戻るか」
その姿を見届け蔵馬ならしっかりしているからと信頼を覗かせながら、コエンマはその場を後にしていく・・・












・・・二人はこの時知らなかった。蔵馬はまた大きな戦いに巻き込まれることになることを。そして運命的な出会いをすることを・・・






END









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