蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった
「お前、自分の体をどうにかするために黄泉から暇をもらったのだろう?それでどこで研究するのか、決めておるのか?」
「・・・まだ、ですよ。研究内容が内容だけにあまり公にしたくない。だから黄泉の所に、ひいては魔界は候補から外しました。今は落ち着いてるとは言え何が起きるかわかりませんからね」
「・・・なら霊界も候補から外している、ようだな」
「ええまぁ。俺をよく思っていない者も少なからずいるでしょうからね」
そのコエンマの提出してきた話題とは肉体の研究場所はどこか、という物。しかし蔵馬の先を読んでいると言った笑みでの返答に、コエンマはまた苦々しそうな顔になる。
・・・今は魔界が落ち着いてるとは言え、血気盛んな頭のネジを外した妖怪が何をしでかすか分からない。その上その研究は場合によっては魔界どころか霊界に人間界すら巻き込む可能性が出てくると、蔵馬はそう考えていた。
そう考え蔵馬はまず魔界で研究をすることは出来ないと考えた。なら霊界はどうかと問われれば、それもまた厄介であった。何せ霊界は元々妖怪排除の気運が高く、その上盲目か確かかを問わず自身を正義の使者と思っている者が多い。かつて程ではないとは言え妖怪である自分が霊界に入り浸っていたらまた面倒ごとになりかねないと蔵馬は考え、同様にコエンマもそれを察していた。
「やはりな・・・ならわしの話に乗ってみる気はないか?」
「話?何ですか?」
だからこそ本題はここにある。コエンマが明らかに何かあると思わせ振りに話を切り出した事に、蔵馬も興味深そうに首を傾げる。
「いや、な・・・蔵馬、お前は人間界や魔界や霊界以外にまた別の世界があると聞いて、それを信じるか?」
「なんですか、藪から棒に・・・と言いたいですが、信じますよ。貴方も確証なくそんな話はしないでしょう?」
「話が早くて助かる・・・これは霊界においてもトップクラスの秘密事項だ。くれぐれも内密に頼む」
別の世界。普通ならまず信じられない与太話を切り出されてもすぐに信じる蔵馬に、コエンマは緊迫した空気をまとわせ話をしだす。
「・・・まず聞くが、魂の行方はどうなるか知っているか?」
「魂の行方・・・霊界に行きその罪の軽重を判断して然るべき処置を施した後、一部の例外を除き輪廻の輪に乗り生まれ変わる・・・というのが俺が聞いた結末ですね」
「なら稀にだが、人間界や魔界にも存在していなかった死者が霊界に来ることはお前も知らないだろう」
「何?それがもしや別世界からの人間の死者だというのか?」
「あぁ・・・話を聞けば聞く程、この世界との成り立ちが違うと確信出来た。ただ異世界があるなどと例え霊界の中でも噂をされればいらぬ面倒が起きかねないと、オヤジはこの件を内密にしながら捜査してきた・・・その結果、条件を満たしさえすれば異世界の扉を開く事が不可能ではないとわかった」
「その条件とは?」
「場所と力、だな。死者は死んだ時に偶然異次元の扉を通る可能性もあるが、ある程度力を持った者が指定の場所に行けば次元の扉を開ける・・・そうわかった。その原理で言えば、お前の力があれば十分に行けないこともない場所だ」
「・・・行けるとは聞きましたが、帰りは?」
「心配するな、同じ場所を介すれば道は繋がっている。事実人を割けんという理由でわしもその世界の入り口までとは言え通っておる・・・さっきも言ったが内緒じゃぞ?」
「フフッ・・・わかっていますよ」
その雰囲気のままどういう根拠があるのかを語るコエンマだったが、最後に困ったような笑顔を見せた事で蔵馬は微笑ましそうに笑う。
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「・・・まだ、ですよ。研究内容が内容だけにあまり公にしたくない。だから黄泉の所に、ひいては魔界は候補から外しました。今は落ち着いてるとは言え何が起きるかわかりませんからね」
「・・・なら霊界も候補から外している、ようだな」
「ええまぁ。俺をよく思っていない者も少なからずいるでしょうからね」
そのコエンマの提出してきた話題とは肉体の研究場所はどこか、という物。しかし蔵馬の先を読んでいると言った笑みでの返答に、コエンマはまた苦々しそうな顔になる。
・・・今は魔界が落ち着いてるとは言え、血気盛んな頭のネジを外した妖怪が何をしでかすか分からない。その上その研究は場合によっては魔界どころか霊界に人間界すら巻き込む可能性が出てくると、蔵馬はそう考えていた。
そう考え蔵馬はまず魔界で研究をすることは出来ないと考えた。なら霊界はどうかと問われれば、それもまた厄介であった。何せ霊界は元々妖怪排除の気運が高く、その上盲目か確かかを問わず自身を正義の使者と思っている者が多い。かつて程ではないとは言え妖怪である自分が霊界に入り浸っていたらまた面倒ごとになりかねないと蔵馬は考え、同様にコエンマもそれを察していた。
「やはりな・・・ならわしの話に乗ってみる気はないか?」
「話?何ですか?」
だからこそ本題はここにある。コエンマが明らかに何かあると思わせ振りに話を切り出した事に、蔵馬も興味深そうに首を傾げる。
「いや、な・・・蔵馬、お前は人間界や魔界や霊界以外にまた別の世界があると聞いて、それを信じるか?」
「なんですか、藪から棒に・・・と言いたいですが、信じますよ。貴方も確証なくそんな話はしないでしょう?」
「話が早くて助かる・・・これは霊界においてもトップクラスの秘密事項だ。くれぐれも内密に頼む」
別の世界。普通ならまず信じられない与太話を切り出されてもすぐに信じる蔵馬に、コエンマは緊迫した空気をまとわせ話をしだす。
「・・・まず聞くが、魂の行方はどうなるか知っているか?」
「魂の行方・・・霊界に行きその罪の軽重を判断して然るべき処置を施した後、一部の例外を除き輪廻の輪に乗り生まれ変わる・・・というのが俺が聞いた結末ですね」
「なら稀にだが、人間界や魔界にも存在していなかった死者が霊界に来ることはお前も知らないだろう」
「何?それがもしや別世界からの人間の死者だというのか?」
「あぁ・・・話を聞けば聞く程、この世界との成り立ちが違うと確信出来た。ただ異世界があるなどと例え霊界の中でも噂をされればいらぬ面倒が起きかねないと、オヤジはこの件を内密にしながら捜査してきた・・・その結果、条件を満たしさえすれば異世界の扉を開く事が不可能ではないとわかった」
「その条件とは?」
「場所と力、だな。死者は死んだ時に偶然異次元の扉を通る可能性もあるが、ある程度力を持った者が指定の場所に行けば次元の扉を開ける・・・そうわかった。その原理で言えば、お前の力があれば十分に行けないこともない場所だ」
「・・・行けるとは聞きましたが、帰りは?」
「心配するな、同じ場所を介すれば道は繋がっている。事実人を割けんという理由でわしもその世界の入り口までとは言え通っておる・・・さっきも言ったが内緒じゃぞ?」
「フフッ・・・わかっていますよ」
その雰囲気のままどういう根拠があるのかを語るコエンマだったが、最後に困ったような笑顔を見せた事で蔵馬は微笑ましそうに笑う。
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