異端者と逆行せし者達の協力

・・・ジェイド達は過去に戻るにあたり、アッシュをどうするべきかを悩んでいた。

元々ルーク以下救える命を救うために過去に戻って来たのだが、そんな状況でアッシュの激しいルークへの勘違いの憎しみはハッキリと言って邪魔であった。下手を打てばアッシュがルークを殺す未来が出来上がる可能性があるために。

だからもしもの時はけしてルークを認めようとしないアッシュをジェイド達は大爆発を起こさせないようにして殺す事を考えていた。ルークを生かす為に。その時は最悪、ティア達も殺す気で。

しかしラムザが『アッシュ』として生まれ変わった事、そしてラムザがルークの良き兄貴分として務めていると聞きジェイド達は驚いた反面安心もした。これなら大丈夫だと思い(余談だが旅の間事情を知らせてないナタリアとティアとガイがいる時、ルークはけして他人行儀な貴族然とした態度を崩したことはなく、自分達には素の態度を見せてくれることをジェイド達は非常に嬉しく感じていた)。

・・・これがアッシュだったなら意地でもルークを認めようとはしなかっただろうし、そもそもルークをアッシュが認めたのもあくまで言葉など用いず力づくに上から目線を崩さなかった上での決闘での結果によるものだ。そんなことにも気にかけず、大爆発で帰ってきたアッシュはまたルークに対しての上から目線を決して崩そうとしなかった・・・その事からジェイドとアニスはティア達と違い、アッシュに対し軽蔑の想いを抱いた。そしてその事はジェイドとアニスが二人だけでティア達も見限った上で結託し、過去に戻ったきっかけでもあった。

・・・だからこそジェイドにアニスはティア達に情けをかけることもなく、断罪する事を選んだのである。



「しかしラムザのおかげで大分やりやすかったとは言えまだやるべき事は残ってますからね。バチカルに行った後はセフィロト回りです。気を抜いてはいけませんよ」
「わかってますよ、大佐。せっかく戻ってこれたんですから、ルークを生かす為にも私頑張ります!」
「その意気です」
・・・ラムザの存在に感謝はするが、それでもまだやるべき事はある。ジェイドの気を引き締めるように告げる声にアニスから分かってると笑顔で返され、微笑を浮かべる。















・・・この後、キムラスカとマルクトにおいて和平が結ばれる事が決定した。それと同時にダアトの闇とも言えるモースとヴァンの行動をイオンが暴露したことで、預言を絶対とする風潮は次第に薄れていった。



・・・そしてその影にキムラスカ王女がマルクトの貴族の元に嫁いだ事を初めとして、数人程の人間が知らず知らずの内に罰せられていたことを知る者達がいたことはほとんど知られていない・・・



END










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