異端者と逆行せし者達の協力

「・・・でも大佐。ラムザにも言ってましたけどナタリアをあてがえるような貴族って検討はついてるんですか?」
「えぇまぁ、いくつかはですが・・・あくまでまだ候補です。ナタリアの事実はこちらにはまだ回ってきてませんから」
「あぁ、まだ話せるような段階じゃありませんしね」
・・・その時の事を思い返し終わり、アニスはふと思ったことをジェイドに問うが時期でないと返され納得する。
「・・・けどよくナタリアをマルクトに嫁がせるなんて考え浮かびましたね、大佐。てっきり私はナタリアをそのまま排除した方がいいと言うと思っていたのに」
「そちらの方がルークの為になると思ったからですよ。後々を考えたら・・・ね」
しかし思い返せばまだ疑問があるとナタリアの完全な排斥を望んでいたかのようなアニスの声に、ジェイドは目の前で穏やかにイオンと話をしているルークを柔らかく見つめながら語る。
「ナタリアを王女から排除してラムザが遠ざけたとて、ラムザが自分は王にはならずルークをサポートするつもりでいるなら当然王になれるのはルークという事になります。そこでナタリアをルークにあてがうことを考えつかれたら、また面倒な事になります。そうなれば最悪ナタリアがまた自分が立場が上だと息を吹き返し、ルークを悪者扱いしかねませんからね。そうしないためには手を打たれない内にナタリアをマルクトで引き取った方がいいと思ったんですよ・・・まぁラルゴの存在がなければ、後はどうなろうと構わなかったんですけどね」
「あぁそういうことですか・・・まぁ確かにラルゴの事を考えるとちょっとね。ラルゴはラムザの事を認めてた節があったから、余計に不憫ですし・・・」
視線と中身が全く似つかわしくない事に違和感など見せず、それでいてラルゴのことがあるから一応ナタリアに情けはかけたのだと語るジェイドにアニスも納得する。



・・・ラムザとナタリアの婚約解消を計画するに辺り、ラムザからラルゴの事を聞いていたのがありジェイドはナタリアを殺さないよう処理しつつも丁重に扱う処置を考えマルクトに強制で嫁がせる事を思い付いた。

その上でその案をラムザはジェイド達と共にラルゴに実行することを伝えたのだが、その時のラルゴは口では大丈夫だと言ってはいたが寂しそうな雰囲気が出ていたのをジェイド達は見逃さなかった。

そして後日アニスは密かにラルゴを気遣い声をかけたのだが、ラムザにならナタリアを任せられると思っていたという父親としての本音を聞いたアニスは励ます事も出来ず、何とも言えないいたたまれない気持ちになったのはアニスのちょっと気まずい過去の1つになった。



「・・・まぁとにかく、ティアにガイもグランコクマで牢屋のお世話になったことですしこれで一段落って所ですね」
・・・そんないたたまれない気持ちを払拭するため、話題を変更するアニス。
「えぇ。人の事を偉そうに言えるような立場ではありませんが、彼らをあのままルークの近くにいさせるのは好ましくありませんでしたからね。それに今のルークはラムザという存在がいますから、余計に彼らを近付けるのははばかられます・・・これがアッシュだったら、ティア達と一緒に罵る側に回っていたでしょうから正にラムザ様々です」
「ですよねー」
その声にジェイドも同意しつつアッシュはいなくて良かったと言えば、アニスも小さくウンと頷く。







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