異端者と逆行せし者達の協力

「どういう事なんだよ、アッシュ・・・お前一体何者なんだ・・・!?」
「・・・それをお前に言われたくはないよ」
・・・体を縄で縛られ膝だちの状態で後ろに縄を持つ神託の盾に見張られ、暗に裏切られたと言わんばかりにぎらついた目を向けるガイ。その両脇には同じようにティアとナタリアもいる。そんな三人を前にジェイドとアニスを横につけるラムザは疲れたように声を絞る。
「今までの事はジェイドとアニスの二人から聞いた。勿論ルークからもね。その話の結果、君達は色々と問題ありということがわかった。だから僕は君達を捕らえさせてもらったんだよ」
「問題だと・・・敵のお前に何をそんなに言われなきゃならないんだ!それに俺達は何も問題のある行動はしてはいない!」
「あるから言っている。僕はファブレの人間だから」
「え・・・ファブレの人間?」
「どういう事なのですか?・・・貴方がファブレの人間だなんて、私聞いてませんわ」
そのままに話をするラムザだが尚身に覚えのないことを言われる筋合いはないと激昂されたことに、ラムザはファブレの人間であると明かすとガイだけでなくナタリアも意味が分からないと見上げてくる。
「それはそうさ、僕も色々秘密に行動してきたからね。とは言えいい機会だ、君達に事実は伝えないとね・・・」
そんな二人とついでにティアにラムザは語り出す。自分が本物の『ルーク』という存在であり『アッシュ』として行動してきたことを・・・












「・・・という訳さ。僕もルークも経緯はともあれ、れっきとしたファブレの人間だ。その事は理解出来たかな?」
「そ、そんな・・・兄さんが・・・」
「う、嘘だろ・・・っ!?」
・・・そして経緯も説明し終わった所で、ティアにガイは動揺に目を揺るがせる。だが一人、動揺ではなく怒りを感じている者がた。
「・・・何故、ですかルーク!?そんな事情がありましたなら私に言ってくださってよかったでしょう!忘れたのですか、幼い頃に交わした約束を!?」
・・・そう、ナタリアである。
プルプルと体を震わせていたかと思えばすぐさまラムザを『ルーク』と呼びながらも自分を信じなかった事への非難も含めながら怒声を上げるが、対するラムザは眉間にシワを寄せながらもけして『アッシュ』では有り得ない心底からのタメ息をナタリアに向ける。
「はぁ・・・なら聞くよ、ナタリア。君はルークに対して常々記憶が戻ったかどうかを質問していたそうだね?」
「それは貴方がさらわれて記憶を無くしたというから、早く記憶を取り戻して欲しかったからですわ!」
「・・・その行動が君に真実を言う気持ちを無くさせた理由だ」
「・・・え?」
タメ息を吐き続けた質問は前にもあったルークへの記憶の有無。ナタリアはそれにさも心配していたからこその行動だと声を張り上げるが、反対にラムザの声は小さく冷えていた。
「僕も君にくらいなら僕の真実を教えようかとも思った。けどそれは君の様子を知って思い止まった」
「私の何がいけなかったというのですか!」
「確かに姿形はルークと僕は瓜二つだ。パッと見ただけでは見分けはつかない。そんなルークを見て戸惑うのは当然だ・・・けど、だからと言って記憶の全くないルークに記憶を思い出せとばかり言うのを正当化することには繋がらない」
「・・・え・・・?」
そこで指摘するのはナタリアが記憶の有無を強く会うたびルークに問いただしてきたこと。その行動を否定するラムザにナタリアの怒りが戸惑いに変わる。









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