異端者と逆行せし者達の協力

「!?何を、お言いになられる公爵・・・!?」
「とぼけても無駄だ、大詠師」
・・・そのまま話すラムザから話を引き継ぎ導師すらもが入れ換えられたと言う公爵に、モースは動揺しながらもとぼけた態度を取ろうとするが有無を言わさない声を公爵は向ける。
「こちらにディストがいることをお忘れか?貴様の所業の証言役にこれほど適した人間など他にいまい!」
「!くぅっ・・・!」
「まさかモース、そなた・・・!」
「それがダアトと言う組織の実状です、陛下」
その勢いのままにディストの方に腕を振り証言者はいると強く言えば、モースは苦々しく顔を背けインゴベルトは信じられないという目を向けるが上の立場の王に公爵は冷ややかに言葉をぶつけていく。
「ローレライ教団のトップである導師は既に死に、頭を今の導師にすげ替えられていた・・・それだけならまだダアト内での出来事だからとおっしゃることも出来るでしょう。だがそうやって導師が死ぬという預言が詠まれたにも関わらず、それを表に出すことなくあろうことか導師という存在の死すらないものとした・・・これのどこにダアトの善意があると言えますか?故あれば預言だからと平気で他国をたばかり、故あれば預言の結果を無視し他国どころか大事な民と言える教団員すらもたばかる。私はそのような事を平気で行う者達をキムラスカの政治に関わらせたくはありません」
「だ、だからこのような暴挙に出たというのか・・・!?だが、そのような事をすればダアトが黙っては・・・」
「そのようなご心配はいりませぬ。導師は我々の行動を支持するとの言葉をいただいておりますので」
「何っ!?」
ローレライ教団のやり方がいかに自分本意の身勝手なものか。それを信じられないと語る公爵にインゴベルトはダアトとの繋がりが切れる事を恐れた声を上げるが、トップであるイオンの協力は既に取り付けてあると公爵が言えばモースが驚愕を浮かべる。
「・・・その様子は自身に対し反旗を翻すなどと思っていなかった、と言う表情だな。だが我が息子であり教団の裏を知るラムザが何も手を打たなかった、とでも思うか?」
「!まさか・・・!」
「そう、これはあらかじめ予定された強行だ。我らにラムザ率いる神託の盾及び導師、そしてマルクトも交えたな」
「なにっ!?マルクトも、だと・・・!?」
そんなモースにラムザの行動だと暗に告げればモースもその意に気付くが、更にマルクトもと付け加えられたことに敬語を忘れ批難めかせて公爵を睨み付ける。
「おかしいか?大詠師という存在を廃すると決めた以上、預言だからこれはダアトには関係ないことだと預言通りにマルクトを滅ぼすのはダアトを廃するのに責任ある一貫した態度ではないだろう・・・故にマルクトには詠まれた預言の中身は全て伝えている。同時にこのバチカルからグランコクマに導師の許可も取って、大詠師の地位を剥奪の上で罪人として捕らえて送り出すこともな!」
「っ!?ざ、罪人!?」
だがすぐに公爵から滅ぼそうとしたマルクトに罪人という肩書きで送られるこ聞き、モースの顔が焦りに満ちた。
「そうだ。言っておくが今の導師はレプリカの導師だから自分がダアトの最高責任者だなどという言葉は通じん。即刻今からマルクトに我々は貴様を送り飛ばす・・・あぁ、弁解の余地があると思わん方がいいぞ?滅ぼされかけたマルクトが貴様を丁寧に扱うかどうか、それくらいはわからんわけはないだろう」
「っ・・・ひっ!」
そしてだめ押しと言わんばかりに公爵がその後の苛烈な処断が待っていると暗示させる中身をほのめかしたことに、モースは愕然とし恐怖に満ちた表情で後退りする。
「では皆・・・奴を捕らえろ!」
「くっ・・・来るな!・・・お、お助けてください陛下!陛下ぁぁぁっ・・・!」
「・・・っ・・・!」
その様子に白光騎士団を見て捕縛を命じれば騎士団はすぐさまモースの捕縛にかかり周りを包囲すれば、モースは最早悲鳴とすら言えるレベルでインゴベルトに助けを求める。だが当のインゴベルトは情け容赦なく乱暴に拘束され口に縄を噛まされて連れていかれるモースの姿に、ただガタガタと震えるばかりで何も言えなかった。次は自分もああなるのかと思うばかりで・・・









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