焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

「・・・おや、出迎えが来たようだね」
「え・・・あ、向こうから船が・・・」
するとレイリーが前を見て気付いたような声を上げた事に、ルークも前を向くと自分達の船より多少大きい船が近づいて来ることに気付く。
「ん、あれは・・・確か・・・っ!!」
と、ルークは前の船から何かこちらに飛んできたモノを見てハッとした顔つきになる。
「・・・ちょっとそこの船!!!止まるよい!!」
「あっ!!やっぱりマルコだ!!!」
「ん・・・おォ!!!お前は、あの時の朱髪じゃないかよい!!!」
そして船の前にまで飛んできたそのモノが不審な声を自身達に向けてきた事に、ルークはその姿はやっぱり頂上戦争で見たマルコだったのだと両腕を翼に変え青い炎に包まれながら飛んできたマルコに嬉しそうに声をかける。対するマルコもルークに気付き、警戒心を緩めた笑顔を浮かべる。
「久しぶりだな!!いきなりどうしたんだよい、お前!!?」
「ちょっとレイリーさんから話を聞いてこっちに連れてってくれるって言うから来たんだ!!」
「レイリー・・・うわっ、冥王!!?」
「はは・・・そう驚かないでくれ、私はシャンクスからの頼みもあってルーク君をここに連れてきただけだ。戦う気はない」
その笑顔のままルークに話しかけるマルコだったが、隣にいたレイリーに驚き空中で身をのけ反らせるが至って穏やかにレイリーは落ち着かせようとする。
「それより白ひげはここにいるのだろう?話を通してくれないか?我々は白ひげに会いに来たんだ」
「・・・わかったよい。オヤジもルーク、でいいのかお前?」
「あァ」
「オヤジもだけどエースもルークに会いたいって言ってたからな。話はおれがオヤジの元に言って通すからゆっくりあの島に来るよい」
「エースもいるのか!!?」
その流れのままレイリー主動で話が進むと、マルコの口からエースの名が出てルークはパッと顔を明るくする。
「あァ、エースも喜ぶよい!!!オヤジと一緒にいるから楽しみにしてるよい!!!」
その嬉しそうな顔につられながらもマルコは肯定し、早く報告の為にとそのまま島の方に飛んで戻って行く。
「では行こうか、ルーク君。白ひげ達も歓迎してくれるようだからね」
「はい!!!」
これで白ひげに加えエースにも会える、そう思うルークはレイリーの勧めにまた嬉しさを隠さず即答した。












・・・そして船を島の港に着けたルーク達は元白ひげ海賊団のクルー達が両脇を固めて整列して道を作る中歩いていく。その元白ひげ海賊団の面々の目はルークに好意的、そんな視線にルークは多少恥ずかしさを覚えつつもクルー達が作る道の先に見覚えのある2つの姿を見つけた。
「・・・よォ、久しぶりじゃねェか。朱髪の小僧・・・いや、名前はルークだったな」
「白ひげのオッサン!!!」
そこにいた1つの姿は2年経って変わった様子を見せない白ひげ。
「しっかし驚いたな、まさか冥王と一緒に来るなんて・・・!!!」
「はは!!エースも久しぶりだな!!!元気にしてたか!!?」
「あァ、お前のおかげでな・・・ルーク」
そしてもう1つの姿は2年経って精悍さを増したエース・・・白ひげは不敵に笑み、エースは人懐っこい笑みをルークに向けルークも満面の笑みを二人に向ける。
「だがいきなりどうした?マリンフォードから全く噂も聞かなかったが、何故今になって突然姿を現した?マルコ達もお前を探したが噂の影も形もねェと聞いていたからどっかの片田舎にでも行って海軍から隠れたとおれらは考え、もう会うことはねェかと思ってたんだがな・・・」
「んー・・・・・・まァ事情は話せばちょっと長くなるけど・・・どうする?」
「・・・どうやら訳ありみてェだな。時間は別に構わねェから話せ」
そんな笑顔同士の再会から白ひげはなんで今姿を見せに来たのかと問うと、ルークは少し迷いはしたものの正直に自分の事を明かすのを前提にして話を聞くかと問い返す。その前置きに白ひげも背後にある事情の大きさをなんとなしに察しつつ、聞くと返す。










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