焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

「ただ前日言った麦わら海賊団の偽者の件があるから、ルフィ達の出港は慌ただしい物となるであろう。恐らくルフィとはゆっくり話は出来まい・・・だからニコ・ロビンが来たなら彼女と一緒にサニー号にルーク君は行きなさい。下手に探し回るよりサニー号にいた方が行き違いを起こさずに済む」
「レイリーさんは探さないんですか?」
「私はナミちゃんにコーティング船の説明をせねばならない。コーティング船の操作は少し特殊なのでね、彼女がそれを知っていなければサニー号が出港すら出来ない事も有り得る。だからルフィの所には行けんのだ。行き違いを防ぐ為にね」
「そうなんだ・・・わかりました、しばらく待ってます」
しかしそんな能力があるのにレイリーからルフィを探しに行かないような事を言われ首を傾げるルークだったが、コーティング船の講習を受けていた為にうっすら難しい事なんだなとわかるのでルークもロビンを待とうとレイリーに従うと頷いた。















・・・そしてしばらくしてロビンがBARに来て、レイリーに話を通されルークはロビンと共にサニー号に行くことになった。



「ふふ・・・不思議な物ね、別の世界の人だなんて・・・そんなこと、物語の中だけの事だと思ってたわ」
「・・・よく言われるよ、それは」
共にサニー号に向かう中、ロビンにルークは共に微笑を浮かべながら歩いていた。
「ただ話を聞くと面白そうだとは思うけど・・・色々、貴方も大変だったのね」
「・・・まァ大変なことはそれは誰にでもあるよ。けどこうやって生きていてそれを幸せだって感じられてる・・・俺は不幸じゃないって感じられてるから大変なことも乗り越えられるんだ」
「・・・ふふ、強いのねルーク」
・・・ロビンは修羅場こそが常と言える闇の世界で生きてこざるを得なかった。その生の過程の上で現在海賊であるのに全く闇を感じさせない純粋なルフィと出会い今に至るが、そのロビンの目から見てルークはルフィとは違うが純粋な人間でありルフィ達を助けた事もあって信頼出来る人間だと感じていた。そしてその苛烈な生涯の軌跡にそれでも立ち上がった事を好ましいと・・・












・・・そのロビンと一緒にサニー号に行き、フランキー共々会話を繰り広げながら待機をしていたルーク。



そこからナミ・ウソップ・チョッパーの3人がサニー号に来て彼らが集まった時の自然体の様子を見て、これが麦わら海賊団なんだなと個人個人で会った時とまた違う様子に自然と笑みがこぼれていた。
「君達!」
「レイリーさん!シャッキー!!」
「少々島の状況が忙しくなってきた」
そんな状況の中でサニー号に来たレイリーとシャッキーにナミが答え、レイリーが話を始める。



・・・そこから話はニセ者の麦わら一味を捕縛に海軍が動き出したことから、ブルックとルフィがこちらに向かってくる事を聞いた麦わら一味とルークは笑みを嬉しそうな表情を浮かべた。
「・・・いよいよ再出発の刻だ!!!・・・・・・さて、ルーク君」
「あ、はい」
一通り麦わら一味に話を終えた後、ルークに視線を向けるレイリー。
「予想はしていた訳だが、これで君はルフィとはゆっくりとは話は出来ない。それは分かるだろう・・・だから聞くが、私はこれからルフィの様子を見に行く。その場に行けば海軍に見つかる可能性があるわけだが、ルフィがサニー号に行く時間分くらいは話は出来る時間は作れる。君は・・・どうする?」
「俺は・・・」
レイリーは決断を求める、このままナミ達と安全な所にいるか危険ながらもルフィと話せる時間を作るか。まるでルークを試しているかのようなレイリーの声に・・・
「・・・行きます!!少しの時間でも俺はルフィと話したいです!!!」
「・・・そうか」
・・・世界を渡る内にろくに別れを告げられないまま、仲良くなった人と別れた事は何度かある。白ひげ達にシャンクス達にルフィ達もその中の面々であった。
今ちゃんと話せる機会がまた来たというのにそれを逃したくない、そんな気持ちをまっすぐに込めた声と表情にレイリーはまた微笑ましく笑みを見せる。
「なら行こう、時間はあまりないからね」
「はい!!!」
そして船からルフィ達の元に行こうと後ろを向いたレイリーに、ルークは元気よく返答し後を付いていく・・・







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