焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

「・・・まァ大体事情はわかった。ルーク、お前がルフィの世話になったってのはな・・・」
「・・・」
レイリーとシャッキーからルフィ達の話を聞き終わったサンジはルークを見定めるかのような視線を向けるが、ゾロとはまた別の意味で一波乱があるかもと思って緊張していたルークにサンジはニカッと笑う。
「ありがとうな、ルーク。イワから話は聞いてたからいつかは礼をしたいと思ってたんだ」
「え?イワって・・・?」
「ん?・・・あァ、エンポリオ・イワンコフって言えば分かるか?あのバカでかい顔したカマだよ」
「・・・あァ!!アイツか!!!」
その笑顔から礼を言ってきたサンジだが聞き慣れない名に首を傾げるルークに、サンジは誰かわかるよう説明するとルークもけして印象が薄くなかったイワンコフの姿を思い出しハッとする。
「あれ、でもなんでアイツが出てくんだ?・・・もしかして一緒だったのか、この二年間で・・・」
「ぐっ!!?テメェ、なんでそれを・・・!!?」
だが何故サンジとイワンコフが繋がるのか1人考えたルークが確かめるよう言った声に、サンジは痛そうに胸を押さえ睨むようにルークに確認を取ってくる。
「いやまァなんとなくゾロみたいにあの場にいたイワンコフから俺の事聞いたのかなって思ったんだけど・・・どうしたんだよ、いきなり苦しそうにして?」
「いやなんでもない!!!確かにそうだがそれ以上気にするな!!いいな!!?」
「あ、あァ・・・わかったよ・・・」
そんなサンジに鷹の目から話を聞いたゾロのような感じかと思っていたと語りつつもいきなりの奇行に訳を聞くが、鬼気迫る表情でまくし立てられたルークは押し切られる形でそれ以上問うことを止める。
「・・・まァそれはともかく、だ。うちの船長が世話になっちまってんだ、俺のいないとこでな。それに報いなきゃおれの気がすまねェ・・・だからちょっと待ってな、食料を調達してくる」
「え?食料って?」
そんな鬼気迫る表情から一転タバコを口に含ませ落ち着いた様子を見せつつも、サンジはそのタバコでルークを指差しながら食料調達すると口にする。だが何の事かわからないルークは首を傾げるばかり。
「おれはコックなんでな、感謝の気持ちを示すには料理が一番分かりやすい表現って訳だ。だから楽しみに待ってろ、この二年間で更にパワーアップした料理を食わせてやる・・・その頃にはナミさん達もルフィもいるだろうから、一緒にな」
「っ!!・・・あぁ、わかった!!」
そんなルークにサンジは皆で楽しく飯を食うためだとまたニカッとした笑顔で語り、ルークはその裏表ない好意に嬉しさを覚えつつも満面の笑みで返す。
「・・・んじゃちょっと行ってくる」
そんなルークに自然な微笑を残し、サンジは椅子から腰を上げBARを後にする。
「フフ、流石ねルークちゃん。あのサンジちゃんに簡単に仲良くなれるなんて」
「ん?サンジって気難しいのか?」
その様子を見て黙っていたシャッキーが微笑ましそうに口を開くが、至ってルークは意外そうな顔で返す。
「フフ・・・純粋っていいものね」
「?」
そんなルークに更に微笑むシャッキーだが、当のルークは更に首を傾げる。
「・・・む・・・」
「あら?どうかした、レイさん?」
そんな二人の様子を黙ってまた微笑ましそうに見ていたレイリーだったが、突然何かに反応したように声を漏らしシャッキーがそれに反応する。
「いやなに、ルフィの上陸を確認したんだ。これで先に来た7人と今こちらに向かっているニコ・ロビンを含め、麦わら海賊団の人間が全員ここに来たことになる」
「え・・・!!?本当ですか、それ!!?」
「あァ、本当だ」
・・・レイリーから話を聞き‘覇気’という力を使え、その覇気の中の1つの‘見聞色’の覇気のおかげで離れた人の気配を強く感じれるとルークは知った。麦わらの一味が続々とBARに来た時にその全てを言い当てた事からそれが疑いようもない事実である事も。だからこそレイリーの言葉はルークにとって非常に嬉しい物であった。









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