移ろう気持ちに関係

「気持ちは分かるが、どうせあんな様子だ。俺達に対して愛想良くなんて気まぐれでも考えてはくれないだろう。だがそんなものだからわざわざ俺達に仲良く話し掛けにくるなんてこともないのは目に見えてる・・・まぁ要はこっちからはあいつにどうこう接触するだとかそんなつもりはないから気にしなくていいし、何なら大佐や導師に話をつけてもらう。心配はいい」
「・・・ルーク様がそうおっしゃるのでしたら・・・」
その上でルークは別に大丈夫だと言えば、アルマンダインは引き下がりたくないといったような様子ながらも頷き返す。
「それより船はもう出れるのか?」
「はっ、それはすぐに」
「じゃあすぐに船に乗る。大佐も導師もすぐに乗るか?」
「えぇ、私は構いません」
「こちらも大丈夫です」
「じゃあ乗るから報告の方はよろしく頼む」
「はっ、航海の無事をお祈りしています」
それで話題転換と船にもう乗れるかと聞くルークにアルマンダインは問題ないと返し、ジェイドとイオンに確認を取ると了承が返ってきた事に乗る事にすると返すと敬礼を向けられる。


















・・・それで一同は船に乗り、一路ケセドニアへ向かうのだが・・・



(『・・・ガイ以外全員甲板の上にいるのって、やっぱティアやあのオッサンと顔を合わせたくねぇからかな・・・』)
(あ~・・・否定出来ないのがな・・・)
・・・船の甲板の上で潮風を浴びつつ、ルークは『ルーク』の声に何とも言いたがたそうに周りを見渡す。然程遠くない位置にジェイドにイオンにアニスの三人はいるが、残りのティアにヴァンにガイの姿がないのを確認しながら。
(『つーかオッサンに対してティアとガイの二人は信頼を向けてるしオッサンからの感情としちゃ信頼はしてるんだろうけど、ティアとガイの相性がやっぱ気になるな・・・状況や立場的には協力しあえるような感じになる可能性があるって前には話に出たけど、そういった後の事とか無しに単純に気が合うかとかそんな感じの目線から見てよ』)
(ん~・・・どうだろうかな・・・師匠がガイの事を教えるなら身内認定する可能性はあるけれど、ティアの取った行動を考えるとそうするとは考えにくいんだよな・・・今の師匠からしたら怒りの収まらないティアが自分が受けた屈辱もあるからファブレへの復讐を手伝うみたいな事を言って、ガイがそれに乗るみたいな展開になって行動するなんて事になるなんてのが一番最悪な状態だろうし)
(『あ~・・特にティアは今の状況ならそう切り出しかねないか・・・』)
(師匠も流石にその辺りは分かってるだろうから今はガイの事は言わないとは思うけど・・・それが無かった場合の二人の感じだと、うまくいくかどうかはガイが隠してる素顔次第な部分が大きいと思うんだよ・・・あの無表情と無感情の下の顔が、どんな物なのかが)
(『そこか・・・』)
その中で『ルーク』は単純なティアとガイの相性についてどうなのかと漏らすと、ルークが考えを口にしつつもガイの隠している素顔が鍵だろうとの言葉に難しいといった声を漏らす。
(俺の知る方のガイだったら普通に譜業の事にすごく熱中してた姿を見てたけど、譜業の事も含めて何か趣味があるかとかそっちも屋敷の中で聞いたことないだろ?)
(『まぁな』)
(その事から単に趣味がないのか、ファブレの人間と仲良くするつもりもないから隙を見せる気がないのかはともかくとしても、全く感情を見せるようなことはしてない・・・でも感情を見せないようにしているだけで、ガイは復讐をしたいという気持ちを抱えている。その事から全く感情も他の事に関心がないとは思えないけど、そこにある物がティアが共感するものか、はたまたティアが引く程の何かがあるのか・・・それが分からないから判断をつけにくいんだよなぁ・・・)
(『・・・多分ガイの徹底した感じからすると、引くほどの何かって感じが強そうなんだよな・・・可能性としちゃ』)
ルークはそのガイが隠し持つ素顔に感情がいかなものかについての推測を更に深めていくが、『ルーク』はその中身にティアが引く可能性が高いと感じていた。振り幅がでかければでかいほど、隠し持つ物の酷さが際立つという考えから。









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