築き上げる苦労

「謡将がレプリカを見下すと言っていましたが、聞く限りに貴方の見る限りではシンクは特に冷遇はされてはいないのでしょう。謡将もそうですがリグレット達、更にはこちらの貴方の記憶の中でも」
「あぁ、特に仲良くというのはないがだからと言って仲が悪いといった様子でもなかったな」
「そういったことから考えられる可能性は二つ・・・まず一つは何らかの理由からかはともかくとして謡将に恩義を感じてシンクが忠誠を誓っているかで、もう一つは私達の知るシンクのように謡将に仕方無く付き合っているかです。と言っても私達のいた方と違ってこちらの謡将は反感だったり馴れ馴れしい態度を取っていたなら、アリエッタにはある程度は配慮はするでしょうが分かりやすくシンクを冷遇しているでしょうね」
「だろうが・・・となると真実はどうなのかというのはヴァンとシンクの二人の間で、精々他に知っていそうなのはリグレットくらいといった所か」
「でしょうね。だからこそシンクがどうなのかが判断しづらく厄介な所なのです」
ジェイドがシンクがどうかをいかに判断をするには難しいかを説明していき、取り巻く状態の不透明さにアッシュもルークも確かに難しいといったように眉を寄せる。
「ただもしシンクが謡将にいい気持ちを抱いていないと仮定しても、彼に離反をさせたいというのはまず無理だと思っておいた方がいいでしょう。元々彼は生まれ方に死ぬ寸前まで追い込まれた経緯もあって世界に預言を憎んでいましたし、どちらがまだいるのにマシかと考えて行動しているでしょうからね」
「あ~・・・シンクの事を思い返せば確かにそうなるだろうか・・・それに師匠に忠誠を誓っている可能性も全くない訳じゃないだろうし・・・」
「紫から何かシンクの事を聞ければありがたいのですが・・・」
「前も似たような事を言ったけど、こういう時にスキマの中から覗いてはいても面白がってか自分が出なくてもいいなら出てこないんだよ。まぁ紫の手が無くてもやることはやるんだけどな」
「そうですね・・・彼女の手や助けがなければ行動しないなどと弱音を吐くつもりはありませんから」
「あぁ、俺も同じ気持ちだ・・・ガイやシンクなどやらねばならぬことに考えなければならないことは多いが、それでやめるくらいなら最初からここには来ていない・・・!」
そんなシンクの事から話題は紫の手がないことについてになるが、ルークがそれは関係無いと言ったことに二人もやる気を浮かべ出す。






「・・・それでこそよ、ルーク・・・フフ・・・」
・・・そしてそんな光景をルークが言ったよう、紫はスキマの中からルーク達を見ながら怪しい微笑を浮かべていた。いや、正確にはルークを見ながら・・・










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