「・・・前のように外に出ていたか」
「あっ、アッシュ・・・来てたのか？」
「偵察に出ると言って抜け出してきた。元々のこちらの俺への信頼があるからだろうが、あっさりと見張りも無しにな」
「そうなのか・・・」
するとそんな場にアッシュが現れたことにルークは疑問を向けるが、簡単に来れたといった返しにすんなり納得する。
「あっさり来れたのはいいですが、何か変わったことでもあったのですか？アクゼリュスまで来れても一度くらいと言っていましたが・・・」
「ヴァンとティアの事について聞きに来た・・・今回はカイツールで襲撃をする理由もないからタルタロスで待っていたが、ヴァンの行方を確認した上で接触しようとしていた兵士がティアを引き連れ港まで向かっているとの報告があったから何事かと思い、お前達に理由を聞けないかとダメ元で抜けてきたんだ」
「それで思いの外軽く抜けられたというわけですか」
ジェイドはそんなアッシュの来訪の理由を聞くと、二人の事だと抜け出た経緯も併せて話をされたことに頷く。
「そういうことなら簡単に答えるけど、単純に師匠がティアと話をしたいって連れていっただけだよ。目的としては多分ティアに嫌われたくないだとかご機嫌取りだとかってくらいだろうなって感じだろうけどな」
「・・・なんだ、それは・・・」
「脱力したくなる気持ちは分かるよ・・・けど本当にこっちの師匠って分かりやすくって、さっき会った時も俺と一言すらかわすことも無かったしな・・・」
「・・・確かにこちらのあいつならそうするだろうな・・・」
そんなアッシュに対して理由を述べるルークだが、二人ともにヴァンに対して何とも言い切れないように体から力を抜かせてしまう。浅はかであり目の前の情を優先する行動に。
「・・・気持ちを切り替えてください、アッシュ。少し、貴方に聞きたいことがあります」
「・・・何だ？」
「貴方が前のように行動を起こさないと言うなら、リグレット達は道中で我々を襲いイオン様を拐う予定は立てているのですか？」
「あぁ、その事か・・・」
ジェイドはそんな空気から話題を変えるようこの後のリグレット達の予定についてを聞き、アッシュも気を取り直す。
「その事に関しては当面は心配する事はないだろう。これからの進路的に港からケセドニアに船で向かい、そこからまたバチカルまで船で向かうことはリグレット達も想定しているがその道中でセフィロトに近いところは精々タタル渓谷くらいだ。しかしケセドニアでイオン狙いで行動するにしても、流石に今の時点で多数の民間人を巻き込んで行動をしてはどのような目を向けられるか分からないからバチカルにお前達が向かった後、導師を拐ってザオ遺跡にタタル渓谷のセフィロトに向かう方が効率的だとの話になった。だから誰かが先走りをしない限りは道中で行動を起こす事はまずないだろう」
「先走り・・・あぁ、アリエッタのようにイオンを慕ってってことみたいな感じか」
「そういうことだが、アリエッタに関しては一先ずは行動を起こさんだろう。元々はフーブラス河で襲ってきたとの事だが、一応はダメージが後を引いていたというのもあってかしばらくは休養すると言っていたから魔物を伴って行動はしばらくはないだろう」
「そうか・・・」
それでアッシュは当面は安全だろうとその根拠を語っていき、アリエッタも行動はしないと語るその言葉にルークも神妙に受け止める。一先ずは安心だと。









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