築き上げる苦労

(とにかく、ガイもティアも少なくとも今は頼ることは出来ない・・・そう思っておくしかない。文句を言ってもどうにもならないのは分かるしな)
(『まぁそりゃな・・・つーか幻想郷って所でもこんな風に色々考えるような事ってあったのか?今までの話からして、そんな感じは無かったように思うけどよ・・・』)
そんな空気の中でルークがもうよそうと言い、『ルーク』も同意する中で幻想郷ではどうだったのかとふと思い出すように問い掛ける。
(いや、それは無かったな。って言うかあそこって基本的に実力者って言えるの女ばっかだし、問題が起きてもそれが解決したら遺恨が残るなんて展開はそうそうないんだよ。まぁだからってそれで全部が全部仲良くなるなんて都合のいい展開ばかりじゃないんだけどな)
(『そんなもんなのか?』)
(俺もそれでいいのかって思った時もあったよ・・・でも幻想郷の皆はそうしているんだ)
(『・・・なんつーか幻想郷が物騒なのかそうでないのかよくわかんねーな、そう聞くと・・・』)
(そういうのも含めて紫は幻想郷を作ったんだと思う・・・流石に前に起きた異変で幻想郷自体が壊れかねない事が起きた時、その首謀者に対しては本気でキレてたらしいけど幻想郷自体が無くなりかねないことがないなら、そういった異変とか争いってのは別にあるのは珍しくない話なんだよ。幻想郷じゃ)
(『・・・ほんと別物なんだな、こことは・・・』)
(そりゃな。つっても今言ったけど実力者が女ばっかりってのもあるけど、俺は基本的に異変の解決とかに回ることはないからな)
(『ん?異変の解決に行かないってどうしてだ?』)
(そういった時の解決役がいるってのもあるけど、幻想郷の実力者って基本的に空を飛べるのしかいないから空中戦が基本的に苦手な俺は異変の解決に向いてないんだよ)
(『ふ~ん・・・ってちょっと待て。何気に話してたけど、お前その言い方だと空を飛べるのか?』)
(あ、言ってなかったっけ?)
(『初耳だっつーの・・・』)
それで幻想郷の事について話題は二人の中で盛り上がっていくが、ルークが普通に口にした飛べるとの言葉に『ルーク』は脱力気味に声を漏らす。
(まぁ最初は幽々子の所って言うか白玉楼から出るような事はなかったんだけど、幻想郷で暮らすって決めてから空を飛べないと不便だって話になってさ。それで空の飛びかたを教えてもらったんだ・・・まぁそれなりに時間はかかったから、簡単に飛べるようになったとは言えないし空での戦いは剣で戦うくらいしか出来ないんだけどな)
(『・・・空を飛べるようになったってすげぇな・・・けどこっちで空を飛ぶって出来るのか?色んな意味でよ』)
(そこのとこに関しちゃ状況に応じてって所だな・・・と言っても俺もあまり意味のない時には飛ぶつもりはないし、人の目がどこにあるか分からないからどういった感じなのかはその時が来るまでって感じだな)
(『・・・確かに空を飛べるって聞くとワクワクすっけど、それを見る状況が良くない時になるかもって思うと何か複雑だな・・・』)
ルークはそんな状態の『ルーク』にどういった経緯で飛べるようになったかに飛ぶにしても状態次第と言い、『ルーク』は言葉通りに複雑そうな声になる。下手をすればジェイドとアッシュ以外に空を飛ぶところを見られた場合、ろくな目に合わないといった未来があると感じて。









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