築き上げる苦労
「まぁ後はカイツールに着くまではしばらくは大丈夫でしょう。道中で特に何か起きる可能性があるかと言われれば精々フーブラス河でのアリエッタの襲来くらいですが、一応はチーグルの森のライガ達は移動させましたしアッシュもいる以上簡単には来ないと思います」
「まぁそれはいいにしても・・・問題はカイツールに着いた時だよなぁ・・・」
「あぁ・・・謡将と会う時ですね」
ジェイドはそこから話題を変えるのだが、ルークがカイツールの事を口にしたことに確かにと納得する。ヴァンが待っているという事実に。
「今までの貴方の話から思い返すと、貴方にカイツールで会っても素っ気ない態度で接してくるだろう事は想像が出来ますが・・・それより問題になるのはガイやティアに対する態度の方でしょうね」
「だよな・・・特にティアに関しては前の時以上に師匠に話をされたらすぐに気持ちを翻しそうだし・・・」
「その反応の中で一番最悪な可能性は兄さんから否定を返されたから問題は何もなくなったと勘違いし、免罪符を得たとばかりの発言をしかねない事ですね。無論あくまでも最悪な可能性ですが・・・」
「・・・そう言い出しかねない上に、それこそ偶然にでも顔を合わせた父上達にそう言ってしまったらどうにもならなそうだな・・・」
「紫の話ではそういった事例になったことはないとは聞きましたが、我々がこうして介入した以上全く有り得ないことではないと認識しておいた方がいいでしょうね・・・」
「そうだな・・・」
その上でティアについての可能性・・・ヴァンとの話を経て調子に乗る可能性を考え、二人は何とも言いがたそうに表情を歪める。
「・・・取り敢えず今日はもう休みましょう。今はガイも一応は敵対の行動を取りはしないでしょうが、かといって先程の様子を見る限りでは率先して敵と戦ってくれるとも思えません。勿論自分の命を守るためには戦うでしょうが、貴方を守るだとかそう言ったことを口にするとは思えませんし例え口に出させたとしても嫌々でしかやらないでしょう。というより下手をすればそれこそ不幸な事故を狙ってくる可能性の方が私は怖いですね」
「不幸な事故・・・俺を殺しにかかるってことか・・・」
「えぇ、考えたくない事でしょうがそんなことになるくらいならガイに積極的に戦えとは言わないようにしましょう。一応は戦ってはくれるでしょうからそれ以上を望むのは却って面倒になる可能性が高いですからね」
「あぁ、そうしよう・・・(やっぱりガイのことはキツいな・・・)」
(『しょうがねぇよ・・・簡単にあいつを信用出来るような状況じゃねぇしな・・・』)
そしてもう話を終わらせようと最後にガイが起こしうる可能性についてをジェイドが述べてルークも頷くのだが、ルークの表情は更に晴れない物となり『ルーク』も複雑そうな声を上げるしかなかった。ガイが自分を殺しにかかることに信頼を向けない方がいいと、けして否定出来ないその中身に。
・・・それで宿に戻りゆっくり休んだその翌日、ルーク達は一路カイツールを目指して出発した。そしてその際はガイも途中で出くわした魔物とは戦ってはくれたが、やはり二人の予想通り決して積極的に戦おうとしてくれている訳ではないとその姿勢から理解した為、特に二人はガイに向けて何も言うことはなかった。
ちなみにティアは完全にイオンの側から離れる様子はなく、また自分も前線で戦うことを切り出そうとすることもなく完全にイオンと共に傍観者気取りで戦いを見ていた・・・もしもの時が来たらイオンを守ろうと身構えることなく、腕組みをする形でだ。
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「まぁそれはいいにしても・・・問題はカイツールに着いた時だよなぁ・・・」
「あぁ・・・謡将と会う時ですね」
ジェイドはそこから話題を変えるのだが、ルークがカイツールの事を口にしたことに確かにと納得する。ヴァンが待っているという事実に。
「今までの貴方の話から思い返すと、貴方にカイツールで会っても素っ気ない態度で接してくるだろう事は想像が出来ますが・・・それより問題になるのはガイやティアに対する態度の方でしょうね」
「だよな・・・特にティアに関しては前の時以上に師匠に話をされたらすぐに気持ちを翻しそうだし・・・」
「その反応の中で一番最悪な可能性は兄さんから否定を返されたから問題は何もなくなったと勘違いし、免罪符を得たとばかりの発言をしかねない事ですね。無論あくまでも最悪な可能性ですが・・・」
「・・・そう言い出しかねない上に、それこそ偶然にでも顔を合わせた父上達にそう言ってしまったらどうにもならなそうだな・・・」
「紫の話ではそういった事例になったことはないとは聞きましたが、我々がこうして介入した以上全く有り得ないことではないと認識しておいた方がいいでしょうね・・・」
「そうだな・・・」
その上でティアについての可能性・・・ヴァンとの話を経て調子に乗る可能性を考え、二人は何とも言いがたそうに表情を歪める。
「・・・取り敢えず今日はもう休みましょう。今はガイも一応は敵対の行動を取りはしないでしょうが、かといって先程の様子を見る限りでは率先して敵と戦ってくれるとも思えません。勿論自分の命を守るためには戦うでしょうが、貴方を守るだとかそう言ったことを口にするとは思えませんし例え口に出させたとしても嫌々でしかやらないでしょう。というより下手をすればそれこそ不幸な事故を狙ってくる可能性の方が私は怖いですね」
「不幸な事故・・・俺を殺しにかかるってことか・・・」
「えぇ、考えたくない事でしょうがそんなことになるくらいならガイに積極的に戦えとは言わないようにしましょう。一応は戦ってはくれるでしょうからそれ以上を望むのは却って面倒になる可能性が高いですからね」
「あぁ、そうしよう・・・(やっぱりガイのことはキツいな・・・)」
(『しょうがねぇよ・・・簡単にあいつを信用出来るような状況じゃねぇしな・・・』)
そしてもう話を終わらせようと最後にガイが起こしうる可能性についてをジェイドが述べてルークも頷くのだが、ルークの表情は更に晴れない物となり『ルーク』も複雑そうな声を上げるしかなかった。ガイが自分を殺しにかかることに信頼を向けない方がいいと、けして否定出来ないその中身に。
・・・それで宿に戻りゆっくり休んだその翌日、ルーク達は一路カイツールを目指して出発した。そしてその際はガイも途中で出くわした魔物とは戦ってはくれたが、やはり二人の予想通り決して積極的に戦おうとしてくれている訳ではないとその姿勢から理解した為、特に二人はガイに向けて何も言うことはなかった。
ちなみにティアは完全にイオンの側から離れる様子はなく、また自分も前線で戦うことを切り出そうとすることもなく完全にイオンと共に傍観者気取りで戦いを見ていた・・・もしもの時が来たらイオンを守ろうと身構えることなく、腕組みをする形でだ。
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