築き上げる苦労
「確かにあれは従者としての姿と見れば、間違いではないでしょう。ですがあれは少々行き過ぎと思えます・・・このような状況であれば主の子である貴方が無事であればホッとしたと笑みの一つを浮かべてもいいかと思いますが、それすらもなかった。ガイからすれば決して貴方やファブレに対して気を許すことも従者としての体裁を崩すことも嫌がっての事なのでしょうが、あれでは却ってファブレや貴方に対して何かあるのかと疑いを持ちますよ」
「多分ガイは俺がそういう風に考えると思ってないんだろうな・・・言葉にはしないけどいつもあんな風で距離も遠かったから、別にあんな風でも問題ないって思ったんだろうし・・・」
「まぁそこについてはどうこう言うような物ではないでしょうが、我々に対しても徹底した線引きをしているあの様子を見る限りでは私やイオン様に対しても心というか態度を軟化させてはくれないでしょうね・・・」
「まぁそれはな~・・・」
そのまま二人はガイの態度についていかな物かを話していくのだが、次第に二人とも表情が微妙なものへと変わっていく。それだけガイの事が厄介な物だった為に。
「・・・たださっきティアが何かガイに対して表情を明るくしてたけど・・・あれって、別にティアに同意したって訳じゃないよな?」
「彼のあの様子からして間違いなく同意ではないでしょう。と言うかむしろあのガイの考えならいいぞ、もっとやれ・・・と言いたい気持ちを抑えつつ、当たり障りのない答えを返したというところでしょう。そしてその答えをティアは勘違いした、と・・・」
「・・・つーかあれで勘違いするって、本当に自分は全く何にも間違ってないって思ってんだな・・・ティア・・・」
「今更でしょう、それは。ただこちらのティアは前のティアと違い、ファブレにまた入っても公爵や奥方に対して謝罪というように言いながら私は悪くありませんと言い出しかねない危険性があります」
「っ!・・・流石にそこまではしない、とは言い切れないか・・・」
そんなガイの話からティアのリアクションについてに話題は変わるが、ジェイドからの指摘にルークは否定をしたかったが否定を出来なかった。ティアが自分は間違ってないとシュザンヌもそうだが、下手をすればクリムゾンにまでふんぞり返って言い出しかねないことに。
「ただ幸いにも前はガイがファブレに入らないかみたいに言っていましたが、こちらのガイならそのようなことは言わないでしょう。むしろ変に不興を買わないようにと何も言わないでしょうね」
「それならいい・・・って言いたいけど、それも復讐の為に下手を打つつもりはないって言うのとティアの態度からの問題なんだよな・・・」
「ティアについてはともかくとしても、ガイのあの徹底した姿勢はやはり厄介ですね・・・」
そんな予想にジェイドはこちらのガイがそうしないだろうと言うが、反面としてのそのガイの内心を考えたルークの言葉にまた表情をなんとも言いがたそうな物に変える。
「せめて何か取っ掛かりでもあればいいんだけどなぁ・・・何をするにしても、ガイとどうにか話をするための取っ掛かりが・・・」
「そちらは私がどうかと接触してみます。あのガイの様子を見る限りでは貴方より私の方にまだ何か気安くなってくれると思いますからね」
「悪い、ジェイド。頼む・・・」
そんなガイに取っ掛かりが欲しいと切実に願うルークにジェイドが自分の方が適任と言ったことに、そっと頭を下げる。言葉通り自分の方にガイが心を開くとは思えなかった為に。
.
「多分ガイは俺がそういう風に考えると思ってないんだろうな・・・言葉にはしないけどいつもあんな風で距離も遠かったから、別にあんな風でも問題ないって思ったんだろうし・・・」
「まぁそこについてはどうこう言うような物ではないでしょうが、我々に対しても徹底した線引きをしているあの様子を見る限りでは私やイオン様に対しても心というか態度を軟化させてはくれないでしょうね・・・」
「まぁそれはな~・・・」
そのまま二人はガイの態度についていかな物かを話していくのだが、次第に二人とも表情が微妙なものへと変わっていく。それだけガイの事が厄介な物だった為に。
「・・・たださっきティアが何かガイに対して表情を明るくしてたけど・・・あれって、別にティアに同意したって訳じゃないよな?」
「彼のあの様子からして間違いなく同意ではないでしょう。と言うかむしろあのガイの考えならいいぞ、もっとやれ・・・と言いたい気持ちを抑えつつ、当たり障りのない答えを返したというところでしょう。そしてその答えをティアは勘違いした、と・・・」
「・・・つーかあれで勘違いするって、本当に自分は全く何にも間違ってないって思ってんだな・・・ティア・・・」
「今更でしょう、それは。ただこちらのティアは前のティアと違い、ファブレにまた入っても公爵や奥方に対して謝罪というように言いながら私は悪くありませんと言い出しかねない危険性があります」
「っ!・・・流石にそこまではしない、とは言い切れないか・・・」
そんなガイの話からティアのリアクションについてに話題は変わるが、ジェイドからの指摘にルークは否定をしたかったが否定を出来なかった。ティアが自分は間違ってないとシュザンヌもそうだが、下手をすればクリムゾンにまでふんぞり返って言い出しかねないことに。
「ただ幸いにも前はガイがファブレに入らないかみたいに言っていましたが、こちらのガイならそのようなことは言わないでしょう。むしろ変に不興を買わないようにと何も言わないでしょうね」
「それならいい・・・って言いたいけど、それも復讐の為に下手を打つつもりはないって言うのとティアの態度からの問題なんだよな・・・」
「ティアについてはともかくとしても、ガイのあの徹底した姿勢はやはり厄介ですね・・・」
そんな予想にジェイドはこちらのガイがそうしないだろうと言うが、反面としてのそのガイの内心を考えたルークの言葉にまた表情をなんとも言いがたそうな物に変える。
「せめて何か取っ掛かりでもあればいいんだけどなぁ・・・何をするにしても、ガイとどうにか話をするための取っ掛かりが・・・」
「そちらは私がどうかと接触してみます。あのガイの様子を見る限りでは貴方より私の方にまだ何か気安くなってくれると思いますからね」
「悪い、ジェイド。頼む・・・」
そんなガイに取っ掛かりが欲しいと切実に願うルークにジェイドが自分の方が適任と言ったことに、そっと頭を下げる。言葉通り自分の方にガイが心を開くとは思えなかった為に。
.