英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 後編

・・・そうしてその後にアリスと魔理沙はならいいという事で四人の家を後にしていった。尚その際には魔理沙がマテリアについてを貸してくれとしつこく言ってきたが、アリスが人形と共に引きずっていく事で場は収まった。だか・・・






「・・・どうやら吹っ切れたようだな。四人とも」
「・・・わざわざ私達の様子を見に来たのか?」
「僕自身どういう結論を出すのかと気になっていたからな。だからこうして来てみたんだ」
・・・アリスと魔理沙が退散した後に少しして、ジューダスが四人の家を訪れた。
ただジューダスはすぐに四人の様子を見て微笑を浮かべる様子にヴィンセントが気を使ったのかと問い掛けた声に、頷き返す。
「お前達がどういう話し合いをしたかは知らん。だがここでの暮らしの先輩としてアドバイスをしておく・・・お前達の立場は元はどうあれ、ここではそんなものは関係がない単なる一個人だ。過去や平行世界で起きた出来事を忘れることは出来んだろうし、簡単に振り切る事など容易くないだろう・・・しかし周りの奴らはそんな細かい事情をおもんばかるような奴はほとんどいないどころか、むしろ自分達がやりたいようにやることを優先するような輩ばかりだ。だからここでは元の立場に名前やらを気にすることなく生きていけ。お前達も訳ありだというのは前の話から理解はしているが、ここにはお前らより訳ありであったり人間ではない存在などウヨウヨいる上、自身らがやってきたことに対して引け目など感じないままに今も普通に活動している・・・そんな奴らを相手に過去の事でウジウジしていても馬鹿らしくなる事は僕自身経験済みだ」
「・・・そちらも何やら訳ありのようだな」
「まぁな。詳しく話すと長くなるが、そういったことを経験した上でお前達の事を知ったからこそこうして助言をしに来たというわけだが・・・後をどうするかはお前達次第だ。過去に囚われたまま生きていくか、過去を忘れるのではなく吹っ切って生きていくかはな」
「・・・その問い掛けに関してはもう答えは決まっている。俺達はもう過去に囚われずこの幻想郷で生きていく事にするさ」
「フッ・・・ならいい」
そうしてジューダスがここに来た理由と共にどうするのかと投げ掛けると、セフィロスが穏やかに微笑みながら迷わないと答えると共に三人も同じように頷いたことに、満足そうに微笑み返した。迷いの様子の見えない姿を見たことに・・・


















・・・そうして四人は何でも屋という形で幻想郷で動くことになり、本当の意味での幻想郷の一員となった。本来なら有り得なかった歴史の分岐点に入ったことにより、有り得るはずではなかった形で過ごしていく形で・・・









END









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