英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 後編

「・・・ちょっと正直、今の話は効いたよ・・・俺も神羅にいた頃に英雄になるなんて風に言ったこともあるけど、英雄っていう物が何でも出来る存在だって思ってた事を今の話で感じた上で・・・俺もセフィロスがそんな思い描くような英雄じゃなくて、普通の人間だって事を考えてなかったんだってな・・・」
「そこに関してはセフィロス自身も英雄という肩書きを誇りとは思わずとも、心の何処かで自分が英雄だから強くあるべきであるとか周りに頼るのはという部分もあったのではないかと僕は思っている。こちらの『クラウド』の映像で見る限り狂ってからのセフィロスはまだしも、それまでのセフィロスは端から見れば冷静であり頼れるような存在だと言えただろう・・・ただその時のセフィロスは話を聞く限りではジェネシス達の事もあって、任務用の顔になって集中することで強がっていたのではないのか?」
「・・・それを言われると今更という話になるが、確かにと思う。思い返せばあの時の俺は冷静に務めようとしていたが、お前の言葉を受けてから考えるとその時は他に何かを考えるだけの余裕がなかった・・・それこそジェネシス達の事を考えてしまうとどうにかなりそうだからと、任務に一番の上の立場として集中する形で強くあろうとな・・・」
「セフィロス・・・」
ザックスも自分も英雄という物を過大に思いすぎたと辛そうに言うとジューダスがセフィロス自身もそうだったのではと言うと、肯定と共にいっぱいいっぱいだったという気持ちを辛そうに吐露して下を向く様子に何とも言いがたそうにザックスは名を漏らすしかなかった。ジューダスの言葉は正しかったのだというよう。
「・・・その辺りも含めて後で話し合うようにする形にしたらどうだ?紫がわざわざそちらの『クラウド』を連れてきた事に関しては狙いは達成されたのだろうし、話も大方出切ってもう後は話し合いをしていい段階に来ているだろうからこの後にでもゆっくりとな」
「・・・そうね。一度彼らには時間が必要でしょうし、この辺りでお開きにしておいた方がいいと思うわ」
そんな中でリオンがここで終わらせるべきと切り出したことに、アリスもそうするべきと頷く。
「まぁ確かにこれだけ話をすればいいでしょうし、私も彼を元の世界に帰す必要がありますのでこの辺りにしましょうか」
「・・・ということはそちらの『クラウド』は帰る事になるのか」
「勿論。そもそもは四人への説明の為にこうして連れてきたのですし、四人と違って彼は忘れられていない存在のもありますが・・・そちらのリオンとジューダスは特例だから別としても、平行世界の同一存在があまり長い間一緒にいすぎるのは良くないのでそろそろ帰すべきなのです」
「特例か・・・その辺りに関しては私は詳しくはないからそうなのかとしか言えないが、不都合があるならということもだが帰らなければならないというならそうするべきだな」
紫も同意しつつ『クラウド』を帰すことを切り出しヴィンセントが質問をすると、名を出した二人の事を引き合いにしながら返す中身に一つ頷いて『クラウド』に視線を向ける。









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