英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 後編

「・・・その理由に関しては以前に平行世界を見てきた際に、彼らの別の未来を歩んできた世界を見たからですわ。それもこうして彼ら四人で仲良くしていないような未来をね」
「それは・・・」
「平行世界・・・要はパラレルワールドか。話には聞いたことがあるが・・・もしや今の言い方からして、俺とクラウド達は道が別れた状態になったということか?それも・・・俺とクラウド達が敵対するといったように」
「そういうことです。話が早くて助かりますし、その聡明さは流石と言えますわ」
紫はならと自分の立場から物を言っていき、映姫の声からセフィロスが察したと漏らす声に正解だと言いつつ扇子で口元を隠しながら油断なく見つめる。
「・・・そうなった分岐点はおそらく私と出会って話をしたかどうかといった所だろうな。前に話をした時の事を思い返すと、私の言葉が無ければセフィロスは勘違いから行動を起こしていただろうと言っていたから、そう考えれば筋は通る」
「ほう・・・一体どんな話をしたというのか、興味があるな」
「その辺りに関しては貴殿方の間で私が戻ってくるまで話しておいて時間を潰していてください。今から少し私はその平行世界に向かい、証人を連れて参りますのでね」
「あっ、八雲紫・・・」
ヴィンセントもそこで分岐点が分かったと漏らしたことにレミリアが反応する中、紫が言うことを言ってさっとスキマに入っていった為に映姫は何とも言えない声を漏らすしか出来ない。
「・・・八雲紫はあぁ言ったけれど、話してもらえるのかしら?あまり話したくないというなら無理強いはしないけれど・・・」
「あ~・・・話した方がいいだろうから話すよ。あの紫ってのがどんな証人を連れてくるのか分からないけど、多分っていうか話をしとかないと色々説明がつかないことがあるだろうからさ」
「そう・・・じゃあお願い」
アリスはその中で話すのかと聞くと、ザックスは何とも言いがたげに頭をかきながらも話さないといけないとの事に話を聞き入れる体勢に入った。アリスも紫の性格を少なからず知っているからこそ、ザックスの言っている事が正しいと考えた為に。


















・・・そうして四人は自分達がいかな集まりなのかやその生まれや受けてきた仕打ち、そしてやってきたことについて文に話していない事を全部話していった。その中身に映姫は色々な意味で何度も憤慨していくが、ジューダスからの言葉で話を止めるのは紫が戻ってくる事を考えれば良くないと言うことからその度に気を取り直していった。

そして四人が集まる経緯になった場面についてや四人が所属していた神羅に対して取った行動・・・そしてジェノバ達に対しての対応の行動が済んで四人で暮らしていた所で、唐突に幻想入りしてきたと締め括った。



「・・・というわけでここに来たのだが、俺の予測が正しければヴィンセントに出会わなかったら俺は勘違いから行動をしていたと見たのだが・・・」
「お察しの通りですわ」
「・・・戻ってきたか、八雲紫」
・・・そうして全てを話し終わって改めて自分の推測についてを口にした時に紫がスキマを開いて現れ、セフィロスは平然と対応する。
「・・・それで証人とやらは連れてきたのか?」
「えぇ、こちらに」
クラウドもまた同じように声をかけ、紫が自身の隣にスキマを開くのだが・・・



「なっ・・・お、俺なのか・・・!?」



・・・そこから現れたのは服装こそは違うがクラウドと瓜二つの存在であり、クラウド当人も驚きに声を上げたがセフィロス達も目を見開いた。まさかの存在が現れたことに。









.
4/17ページ
スキ