英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 後編

・・・そうしてアリスが通信用の人形の使い方を教えて預けた後、二人は四人の家を後にして行った。くれぐれも駄目だと思ったなら無理はしないようにと言い含め。



「妖怪か・・・魔物より強いんだろうか?」
「さぁな。でも今のクラウドならそこまで心配はいらないだろ。この数年の鍛練でクラウドもめちゃくちゃ強くなったしな」
「とは言え彼女達があぁも心配するのだから、楽観視し過ぎるのも良くないだろう。取り敢えずこの一週間は私達はこの幻想郷での暮らしに慣れる事に集中しよう。郷に入っては郷に従えと言うからな」
「あぁ、そうしよう」
そうして残った四人は大して気負った様子もなく会話をしていく。妖怪という人を襲う化け物がいることなど四人にとっては驚異ではないというよう・・・


















・・・そうして四人の幻想郷での生活が始まるのだが、四人が預かり知らない所で魔理沙達は霊夢に四人の事を話に行った・・・だがそこに文もいたことと話を聞かれたことからすぐさま文は四人の元を訪れて取材を行い、四人の事は新聞という形で幻想郷中に広まる事になった。こんな人間達が魔法の森の入口辺りで居を構えて暮らしていると。

ただそうして情報が広まるのは人間の間だけではなく、妖怪を始めとした人外達にもその情報が行くことになり・・・四日目という頃になった時に、四人が住む家の周りを多数の妖怪が囲むという事態になった。だが・・・



「・・・何だ?いきなり妙な空間が開いて妖怪達を飲み込んでいったが・・・」
・・・家を出て、妖怪達を撃退しようと各々の武器を取り出した四人。しかしそうしようとした矢先にスキマが開き、妖怪達は全てその中に入れられて消えていった。
そんな光景にセフィロスを始めとして不可解そうな目を向ける中、改めて四人の前にスキマが開いて・・・そこから紫が出てきた。
「・・・何だ、お前は?」
「初めまして、私は八雲紫。この幻想郷の管理をしている者ですが・・・あのままであれば彼らが貴殿方にみすみす殺されてしまうと見て、彼らをここから遠ざけた者でもあります」
「俺達に殺されてしまうだと?」
「えぇ、貴殿方の事はよく存じています・・・伝説のソルジャーの英雄セフィロスに、星を救った英雄であるクラウド一行の事は。そんな貴殿方の手にかかればそこらの有象無象の妖怪では束になっても敵わないのは目に見えていましたので、彼らを助ける為にここから離したのです」
「・・・どうやらお前は俺達の事を知っているようだが、何か引っ掛かる言い方だな?何故俺とクラウド達をそんな風に分けた形にした?」
即座にセフィロスもだが三人も警戒をする形で紫に話し掛けるが、紫もいつもの飄々とした様子などなく真剣に話を進めていくがそこで意味深に漏らした言葉にどういうことかと問い返す。
「・・・私も聞きたいところですね。貴女がそのように言う理由についてを」
「・・・これは映姫様。それにジューダスもだけれど、貴女達はどういう理由からの組み合わせでここに来たのかしら?アリスにレミリアに咲夜にリオンは」
「僕達に関しては新たな外来人がここで暮らし始めたのを新聞で知って映姫が話をしに行くと言い出したからで、こっちの四人に関しては途中で合流しただけだ」
「私達に関しては文の新聞が出たのもあるけど、元々四人に渡していた人形には何か異常があったら私にそれが伝わるようにも仕掛けを施していたのよ。それで私はその時に紅魔館にいたから急いでこちらに戻ってきたのだけれど、三人はそこで私に付いてきただけね」
「私はたまたまアリスが急いで紅魔館を出ようとしている様子を見たら、何やら面白そうな運命が見えたから二人と一緒に付いてきたのよ」
「そういうこと・・・」
だが更にそこに映姫やアリス達までが現れて来たために紫がどうしたのかと聞くと、各々からの立場でどうしたのかというように返していった中身に納得したというよう目を伏せた。









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