英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 前編

「・・・これで一先ずは終わりか。神羅がやけに静かなのは気になるし魔晄炉の再度の復活をされる可能性は高いが、それでも私達はやることはやり終わった」
「そうだが・・・これからどうするんだ?正直俺は三人と違って実力が劣ってるから、全てが終わった時に俺が生きてるなんて思わなかったからどうするかって考えてなかったんだが・・・」
全てやると決めたことはやり終わった・・・と荒野を歩きつつ口を開くヴィンセントに、クラウドがこれからどうするのかと投げ掛ける。
「正直俺もどうするか決めてなかったけど・・・どうするんだ、セフィロス?」
「・・・もう神羅に戻るつもりもないし戻れるとも思っていないからそれはいい。ただ俺も俺でどうするかとは考えてはいなかったが・・・もう粗方やることはやり終わったが、まだ何かあるなら動くというくらいにしてどこかで静かに暮らしたいと俺は思っている。ジェネシス達や母の冥福を祈りつつ、あいつらの分も生きていく形でな」
「そうか・・・その方がいいかもな。もう俺達は神羅に目をつけられてるだろうから大っぴらに活動は出来ないだろうし、そうして何かあるなら動くくらいで済ませるか」
「・・・俺も一緒に行かせてくれ。もうニブルヘイムにも戻れないだろう以上、行く場所は俺にはないだろうからな」
「私も一緒に行こう・・・贖罪を済ませたつもりはないが、最早あの棺の中で眠りについていていいとも思っていない。何かあれば私も動くようにする・・・それが私に出来る事だと思うからな」
「・・・フッ、決まりだな・・・では何処か人目につかないところで家でも建ててそこで四人で暮らすか」
ザックスも同意しつつセフィロスにどうするかと問い掛けると静かにしつつも何かあれば動きたい・・・というように語ると三人もその意見に同意といったように返してきた為、微笑を浮かべつつ四人で生きていこうと告げた。これから辛いことが起ころうとも、四人なら乗り越えられるというよう・・・


















・・・それから四人は普通の人がまず近付くこともないような山奥の僻地に場所を見付けて二階建ての木の家を建て、四人での暮らしに従事していくことになるのだが神羅をまとめることになったリーブの発言や行動もあり、四人が再び動かねばならないような事態は起きることはなかった。

というより発言というかプレジデント達のやっていたことを暴露していった上で、以降は魔晄や魔晄炉に頼らない生活をするようにしていくと発表したことで世界全体が大きな騒ぎになると共に、最早四人が関わるようなことが出来ることは起きなかったのだ。神羅の非道な行動を咎める為の行動を起こすことはなく、世界が魔晄から離れる形を取ることに関しての論争に四人が関わるのは筋違いと四人は話し合った為に。

そうして四人は魔晄を頼るのを止めるとなった神羅を訝しみながらも暮らしていくことにしたのだが、そうして動いていく世界の中でやがて四人のやってきたことやその存在は世界から忘れられていくことになり・・・十数年が経った頃に山登りをしていた人物が四人の住んでいた家の元に来るのだが、そこに家があったなどという跡すらなくただの空き地だと見られることとなった・・・そこにいた四人がどこに行ったのかなど、考えられることもないままに・・・


















・・・そして場所は変わり、幻想郷に危険地帯と名高い魔法の森の入口近くの場所にとある日にいきなり家が現れたという情報が回ることとなった。同時に四人の外来人がそこで暮らしているという情報も・・・









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