英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 前編

「・・・ヴィンセント、あんたはセフィロスを止めるのか?あんたの立場からしたら彼女を殺させたくないと思うのは当然だと思うが・・・」
「・・・それは確かに気持ちとしてはあるのは否定はしない。だがセフィロスが言ったように私達はここに二度来れるかどうかも怪しいのもそうだが、私自身あの棺桶の中で悪夢を見る時に少なからず考えていた事がある・・・いつ私はこの生を終えることになるのかとな」
「・・・それは・・・」
「私は改造を施されてからあの棺桶で眠り続けていたが、普通の人間だったなら何年などと言わず一月も経たず空腹や乾きにより息絶えていた事だろう。むしろそうなっていたなら今頃私はこうしてここにもいることなく、悪夢など見ることもなかっただろうが・・・それらを思い返した上で今の話を考えれば、生ではなく死が救いになるという気持ちに考えは私も分かるからこそ止めるべきではないのではないか・・・といった考えにもなっている。これに関しては私も他人事とは言えないからこそだがな・・・」
「・・・そう、なのか・・・」
クラウドはそんな光景を見てヴィンセントへどうなのかと問い掛けるのだが、その内心の中身を複雑な様子で口にしていく様子にうまい言葉を返せなかった・・・普通の人とは違う体に長い生を生きることになってしまった二人の間だけにしか通じない考え方を受け、あまり饒舌ではないのもありどう言えばいいのか分からないというよう。
「・・・ヴィンセント、いいの。正直に言うとセフィロスにそんなことをさせるのはという気持ちもあるのは確かだけれど、これで終われるのならこれでいい・・・という気持ちの方が強いの。もうここを逃して一人でいつ終わるかも分からない死を待ち続ける事になるのなら、今ここで死にたいって・・・」
「ルクレツィア・・・」
そんな時にルクレツィア自身が首を横に振りながらもう終わりたいとハッキリ告げたことに、ヴィンセントは悲し気な目を向ける。
「・・・ただそうする前に聞いてほしい事があるの。それはジェノバについてもそうだけれど、ヴィンセントの体に宿したカオスとそれに対を為す存在であるオメガについて・・・」
しかしそこでルクレツィアがまだ話すことがあると三つのことについて話をし出す。この面々において話しておかねばならないと・・・


















・・・そうしてまずジェノバのある場所についてニブルヘイムの魔晄炉に移動させられていなければあるとルクレツィアは言った上で、ジェノバについては始末出来るならした方がいいというように告げた。いきなり意志を持ち出して動き出すというような事はないだろうが、もうこうして研究対象として見ていないどころかジェノバ細胞に悩まされているのもある上で、以降もジェノバ細胞が利用されればジェネシス達のようなことは十分に起き得るからと。

そんなジェノバについてを聞いて、四人は満場一致でジェノバを消滅させるようにするとなった。これはセフィロスが主にとなる形であるがこの場にいる面々全員がジェノバに人生を大小問わず狂わされたこともあって、ジェノバを放っておきたくないということからだ。

その上で次にヴィンセントが主にという形でになるが、体を改造した際に埋め込んだカオスとその対を為す存在であるオメガについてをルクレツィアが話していくと、ヴィンセントは後は自分が片付けると言った・・・だからもう安心して眠ればいいと言って。









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