英雄と呼ばれた男は真実を知り、仲間と共に堕ちる道を選び幻想になる 前編
・・・そうしてセフィロスと男、いやヴィンセントと互いの身の上に起こったことについての話は進んだ。元々ヴィンセントはセフィロスの所属している神羅カンパニーのタークスに所属していたが、ニブルヘイムに任務で来た時に想い人であったルクレツィアという女性に宝条の方を選ばれたことでフラれ、その生活の中でルクレツィアが子どもを妊娠したこと及び出産してその子どもの名前がセフィロスだったと知ったとの事だったと。だが話はそこで終わるに留まらず・・・
「・・・そこでルクレツィアという女性は自分の体に改造を施す事を選び、貴方はそれに反対したことで宝条に撃たれた上で体を改造されてしまったことにより、ここで眠りについていたということなのか・・・」
「そうだ・・・宝条もそうだがルクレツィアの意志も固かったことに、私はそんな体にされた上でセフィロスが生まれたことを聞かされた事で、結局私は何も出来ずに罪を重ねたという考えになったことによりここでずっと眠っていたのだ」
「っ・・・」
・・・そうしてヴィンセントから自身の出生の秘密及び、その当時にヴィンセントも含めた面々に何が起きたのか。
それらを聞き終わったセフィロスは複雑だというよう表情を歪める様子に、ヴィンセントは視線を背けながら口を開く。
「・・・お前が二人の子どもかどうかについては完全に確定はしていないからここでは置いておいて、私から聞きたいことがある・・・それはルクレツィアは宝条とは共にいないのかもだが、いたという話も聞いたことがないのかだ」
「・・・少なくとも俺の記憶にある限りでは宝条に妻がいたという記憶はないし、ルクレツィアなどという女性が隣どころか近くにいた事もない。奴の性格を考えれば結婚などという形で自分が縛られることを嫌がったというのもあるのだろうが、肉体を改造にしたことより何らかからそれまでのように同じ科学者として暮らせなくなった・・・というところだろう。貴方にとっては想像したくないだろうが、俺は宝条が誰かに執着や優しさを見せるような人物ではないという事に関しては信頼している」
「私も分かっている・・・奴がルクレツィアを妻として大切にするはずなどないだろうし、彼女はどう少なく見てもまともに生きている筈は無いだろうとな・・・」
そこでヴィンセントが口にしたのはルクレツィアの行方についてなのだが、セフィロスがハッキリと自分の考えについてを明かしていくその中身にうつ向いて納得したというよう小さく漏らした。かつて好きだった女性がもう生存がほとんど望めない状態にあると言葉にされて、それを受け入れざるを得ないことに。
「・・・貴方は二人が俺の両親かどうかというように言っていたが、貴方からの話を聞いてむしろ納得した。認めたくはないことだが、宝条達は俺の親であることは違いないのだろう。母の事は知らないが、宝条の事は分かる。奴なら実の子だろうが自分を愛してくれた女だろうが、実験材料として平気で扱えるということはな・・・そして奴と同じ穴の狢どもに、神羅の上層部どもも同じようなことはするだろうこともな」
「・・・お前が見てきたものや、ジェネシスにアンジールといった者達の事を考えればそう思うのは当然だろう。かく言う私もタークスとして動いていた時には神羅の指示の元で似たような事をしてきた。今更奴らがそんなことに手を染めてないと言われたところで、私も信用などしないだろう・・・だがここまで聞いて、お前はどうするつもりだ?」
「どう・・・とは?」
「私も神羅にいたから分かるが、奴らにもうこんなことを止めてくれと言おうとしても口封じに殺されるといった事になるのがオチだろう。ならとこれからも神羅で大人しく奴らの犬としているつもりでいるのか?」
「っ・・・」
そうしてセフィロスが静かに神羅側への怒りを滲ませる言葉を口にしていくのだが、その姿にヴィンセントがこれからの事についてをどうするかと問い掛けられるとすぐに表情を微妙そうに歪ませた。提示された選択肢の二つのどちらも今のセフィロスにとって、あまりにも嫌だと思わせる代物だったために。
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「・・・そこでルクレツィアという女性は自分の体に改造を施す事を選び、貴方はそれに反対したことで宝条に撃たれた上で体を改造されてしまったことにより、ここで眠りについていたということなのか・・・」
「そうだ・・・宝条もそうだがルクレツィアの意志も固かったことに、私はそんな体にされた上でセフィロスが生まれたことを聞かされた事で、結局私は何も出来ずに罪を重ねたという考えになったことによりここでずっと眠っていたのだ」
「っ・・・」
・・・そうしてヴィンセントから自身の出生の秘密及び、その当時にヴィンセントも含めた面々に何が起きたのか。
それらを聞き終わったセフィロスは複雑だというよう表情を歪める様子に、ヴィンセントは視線を背けながら口を開く。
「・・・お前が二人の子どもかどうかについては完全に確定はしていないからここでは置いておいて、私から聞きたいことがある・・・それはルクレツィアは宝条とは共にいないのかもだが、いたという話も聞いたことがないのかだ」
「・・・少なくとも俺の記憶にある限りでは宝条に妻がいたという記憶はないし、ルクレツィアなどという女性が隣どころか近くにいた事もない。奴の性格を考えれば結婚などという形で自分が縛られることを嫌がったというのもあるのだろうが、肉体を改造にしたことより何らかからそれまでのように同じ科学者として暮らせなくなった・・・というところだろう。貴方にとっては想像したくないだろうが、俺は宝条が誰かに執着や優しさを見せるような人物ではないという事に関しては信頼している」
「私も分かっている・・・奴がルクレツィアを妻として大切にするはずなどないだろうし、彼女はどう少なく見てもまともに生きている筈は無いだろうとな・・・」
そこでヴィンセントが口にしたのはルクレツィアの行方についてなのだが、セフィロスがハッキリと自分の考えについてを明かしていくその中身にうつ向いて納得したというよう小さく漏らした。かつて好きだった女性がもう生存がほとんど望めない状態にあると言葉にされて、それを受け入れざるを得ないことに。
「・・・貴方は二人が俺の両親かどうかというように言っていたが、貴方からの話を聞いてむしろ納得した。認めたくはないことだが、宝条達は俺の親であることは違いないのだろう。母の事は知らないが、宝条の事は分かる。奴なら実の子だろうが自分を愛してくれた女だろうが、実験材料として平気で扱えるということはな・・・そして奴と同じ穴の狢どもに、神羅の上層部どもも同じようなことはするだろうこともな」
「・・・お前が見てきたものや、ジェネシスにアンジールといった者達の事を考えればそう思うのは当然だろう。かく言う私もタークスとして動いていた時には神羅の指示の元で似たような事をしてきた。今更奴らがそんなことに手を染めてないと言われたところで、私も信用などしないだろう・・・だがここまで聞いて、お前はどうするつもりだ?」
「どう・・・とは?」
「私も神羅にいたから分かるが、奴らにもうこんなことを止めてくれと言おうとしても口封じに殺されるといった事になるのがオチだろう。ならとこれからも神羅で大人しく奴らの犬としているつもりでいるのか?」
「っ・・・」
そうしてセフィロスが静かに神羅側への怒りを滲ませる言葉を口にしていくのだが、その姿にヴィンセントがこれからの事についてをどうするかと問い掛けられるとすぐに表情を微妙そうに歪ませた。提示された選択肢の二つのどちらも今のセフィロスにとって、あまりにも嫌だと思わせる代物だったために。
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