運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「それにこういったこともたまには悪くないというより、むしろ貴女からしたら異変が起きるよりはいいことじゃないかしら?たまに起きる異変を解決に向かうのと、自分の知っている誰かが色恋沙汰に関わっているのを知る・・・どちらがマシかと言えば断然に貴女からしたら後者でしょう?」
「そりゃね・・・異変が起きたら面倒だし、色恋沙汰なら別に当人同士で私を巻き込まないでどうこうしてくれるんならいくらでもどうぞって思うわよ」
「貴女ならそう言うだろうと思っていたけれど、それに加えて言うなら幻想郷の実力者が揃ってそういった事に関しての話題がないからこそ面白いのよ。特に映姫様があんな風に女性としての顔を見せるなんて思わなかったからこそ、ね」
「あ~、似たようなことは小町とも二日前に話したわ。やっぱり小町もあんたも同じように物珍しくて目新しいことって目を引くものなのかしら?」
「それもあるでしょうけど、やはり本質として映姫様も私達も女性である・・・というのが何よりね。そうでなければ映姫様があんなことにならなかったのは確かだと思うもの」
更にそこで比較を用いてどちらがいいかと話を広げる紫に霊夢も確かにというように返し、その中で向けられた疑問に紫は自分達が女性だからと告げる。
「まぁあの死神はそんな風な気持ちから言ったわけではない上で勘違いから始まったとしても、あぁして女性としての隙を見せる映姫様を見れば私やレミリアもちょっとしたイタズラ心だったりもあるけれど、どうなるかと経過を見てみたいと思いもするわ。映姫様自身が彼に対して悪印象を持っていなかっただろうからこそというのもあったから、あんな風になったのも併せてね」
「でもいいの?閻魔って立場にいる映姫がそんな色恋沙汰にうつつを抜かすみたいな事になるのは?」
「別に閻魔だからといってそういうことをしてはいけないというわけではないわ。宗教上の理由だとか立場的に好ましくないなんていうような物なんて閻魔には関係無い・・・だからこれからはちょくちょくあの死神とも話をした上で、映姫様に彼を意識してもらうように動いてもらおうかと考えているわ♪」
「・・・あんた、本当にイキイキしてるわね・・・」
そうして話を続ける紫が分かりやすく楽しそうな様子に、霊夢は呆れるしかなかった。それなりの付き合いはあるが、こんな形で紫が楽しそうにしているのは霊夢も見たことなかったために。
「まぁその辺りはレミリアもメイドに似たようなことをさせようとしているわよ。と言ってもあっちの場合はメイドが乗り気で、いつリオンに粉をかけるのかどうなるか分からないけれどね」
「は?咲夜が?・・・あいつが?」
ただそこでレミリア達というか咲夜の事が出てきたことに、霊夢はたまらず疑うような目を向ける・・・レミリアともだが咲夜ともそれなりに付き合いはあるが、男に関しての興味を抱くようなタイプだと思っていなかったために。
「私も少々意外だったけれど、一週間前に別れた後に紅魔館を覗く形で詳しく話を聞いていたらリオンを見付けた際に彼女は心惹かれていたそうよ。そしてレミリアはそんな彼女の様子もあってリオンを落とすようにと命令し、分かりやすく意気込んだように承知を返していたわ」
「・・・えぇ・・・本当に意外・・・」
しかし紫が嘘ではないと自身が見たことを口にしていくと、言葉通りに霊夢は信じられないといった様子を浮かべた。冗談抜きに咲夜がそんなことになるのかと。









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