運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「・・・皆帰ったようね、霊夢」
「・・・覗いてたのね、紫。何となくそんな予感はしてたけど」
そうして一人残った霊夢の元に紫がスキマを開いてその場に現れて降り立ち、呆れたような声と顔を向ける。
「それでわざわざ何の用よ?もうあいつらはいないわよ」
「スキマの中で経緯は見ていたけれど、先程レミリアがリオンが幻想郷に流れ着くには少し弱いといったような事を言っていたでしょう?その事について話をしに来たのよ」
「・・・ってことは、あんたには理由が分かってるってこと?」
「強いて言えばこういうものではないかということくらいね。そしてその強いて言えばの中身もほとんど偶然というものよ・・・ジューダスとリオンという平行世界の同一人物がここに来たこともね」
「はぁ?」
そんな状態のままに用向きを問う霊夢だが、リオンの幻想入りの理由は偶然と言い切る紫の声に一層呆れた声を上げた。
「私なら分かる事じゃないのかみたいな様子でいるけれど、紅魔館や守矢神社みたいに意図的に幻想郷に入ってくるだったり私や他の者が入れた者達はまだしもにしても、意図的ではない幻想入りに関してはある程度条件を満たした者を無作為に幻想郷が招き入れる物なのは貴女も知っているでしょうし・・・私の方がよりその性質があることは承知しているわ」
「あ~・・・そう言えばそうだったわ。そもそも幻想入りっていつに起こるか起こらないかなんて分かるもんじゃないから、偶然だって思うのが普通だったわね」
「そう。作為的に思うかもしれないけれど幻想郷が特定の誰かを選んで入れようとするなんて意志はないから、あくまでもリオンもそうだしジューダスも偶然で幻想入りしたものよ。まぁ少し平行世界の幻想郷を機会があって見付けて観察することもあったから言えることとしては、他の平行世界の幻想郷と比べても普通とは違う特殊な存在が幻想入りしやすいという特性が強いみたいだけれどね」
「・・・そうなの?」
だが紫が説明をしていくその中身に関してを受けて霊夢は確かにと納得していくのだが、続く他の幻想郷に関しての違いに関してに聞くと首を傾げる。
「えぇそうよ。ジューダスにリオンの二人もそうだけれど、他にも何人か幻想入りしてきている存在は平行世界の幻想郷では存在を確認されない者達ばかりだったわ。その事からこの幻想郷には他にはない特性があって、ジューダス達もそれに倣うように幻想入りした・・・そう考えれば他の幻想入りした面々も併せて別段に私からしたら珍しいことでもないのよ」
「あんたがそう言うんならそうなんだろうけど、他の幻想郷にいない奴らってどんな奴らなの?」
「その辺りは実力者の近くだったり危険地帯にいる男性を思い出せばいいわ。ただジューダス達みたいに分かりやすく入ってきて存在感を示した者に関してはともかく、目立たず入り込んできてる者もいるかもしれないから全員とは限らないけれどね」
「そうなんだ・・・ていうか男ばかりなのは何でなのかしら?幻想郷じゃ女の方が数が多いから、なんか妙な感じに思うのよね~。ジューダスだけを見てもあれだけ戦える男がいるってのは」
「さぁ?その辺りは幻想郷が招いた事だから私にも分からないけれど、私としては楽しいから構わないわ。特に映姫様があのように女性としての顔を見せた様子を見れただけでも彼が来てよかったと思えたもの」
「・・・あんた、そんなことに興味あったっけ?やたらいい笑顔してるけどさ」
「えぇ、それはもう♪」
そのまま紫はこの幻想郷と他の幻想郷との違いについてを霊夢と話していくのだが、話題が映姫の事になると含むところなどないとばかりの楽し気な笑みを浮かべる様子に霊夢はジト目と確認の言葉を向けるが、その通りだと本当に楽し気に頷き返す。









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