運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

・・・それでジューダス達が互いのことについて区切りをつけたところで、映姫に小町と共にジューダスは博麗神社を後にしていった。



「・・・んで、あんたらは帰らないの?ジューダス達はもう行ったけどさ」
「もう少し話したいことがあるからそれを話し終えたら帰るわ」
「話したいこと?何よ?」
ただそうしてジューダス達はいなくなったがレミリア達は残っていることに霊夢は帰らないのかというように言うが、当人は言いたいことがあると言葉にする。
「気になったこととして、ジューダスは経緯からして幻想郷に来ることになったのはおかしくはないと思うわ。エルレインにより甦らされた上でそのエルレインにフォルトゥナを倒して時の流れを正しいものに戻したから、ジューダスは忘れ去られた存在となってここに来たことは。けどリオンに関してはその限りじゃないというように思えたのよ・・・ジューダスの話では後世ではリオンの事は簡略に、それでいて真実に関しては明かされてはいないけれどそれでも裏切ったという事実は確かに載っていた。そう考えればリオンが真実を明かされなかったからこの幻想郷に来たのかと思ったけれど、何かそれでは少し理由としては弱い気がしないかしら?」
「・・・まぁ確かにそう言われてみれば、リオンに関しては少し微妙な所ではあるわね。ハッキリそうと言い切るには何か決定打に欠ける感じはするし・・・」
それでレミリアが口にしたのはリオンが幻想入りするには何か弱いと語る物であり、霊夢も博麗の巫女としての経験から確かにというように首を捻る。幻想入りの動機としては色々足りないのではないかと。
「・・・フン、そんなことはもう僕にとっては些細なことだ。どのような経緯があって幻想入りしたかなどは気にしない・・・僕からして重要なのはこの幻想郷で元の世界とは違う生を送ることだ。今更そんなことを気にする気は僕にはない」
「・・・ま、詳しい事を気にする気が本人にないのならいいって言いたいけど、それで幻想郷を危機に陥れるような事をするみたいな選択は取らないでほしいわ。私が面倒だし、多分そんなことになったらジューダスが真っ先にあんたを止めに来ると思うわよ?」
「分かっている・・・世界を危機に陥れる選択をすることになってもと僕はスタン達を裏切ったが、そうせざるを得ないような理由は今の僕にはない上であいつに出来たことを僕がやらんわけにはいかん・・・僕も僕なりにこの幻想郷で生きていく。誰にも恥じる事のないようにな」
「・・・ま、そこまで言ってくれるならいいわ。後はあんたとレミリア達との事だから、その辺りは精々振り回されないように頑張りなさい」
「言われるまでもない」
だがそんなことは些細なことだと言うリオンが強い意思を見せながら話していくその姿に、念押しをしていた霊夢もならいいというように肩を竦める。そんな二人のやり取りにレミリアもそうだが咲夜もまた満足そうに微笑を浮かべていた。






・・・そしてそれで話をし終わったとレミリア達もまた、帰ると言って博麗神社を後にしていった。









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