運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「・・・そういった事を考えていくにつれて、僕は戦える事を明らかにしてもそうでないと騙すにしても人里で暮らすことはしたくないと思った。だからこそ残った死神としての転生をするという選択をして、僕は僕に出来る事をやっていこうと思ったんだ・・・まぁ死神とやらの仕事はどうだとか何をするのかだとかの中身は一切聞いていないが、映姫が助力すると言うのだからそこまで妙な事はさせるつもりはないのだろう?」
「っ・・・それはそうですが、その言い方は卑怯ではないですか?私が厳しいことを言わないだろうというような事を言うのは・・・」
そして人里に行かないからこそ転生を選ぶと共に協力についてやってくれるだろうと微笑を浮かべるジューダスに、映姫は若干頬を赤めつつ批難めかせた声を向ける・・・その様子を小町やレミリアは面白そうな笑みを浮かべていたのは映姫は気付いてはいなかった。
「お前がそんな甘い考えを持たないだろうからこそ言っている。お前が自分にも他人にも厳しいだろう上で、自身の発言には責任を持って向かい合うだろうからこそ言ったことはちゃんと守ってくれるだろうとな」
「・・・そういうことですか・・・確かに私も閻魔としてそういった発言には気を使い、嘘は言わないようにとはしています。ですから貴方に言ったことに関しては私はちゃんと協力するように致します。と言ってもそこから先で私のフォローから離れた時に死神としての活動をちゃんと出来るかどうかは貴方次第だということは忘れないでくださいね」
「あぁ、僕もいつまでもおんぶにだっこでいるつもりはないからな」
だがジューダスはそんな様子を気にせず人柄を見たからこそといった返しをしたことに映姫は冷静さを取り戻し、自分もだがそちらの努力も必要と言うと自信を覗かせた笑みで返した。
「・・・話は決まりね。もし人里に行くとなったなら最優先で我が紅魔館に来るようにと誘う予定だったのだけれど、そういうことなら仕方無いわ」
「・・・残念だと言っているようには聞こえませんが、そもそもリオンはそうして貴女の元にいることに納得しているのですか?」
「それに関しては僕が自分で答えるが、一応は納得済みだ。僕としても咲夜に助けられた恩がある上で是が非でも死にたいと思っている訳ではないし、何より僕には他に頼れるツテがいない・・・だからツテが出来た上で恩を返し、尚且つレミリアを主と思えないと考えるようになったなら離れるつもりだ」
「あら、それなら貴方が私の元から離れる理由はないわね・・・私に仕えたくないと思うようなことなんて有り得る筈がないもの」
「自信満々ですね、本当に・・・」
レミリアはそんなジューダスに関して残念と思ってないとしか思えない声で残念と言い、映姫はリオンに関することはどうなのかと問い掛けるが本人の言葉に全く自信を損なうことなく返す様子に呆れた顔を浮かべる。
「ねぇ咲夜、レミリアはこう言ってるけど他の紅魔館の面子はリオンの事をどう思ってんの?」
「皆歓迎しているわよ。特にパチュリー様はシャルティエに興味津々といった様子だから、魔理沙ほどじゃないにしてもリオンからシャルティエを借りて研究したいとおっしゃっていたわ」
『正直、怖くてたまりませんよ・・・探求者として僕の事が気になるんだと思いますが、いつか解体されるんじゃないかって不安になってしまいます・・・』
「まぁその辺りはリオンに頑張ってもらうしかないでしょうね~」
そんな様子に霊夢は咲夜に他のメンバーの印象についてを聞くとパチュリーがシャルティエに対する気持ちが強いと話していき、シャルティエが疲れた声を漏らすが慰めにもならないような声しか返さなかった。霊夢はそういった事に関して同情するようなタチではないために。









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