運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「・・・何故お前らまでここに来ている?」
「いいじゃない。閻魔に貴方がどのような結論を出すのかについて興味があっただけだから、邪魔しに来たわけではないから気にしなくていいわよ」
「・・・はぁ・・・」
・・・博麗神社のお賽銭箱の前にて。映姫に小町が来たまではいいが、そこにレミリアに咲夜にリオンまで来たのである。と言ってもリオンは明らかに付いてきたくなかったというような表情を浮かべていた。
ジューダスはそんな三人の中で一番楽しげにしているレミリアに邪魔だと気持ちを言葉に込めるが、全く意にも介さない返しにタメ息だけついて映姫の方に視線を向ける。
「・・・もうこの際仕方無い。どのような決定を下したのか言ってくれ、映姫」
「分かりました・・・と言ってもこちらが下した結論は、先日に言ったどちらかを貴方に選んでもらうという物です」
「・・・それでいいのか?」
「この事に関してはこちら側が貴方に一方的にこうするからこうするようにと命令を下すのではなく、貴方自身が確かな意志でどうするのかについてを聞きたいのです・・・二日前に貴方達と話した事からただ貴方が私の判断に従うのならもうそうする物として判断はするけれど、貴方自身の意志はどうなのかを」
「・・・」
それで気を取り直してどうかと問い掛けるジューダスだが、映姫が真っ直ぐに自身を見てどういう気持ちがあるのかと聞き返してくるその様子にそっと目を閉じる。



「・・・その事についてだが、僕は死神として転生したいと思っている」



「・・・それが貴方の答えですか。差し支えなければ理由をお聞きしてもよろしいですか?」
・・・そして静かながらも確かな決意を感じられる言葉がジューダスから届いてきたことに、映姫もその言葉を受け止めた上でどうしてなのかと理由についてを問い掛ける。
「・・・僕は、自身の取った行動についてを後悔していない。スタン達を裏切って死んだのは覚悟の上であったことであるし、カイル達にではなくエルレインに付かずにその栄光や命に立場など受け入れる気になどならなかったことは・・・ただこうしてこの幻想郷に招かれるような形となって二日前のような事になってどうするかについてを決めなければならないとなった訳だが、どうするかと共にどう生きていくかを考えてきたが人里で安穏とした生活を送るという選択肢は僕の中にはなかった事に僕自身が気付いた」
「・・・それは、何故ですか?」
「この幻想郷において戦える者は然程珍しくないとは聞いた上で霊夢に魔理沙の弾幕ごっこの様子を見たが、それでも僕は普通の者よりは断然に戦う為の力という物を持っている。そんな僕がただ人里で暮らすだけなど出来るはずがないと思ったんだ。そういったように甘えていていいのかとな・・・そしてその上で僕が人里の戦力となるようなことも良くないというように聞いた。何人かは人里にも人間側の戦力となるような者はいるらしいが、過度な戦力は妖怪と戦うと人々が考えるきっかけになりかねないとな」
「・・・そこについては否定出来ませんね。上白沢慧音を始めに何人かは人間側の立場ではありますが、かといって妖怪を排除するような過激派といった考えは持っていません。そう考えれば純粋な人間でいて強く、そして外来人である貴方の立場を考えれば人里の人間達が貴方の事を知ったなら、何かしらの考えから表に立たせようとする事も決してないとは言い切れませんね・・・」
ジューダスは目を開けてそっと自分の考えについてを語っていく中で人里に行った時の自分の事を知られた場合の事を語ると、映姫もだが小町も何とも言いがたそうに表情を歪ませるしかなかった。人里の者達は妖怪を恐れてはいるが、だからと言ってそれを仕方無いと不満を持ってないわけではなく、むしろ妖怪を不快だと思っている者達が一定数確実にいるのは映姫達も分かっているために。









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