運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

『いくらなんでも会って一月どころか半月すら経ってない人物を前にして、自分の部下と将来子作りをしてもらうなんて普通の人間なら言いませんって・・・』
「それに加えて咲夜も咲夜だ・・・お嬢様の命令なら従いますなんて簡単に返してきた時には唖然としたぞ・・・」
『それで深く聞くと坊っちゃんが相手なら他の誰かとそうなるよりはいいと言ったのがまたって感じなんですよね・・・この数日で咲夜はしっかりしているようでいて、どこか抜けているというか天然みたいな部分を感じちゃいましたから、本気でそう言ってそうだなって思いましたし・・・』
「何なんだ、あの主従は・・・」
二人はその流れのままにいかにレミリアもだが咲夜も自分達からしておかしいのか・・・それらについてを脱力気味に話していく。






・・・そう、レミリアがリオンに切り出したのは咲夜との子作りにいずれ励んでもらうというものだった。その言葉を聞いた時はリオンもシャルティエも正気を疑ったものだが、レミリアが嘘ではないと言ったことに尚更に正気を疑った。

ただそれが一年内に子どもが出来るようにといった命令ではなく、将来的にそうするように考えていると言われたことがまだマシ・・・と言っていいか分からないが、それでもまだそういった行為を強制させられないだけ良かったと二人は感じた。レミリアからしたなら強く見映えもいい男性は滅多にいない上に咲夜は人間ではあるから、将来的に咲夜がどういう道を歩むかはともかくとしてもその血に力を引く子どもを生んでもらいたいと考えているから、いずれ時間が経って落ち着いたなら咲夜の相手を同じ人間であるリオンにしてもらう気でいるという考えを聞いて。

ただ二人も半月も経たない時間ではあるが紅魔館で過ごしてレミリア達と接したことにより、いつに気まぐれだとかちょっとした考えでそうさせられる状況に落とし込められるか分からない性格をしていることを理解したため、どうなるものかと二人も感じたのである・・・






『・・・ですが、あの人に言われたようにもう元の場所に帰らない上でマリアンの事を気にしないと決めたじゃありませんか。確かにレミリアお嬢様の言うことに素直に従うことに抵抗感を抱く気持ちは分からないでもないですが、ここで新たに生きていくと決めた以上は坊っちゃんも色々と考えていくべきだと思いますよ。自分がどのように生きていくかだったり、それこそ結婚するかだったりとです』
「・・・だからと言って咲夜とそうなれと言うのか?」
『咲夜が相手じゃないにしてもレミリアお嬢様の思惑から外れようと動くにしても、これからそういった気持ちや考えで動いていこうという事ですよ。そんな風な考えがなければ僕達はここで生きていくといった言葉が口だけということになりかねませんからね』
「・・・確かにその辺りも含めて考えていかねばならんか。分かった、そういったことをちゃんと考えて動いていくことにしよう」
しかしシャルティエがそれらを含めてちゃんと考えて生きていくことを勧めていったことに、リオンも調子を取り戻しながら頷く。ジューダスから言われたこともあるが、生き方を変えて生きていくのは自分達にとって必要なことだと。


















・・・そういったようにリオンとシャルティエが自分達の事についてを話していく一方でジューダスは人里で買い物を終え、博麗神社へと戻っていった。











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