運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「・・・僕としてもシャルも含めてあのようなことを言われるとは思っていなかったし、こういった気持ちになるとも自分の考えが実はこうなのだということに気付くとも思っていなかった・・・正直、ここまで堪えるともな・・・」
「ジューダス・・・」
その上でジューダス自身もまいっているといったように憂いの表情で顔を手で覆う様子に、映姫もどうしていいか分からないというような表情を浮かばせる。
「・・・少し時間を空けたらどうだ?」
『えっ?いきなりどうしたんですか、坊っちゃん?』
「いくら何でも今のこの状態のままどうするかを決めるのは酷だと思った上で、僕に助言をくれたんだ。だから無理をして今日の内に全てをどうにかするようになどと考えなくてもいいだろうと言ってやろうと思ってな」
『・・・確かにこのままじゃどうしようもなさそうというのは僕も思いましたし、一度時間を空けた方が良さそうですね・・・』
そんな時にいきなりリオンが時間をと切り出したことにシャルは訝しげな反応だったが、理由を聞いて納得と言ったようになる。下手に早期解決をしようとしても良くなさそうだと。
「・・・分かりました、そうしましょう。後二日程は時間はありますし、急いで今日結論を出す理由はありませんからどうするかに関しては二日後にしようかと思いますが・・・それでいいですか、ジューダス?ただもしよろしければ霊夢は嫌がるでしょうが、後何日か程滞在出来るようにと頼みますが・・・」
「・・・いや、いい。今日こうなることなど想像していなかったが、それでもこれからの僕についてを決める時間が二日だけでもあるだけマシだ。その間に僕がどうするかもそうだが、自分の気持ちをまとめたいと思う」
「・・・そうすると言うならその意志を尊重したいと思いますが、本当にいいのですね?」
「あぁ。というよりそもそも僕はお前の決定に従うという旨については先に話していたから、後はどちらになるかを決められてもだが僕の判断に委ねるとなってもいいようにと考えをまとめておく・・・だからお前もどうするかを考えてくれ、映姫」
「・・・分かりました。私も私でどうするかについてを二日後までに考えておきます」
そんな案に映姫もジューダスも同意しつつ、お互いに二日後に決定と決意を交わそうと頷きあう。次第に元の様子になっていく形で。






・・・それでそこから他の話をしあう空気にならなくなったことや、ジューダスが元々買い出しに送り出されたということからこれで解散という話になって映姫とジューダスは場から立ち去っていった。
『・・・何て言うか、何だかんだで立ち直っていきましたね。あの辺りは流石坊っちゃんだって思いましたよ』
「・・・ついでに言うなら映姫も閻魔としてひよったままではいられんと思ったからか、気を取り直していったな」
『・・・何て言うか坊っちゃんに言っていいのかと思いますけど、前に紅魔館で話が出たように本当にお似合いだって感じますよ』
「・・・おい」
『冗談です・・・といつもなら言うところなんですが、これに関しては本当に感じたことなんですよ。似た者同士って感じで気が合ってる所とか見ると尚更にそう感じちゃったんです』
「っ・・・」
それで一人残ったリオンはシャルティエと話し込んでいくのだが、二人の仲についてを正直に話していくシャルティエにリオンは苛立ったような様子を浮かべる。










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