運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「・・・後はそっちで話をまとめろ。俺は聞こえてきた声と話の中身に忠告をしに来た上で、聞かれたくない話をするなら場所を変えろと言いに来たんだ。俺は仕事に戻るからここで話をするんじゃなく場所を変えてやってくれ」
そうして比古はもう言うことを最後に言うだけ言った後、背を向けて小屋へと戻っていった。
「・・・映姫・・・」
「っ・・・一先ず場を変えましょう。あの方は場から離れてほしいと思って話をしに来たということですし、私もこれから込み入った話をする予定ですから人に聞かれないようにするためにも・・・」
「分かった・・・」
それで比古が離れた所でジューダスが今までにない複雑さを滲ませる目を向けると映姫は息を呑んだ後に場を変えるようにと後ろを向いて言い、力ない頷きと共にリオンも歩き出すその後を付いていった・・・


















・・・それで三人は場所を変え、人里の本当に端の所で民家などもない場所で人がいない事を確認して三角形の形で向き合う。
「・・・さて、先程の話についての続きを改めてします・・・ただ元々今日は貴方の所に来る予定で博麗神社に行った上で行き違いになったからこちらに来た上で先程の場面に出くわしたんですが、あんな会話がなされているとは思わなかった上に貴方があのように本音を吐くとは思っていませんでした・・・ただそこに関しては言われて初めて気付く事があるというのもそうですが、何より貴方が強くあろうとしても一人の人間であると共にどれだけ過酷な経験をしてきたのかについてを私が考慮していなかったのか・・・その事を先程痛感しましたし、思い込みで物事を判断してはいけないという教訓にもなりました」
「別にいい・・・あの男の言葉が無ければ僕もシャルの言ったよう、自分が生きることを放棄していると勘違いしていただろうことは予想がついた・・・自分の事は自分でよく理解していると思っていたが、僕も僕でこの幻想郷に来てどうするべきなのかと考えることを放棄していると気付いてなかったから、お前が自分のせいだなどと言う必要はない・・・」
それで早速と本当に申し訳無いという様子を浮かべ映姫の謝罪を受けるジューダスだが、当人も気にすることはないと力なく首を横に振る。
『あの・・・そもそもの話題を切り出した僕が言うのもなんなんですが、映姫様はどういったようにしようと坊っちゃんの事を考えていたんですか?五日という時間があるならある程度の方針は固まってるかと思いますし、今の状態から考えるとどうするのかという指針はこちらの坊っちゃんにとっては必要かと思うんですが・・・』
「そうですね・・・」
シャルティエが自身で言うように切り出しにくそうながらも言葉にしていく中身に、映姫も表情を変えられないままながらも頷く。
「・・・一応ジューダスの事に関してどうするかを私だけでなく是非曲直庁の者達に報告した上で話し合ったのですが、選択肢としては人里の中で暮らしていくか小町の言ったように死神として転生するかの二つが妥当となりました。これはやはりジューダスがもう外の世界に戻ることが出来ないし望まれる事ではないという以上、幻想郷の中で生きていく以外にないとなったのですが・・・先程の話を聞いたのもありますから人里の中で暮らすというなら私がジューダスに職を紹介出来るように力添えしますし、死神に転生するというにしてもちゃんと働けるよう力添えします」
『どちらでも頑張っていただけるとのことですが・・・小町さんが言ったように死神に転生なんてこと、簡単に出来るんですか?』
「そこに関してはジューダスの実力に性格から他の者達も彼ならいいだろうというようになったからです。何分実力が伴われていて真面目な人材はこちらとしても是非欲しいということから、本人の意志で死神になると決めてくれるなら歓迎するということですが・・・彼を追い掛けて来てみれば、先程のようになっていたというわけです・・・」
映姫はそこで二つの選択肢についてを挙げてシャルティエが死神になることについてを疑問視の声をあげると、出来ると共に自身の周りの賛成があると言うがすぐに先の話についてを出して表情を歪める。









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