運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 後編

「いや~、なんていうかあたいはそんな気じゃなかったのに八雲紫やレミリアにやけに映姫様が色々いじられたじゃないか。だからちょっとあたいとしちゃジューダスと会うのって大丈夫なのかって思って、隠れて様子を見ようってここに来たのさ」
「はぁ?元々あれはあんたが焚き付けた事でしょ?」
「いや~・・・あたいとしちゃあれを色恋沙汰として考えるようにとかってつもりで言った訳じゃなくて、純粋に映姫様の役に立つって意味であの時あぁ言ったんだよ・・・けれどあんな風にいじられる材料を与えることになるなんて思ってなかったんだよね、あたいは・・・」
「・・・あ~、言われてみればあんたそういうことで面白おかしくみたいに場をかき回すような感じじゃないわよね・・・今となって思い返せば」
そこで少し気まずそうに自分がやってしまったといった空気を滲ませる小町の話に、霊夢もあぁと納得するような様子を浮かばせた。小町と日頃から交流している訳ではないからそこまで霊夢も小町の事を知っているわけではないが、少なくとも起きたことで楽しむことはあっても自ら厄介事を引き起こしにかかるような人物ではない・・・ましてや映姫相手にそんなことを悪意やからかいからやるような事はしないとは霊夢も知ってる為に。
「まぁそう言うわけで、あたいもちょっと責任を感じててね。後で帰った後にでも言えば良かったってさ・・・そんなもんだからちょっと様子見を兼ねてここに来たんだよ。どうなるのかってね」
「ふ~ん・・・でも残念だったわね。ジューダスは人里に買い物に行って映姫はそれを追い掛けていったわよ」
「そっか・・・それならあたいはどうしようかねぇ・・・」
「・・・ねぇ、そもそもの話として映姫があんなになったのって元々ジューダスを男みたいに意識してたからなんて事はないわよね?話を思い出してみると五日前が初めて会った時だって事だし、あいつの性格的に一目惚れしたってことだったらもうちょっと動揺してた気がするんだけど・・・」
「う~ん、そこか~・・・」
そんな小町が映姫を心配するからこそ来たという中で霊夢がそもそもジューダスに対してどう思ってるのかと疑問を向けると、難しいというように眉を歪める。
「・・・あたいの想像としては単純な話、男と色恋沙汰みたいに繋げられること自体が初めてだったからあんな風になったんじゃないかって思うんだよね~・・・何だかんだで映姫様って閻魔って役職もそうだし、その性格もあって男が寄り付くどころか言い寄ってくるなんてまずなかったのは見えてるしさ」
「あ~、そりゃわざわざ閻魔に色目を使うような奴なんているわけ無いわよね。下心ありで近付こうとしたところで映姫なら白か黒かなんてすぐに判断つくだろうし、そもそもそういった風に映姫を見る奴なんてまずいないだろうしね」
「そうそう。でもちょっと意外だったのはそういったことを意識するような気持ちや考えが映姫様にあったことなんだけど・・・その辺りは映姫様も女性なんだって感じたよ」
「多分それってジューダスの見た目や性格もあってだと思うわよ。映姫の感じとして男と付き合うみたいな時の条件として見た目的に清潔感がないと許せないだろうってのはあるだろうし、性格的にも色々とだらしないとかそういった奴は問題外だと思うからジューダスはその点で過去の事はあっても、それを除けば案外映姫としても男として見るにはそんなに悪くないって感じたんじゃないかしら?」
「う~ん、確かに映姫様ならそういった相手じゃないと認めそうにないけど・・・実際に五日ほど暮らしてるあんたから見て、そういう人物だって感じたのかい?」
「まぁね。小言は多かったりするけどちゃんとやることはやるし、別に不愉快だって思うこともないからそう考えてみると映姫とも合うんじゃないかしら?」
「そうなのかい?ちょっとその辺り詳しく聞いていきたいね」
そのまま小町は申し訳ないと言ったように話していくのだが、次第に話の中身がズレだした上に霊夢も軽く答えだしたことに気持ちを取り戻してのめり込んでいく・・・この辺りは弾幕ごっこなど荒事での騒ぎは実力者達は慣れてはいるが、色恋沙汰に関してを楽しむようなことなど他人事でもほぼほぼ無いからこそ、普段は他者に関心を向けない霊夢でも女性としての気持ちから暇潰しとしてちょうどいいと見る形で・・・









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