運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 前編

「これで一応ジューダスのことは一週間は博麗神社で過ごすって決まったって訳ですか・・・」
「どうしたんですか、小町?何か言いたそうですが・・・」
そんな時に何か小町が引っ掛かる物の言い方をしてきたことに、映姫はどうしたのかと問い掛ける。
「いや、何て言うかジューダスには映姫様と一緒にいてもらってもいいんじゃないかなって思ったんですよね・・・映姫様が閻魔だって知ってもへりくだるみたいな態度を取ってないし、映姫様もジューダスに説教みたいなことを言い出さないのを見てると死神として映姫様を支える為に転生してもらった方がいいんじゃないかって」
「はっ!?なっ、何を言い出すのですか小町!?」
だが頭をかきつつも小町が口にした言葉に瞬間的に映姫は顔を赤くした。その中身が死神への転生ということ以上に、男女の関係として似合うといったように見られたという事に反応して。
「いや、あたいからしたら結構いい考えだと思うんですよ。話の感じからしてジューダスってこれからどうするのかってのを決めあぐねてるって風に感じましたし、ジューダスもどうしようかってなってるみたいですしそれがいいんじゃないかって感じたんですよね~・・・仮にジューダスを人里に送って生活してもらうにしても、ジューダスが馴染むかどうかとかってのも問題になりますし・・・」
「だ、だからと言って私と一緒にとは・・・」
「あら、案外悪くない案だと思いますわ映姫様。彼の剣の腕は先程の浄波瑠の鏡で見たよう十分に備わっていますし、むしろ私が式として彼を従えられるなら従えたいくらいですもの。それを避けるには貴女の監視の元で彼をどうするかを見ていてはいかがですか?」
「八雲紫・・・!」
小町はそのままに自身の考えを口にしていって映姫は反論しようとしたが、紫が明らかにイタズラ染みた笑みと言葉を向ける様子にからかわれているのだと分かる為に怒りを浮かべる。
「・・・その辺りの話に関しては後にしてくれ。僕としては僕の事より、そちらの僕達の事についてを聞きたい・・・特に映姫達の目から見て生きているのか死んでいるのかということをな」
「っ・・・確かに今までそちらに関しては言及していませんでしたね・・・」
ジューダスはそんな空気に仕方無いとばかりに話題転換にリオン側の事についてを切り出し、映姫も気を取り直して確かにというように漏らす。
「と言ってもあたいの目から見たら死んでるって訳じゃなさそうなんですよね・・・どういった感じに幻想入りしてきたのかね・・・」
「彼を見付けたのは私ですが、この紅魔館の庭で水に濡れて倒れていた所を助けました。と言っても最初は水を大量に飲み込んでいて水を吐き出さなければそのまま死んでいたかと思われました」
「ってことは海底でスタン達と戦って見送った後、水に飲み込まれている時に幻想入りしたってことかい・・・」
『僕はその時には自分も水没すると思って機能を停止させてしまっていて、坊っちゃんの声で目覚めることになったんですが・・・まさかこうして幻想入りするとは思っていなくて坊っちゃんとどうするかって話していた時に、レミリアお嬢様が博麗神社に話をしに行くって言ったんです・・・ただまさかこんな風になるなんて全く思ってなかったんですけどね・・・』
「「「「・・・」」」」
その声に小町が自身の目から見えたことを口にして行き咲夜が見付けた状況についてを説明された上で、シャルティエが複雑そうに声を漏らす様子に何とも言えない沈黙が辺りに広がった。ギリギリ生きている状態でここに来たのは分かったが、今のこの状況になるとまで予測していなかったのは他の面々も同様だったために。









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