意識の境界に認識のすり合わせ

「・・・一応フォローのつもりで言わせてもらうが、17のこの体ではあるが俺は一応は精神年齢に換算すれば50は越えている。ジェイドに至ってはもう70近くだ・・・そんな年齢にまで来てしまうと最早生半可な事じゃあ考えというものは変わらなくなってくる・・・納得がいかないんなら、歳のせいだと思ってくれ」
「歳のせいって・・・一応俺も詳しくはともかくとしても、20年以上は生きてるんだけどな。幻想郷に行ってから・・・それに口にするのは怖いけど、向こうじゃ千年単位どころか億単位で存在してる奴もいるし・・・」
「億、単位・・・?」
「・・・それは、いくらなんでも生き過ぎじゃないですか?」
アッシュはその光景に考え方を歳による物だと思えとアドバイスするのだが、億も生きている存在がいるとのルークの言葉にジェイドも唖然としたようなリアクションになってしまう。
「話によると不老不死になれる薬を飲んだからって事だけど、そもそも元々から百万年単位で生きることが出来る種族らしいから何とも言いようがないけど・・・変わることを拒否するって言うのを、歳のせいにするのは違うと思うって言うか・・・どんなきっかけであるかが重要だと思うんだ」
「どんなきっかけがあるか、ですか・・・それは自分の体験からですか?」
「前のアクゼリュスでの事もそうだし、レムの塔以降に体が乖離していくのを確認していったことも確かにそうだ。けどこの話に限って言うなら俺が変わったって言うか、紫から言われたんだけど・・・俺が来たからあいつが変わったって言われたんだよ。俺がきっかけだってな」
ルークはその人物の事についてを言いつつきっかけが大事だと、昔を思い返すように口にしていく。
「・・・実際さ、紫と会ってあんな風に協力的ななってる姿を二人も見ただろうけど・・・俺が完全にあそこに住むってなるようになる前くらいのことだけど、その時くらいの紫って結構分かりやすく俺の事複雑そうに接してきてたんだよ」
「そうなのですか?あまりあの姿から想像は出来ませんが・・・」
「俺もあんな風にいつも余裕持って接してきてた紫が変わっていくって思わなかったんだけど、紫からしたらあいつ・・・幽々子が変わっていくのに戸惑って俺をどうしていいか分からないって気持ちになったってのがあいつの部下の藍の見立てらしいんだ。今まで会う時はいつも変わることなく何百年以上も接してきてた筈の幽々子が、前と変わってきた姿を見せるようになったことに対して・・・」
「そのきっかけが貴方だったから、紫は貴方に複雑な気持ちを抱いたと言うのですか」
「あぁ。と言ってもそれも俺の知らない間に二人で話し合って、俺への態度もあんな感じに戻っていったんだけど・・・自分で言うのもなんだけど、きっかけっていうのは良くも悪くも重要だと思う。人って言うかこうして言葉を使えて思考が出来る存在が変わるって言うことはさ」
「・・・言わんとしている事は分かる、が・・・」
「いや、分かってる・・・アッシュがナタリアの事にそういった気持ちだとか考えを持たないようにって言ってるんじゃない。ただ歳も含めて変わるって事は変なことじゃないし、否定する物じゃないと俺は思うんだよ」
「変でもないし、否定する物でもないですか・・・」
「・・・確かにそうかもな・・・むしろそういった事は必要ないと固持するほど、頭が固くなっているのだろうな」
「確かにそう思えますね・・・」
それで紫と幽々子達との事を引き合いに出した上で話を進めていくルークに、アッシュもジェイドも深く納得していった。確かな経験から話をしていくルークの言葉達に、軽々しく否定など出来ないと。









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