運命に流され翻弄された同じでいて違う者達 前編

・・・そうして浄波瑠の鏡の続きを見ていく中で時間移動を行った際にエルレインが主に活動の場所として定めた街の発展の仕方を見て、揃って場にいた面々は顔をしかめていった。人々はあまりにも機械的に生きすぎていて、感情というものも希薄な面々の姿にいい気分はしないというよう。

それでジューダス達がどうにかとエルレイン達を打倒しようと動いていくのだが、時間移動を繰り返しながらそうしていく内に歴史改編により天地戦争の結末が逆転した上でエルレインが造った世界の事実を知ると・・・場にいた面々全員が一斉に不愉快だと表情を歪めた。






「・・・神の造った箱庭、ね・・・言い得て妙な言葉であると同時に、こんな世界私も絶対にゴメンね。人の幸せをエルレインなりに追求した結果なんだろうけれど、自分の造った箱庭に生きる誰が誰なのか大差のない存在がただぬくぬくと生きていることを満足だと見守るのが自分の役割だなどと・・・造った箱庭を上から眺めて人形遊びに一人満足しているだけの自己満足にしか過ぎないわ」
「えぇ、その点は私も貴女に同意するわ。この幻想郷は妖怪や神といった忘れられし者達の為の場所といった所であり、私は管理者という立場にはあるけれどこのように支配・・・いえ、エルレインからすれば幸せにするために管轄などするつもりはない。端から見れば大した違いはないという者はいるどころか、彼女の作る箱庭だけなら欲しいという者もいるかもしれないけれど、それでもこんな世界だったなら人もそうだけど妖怪やエルレインにフォルトゥナ以外の神といった存在は意味がない物になる・・・そんなことを許すつもりには私もなれないわ」
・・・それでレミリアが浄波瑠の鏡に映ったジューダスの言葉に同意と共にエルレインへの隠しもしない不機嫌さを言葉にすると、紫もまた同じだと同意をした・・・精神的な物が在り方として必要な妖怪からすれば、エルレインの造った世界は様々な意味で許されないものだという考えが浮かんだために。
「・・・」
『坊っちゃん・・・』
そしてその中でリオンは難しいといった表情を浮かべながら黙りこみ、シャルティエは心配そうな声を向ける。



















・・・そうして映像が続く中でエルレインのいるダイクロフトへと乗り込んだ時にジューダス達はエルレインによりバラバラに夢の中の世界に送られるのだが、そこで出てきたジューダスの夢の中身を見た。



「・・・成程。確かに僕とお前の辿った道筋は似てはいるが違うものだな。お前はこうしてスタン達四人とだけ対峙したようだが、僕の場合はコングマンにチェルシーにマリーも付いてきていたからな」
「・・・そうなのか」
『・・・坊っちゃん・・・』
「・・・この後に僕達は天地戦争時代に向かうことになる。そこでだ、ハロルド達と出会うことになるのは」
その映像を見たリオンからの言葉に納得する中でシャルティエが明らかにジューダスに向けた声を上げるが、そこには反応せずにそろそろ天地戦争時代だとジューダスは告げる。


















・・・それで次に天地戦争の時代の地上軍本部へと飛んだジューダス達がハロルドと会った上で当時のソーディアンマスター達に会っていくのを見て、リオンが関心を向ける中でシャルティエは当時の自分は見ていられないと言った後に映像は進んでいき、バルバトスの介入というアクシデントに見舞われた物のジューダス達の阻止は成功していくのだが・・・歴史通りにいかねば未来がどうなるか分からないということからカーレルを見殺しにしなければならないという事を選ばざるを得なくなり、ミクトランと刺し違う場面を二度も見たシャルティエからは辛いというような何かを我慢するようなくぐもった声が辺りに響いた。

そして無事に歴史改編を止めたジューダス達だが次はスタン達がミクトランと戦う時代にバルバトスが向かったということから、ハロルドも共にという形で時間移動を行った。









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