最後の陸の黒船の剣の使い手と天剣の使い手
「・・・あの、比古さん。一体何をこれからするんですか?」
「有り体に言うなら手合わせだが・・・刀は持っているか?」
「刀は護身用に目立たないように持ち歩いていますが・・・なんで手合わせを?」
「お前の剣の腕もだが、他に確かめたいこともあってな。それでどのように手合わせするかに関しては本気でやるようにはするが、殺すまでは無しだ。そして一定時間が経てば俺が合図を出すからそれで終わりの形式でやるが、構わんか?」
「分かりました、それで何か分かると言うならやります」
そうして準備が整った所で何をと聞く宗次郎に、比古が手合わせをすると前置きをした上でどうするかと尋ねられた為、宗次郎は持っていた刀を取り出しながら頷く。
・・・それでシャカにアベルに萃香の三人から少し離れて場が拓けた所に来た二人は刀を抜いて向かい合う。
「・・・そちらから来い」
「・・・緋村さんの師匠なら、まずは縮地の二歩手前から試させてもらいます」
まずは比古が来いと声をかけると宗次郎は軽くトントンと跳躍をしつつ、言葉を切ると共に目にも止まらない速度で縦横無尽に竹林の中を走り出した。
「おぉ、やるもんだねぇ!あれで縮地の二歩手前なのか!いいじゃないかいいじゃないか!やっぱり清十郎の話に出てきた奴らはただもんじゃなかったんだね!」
・・・そして外野で見ていた萃香は楽しそうに笑っていた。話に聞いただけでも心踊る連中がいたものだと萃香は思っていたが、実際に目の前で見てみればより一層に心が弾むと。
「・・・はしゃぐ鬼は置いておいて、清十郎とやらは振りかぶられた剣を受けたな」
「えぇ。早さにおいてはまだしも、それ以外は全てにおいて彼の方が上でしょう」
そんな萃香を尻目にアベルとシャカの二人は冷静にその光景を見ていた・・・確かに普通の人間からすれば目にも止まらない電光石火の攻防に見えるが、二人からすればハッキリと一挙一動が分かる動きだった為に。
「・・・流石に緋村さんの師匠ですね。縮地の二歩手前の攻撃を見切るなんて」
「一応言っておくが剣心より俺は数段は実力が上だ。そして志々雄の事は見てはいないが、剣心と近いくらいなら戦ったとしても負けるなどとは思わん・・・遠慮するな。更に速度を上げてこい」
「はい、分かりました」
そんな中で宗次郎は足を止めて笑いながらも比古の事を誉めるが、当然とばかりに返しつつ遠慮なしに来いと言えば了承をしつつ再び動き出した。言葉にはせずとも縮地の一歩手前の早さにまで上げて。
・・・それから数分程時間が経つのだが、縮地の一歩手前の速度で比古に向かう宗次郎だったが度々斬りかかってもまともに一撃を浴びせることが出来ず、逆に刀を合わせる度に振り払われるその力強さに笑顔が痛みに歪んでいくことになった。単純な腕力は比古の方が圧倒的に上だった為に。
「・・・これはもう、全力の縮地を出さないといけなさそうですね」
「その必要はない、確認は終わった・・・これで手合わせは終了だ」
「あ・・・そうなんですね」
そこまで来て宗次郎も本気で縮地に入ろうとしたのだが、比古が終わりと切り出したことに若干拍子抜けしたようになりながらも頷き刀を鞘に納める。
「それで、僕の何が分かったんですか?」
「主に確認したかったのはお前がどれだけ戦えるのかということもそうだが、どのように志々雄がお前の事を考えていたのかを推察するためだ」
宗次郎は早速とこの手合わせにどういう意図があったのかと聞くと、比古は刀を納めつつ二つの理由があったからだと口にする。
.
「有り体に言うなら手合わせだが・・・刀は持っているか?」
「刀は護身用に目立たないように持ち歩いていますが・・・なんで手合わせを?」
「お前の剣の腕もだが、他に確かめたいこともあってな。それでどのように手合わせするかに関しては本気でやるようにはするが、殺すまでは無しだ。そして一定時間が経てば俺が合図を出すからそれで終わりの形式でやるが、構わんか?」
「分かりました、それで何か分かると言うならやります」
そうして準備が整った所で何をと聞く宗次郎に、比古が手合わせをすると前置きをした上でどうするかと尋ねられた為、宗次郎は持っていた刀を取り出しながら頷く。
・・・それでシャカにアベルに萃香の三人から少し離れて場が拓けた所に来た二人は刀を抜いて向かい合う。
「・・・そちらから来い」
「・・・緋村さんの師匠なら、まずは縮地の二歩手前から試させてもらいます」
まずは比古が来いと声をかけると宗次郎は軽くトントンと跳躍をしつつ、言葉を切ると共に目にも止まらない速度で縦横無尽に竹林の中を走り出した。
「おぉ、やるもんだねぇ!あれで縮地の二歩手前なのか!いいじゃないかいいじゃないか!やっぱり清十郎の話に出てきた奴らはただもんじゃなかったんだね!」
・・・そして外野で見ていた萃香は楽しそうに笑っていた。話に聞いただけでも心踊る連中がいたものだと萃香は思っていたが、実際に目の前で見てみればより一層に心が弾むと。
「・・・はしゃぐ鬼は置いておいて、清十郎とやらは振りかぶられた剣を受けたな」
「えぇ。早さにおいてはまだしも、それ以外は全てにおいて彼の方が上でしょう」
そんな萃香を尻目にアベルとシャカの二人は冷静にその光景を見ていた・・・確かに普通の人間からすれば目にも止まらない電光石火の攻防に見えるが、二人からすればハッキリと一挙一動が分かる動きだった為に。
「・・・流石に緋村さんの師匠ですね。縮地の二歩手前の攻撃を見切るなんて」
「一応言っておくが剣心より俺は数段は実力が上だ。そして志々雄の事は見てはいないが、剣心と近いくらいなら戦ったとしても負けるなどとは思わん・・・遠慮するな。更に速度を上げてこい」
「はい、分かりました」
そんな中で宗次郎は足を止めて笑いながらも比古の事を誉めるが、当然とばかりに返しつつ遠慮なしに来いと言えば了承をしつつ再び動き出した。言葉にはせずとも縮地の一歩手前の早さにまで上げて。
・・・それから数分程時間が経つのだが、縮地の一歩手前の速度で比古に向かう宗次郎だったが度々斬りかかってもまともに一撃を浴びせることが出来ず、逆に刀を合わせる度に振り払われるその力強さに笑顔が痛みに歪んでいくことになった。単純な腕力は比古の方が圧倒的に上だった為に。
「・・・これはもう、全力の縮地を出さないといけなさそうですね」
「その必要はない、確認は終わった・・・これで手合わせは終了だ」
「あ・・・そうなんですね」
そこまで来て宗次郎も本気で縮地に入ろうとしたのだが、比古が終わりと切り出したことに若干拍子抜けしたようになりながらも頷き刀を鞘に納める。
「それで、僕の何が分かったんですか?」
「主に確認したかったのはお前がどれだけ戦えるのかということもそうだが、どのように志々雄がお前の事を考えていたのかを推察するためだ」
宗次郎は早速とこの手合わせにどういう意図があったのかと聞くと、比古は刀を納めつつ二つの理由があったからだと口にする。
.