最後の陸の黒船の剣の使い手と天剣の使い手

「プハァ~・・・それで、確かめたい事ってのはなんなのさ?」
「・・・何故そんなことを聞く?」
「面白そうな感じがしたからさ。あんたは仕事でならともかく、滅多に他人と関わるだとか誰かの為になんて動かないのは見てきたからね・・・それで、どうなのさ?」
そうして酒に上機嫌になりながらも下からニヤニヤと比古を見上げるように見てくる萃香に、仕方無いとばかりにタメ息を吐く。
「・・・お前が面白いと思うかは保証はせんが、明日あいつが起きて少ししたら迷いの竹林に連れていく。そこでの事を見たいと言うなら朝に起きて迷いの竹林の入口に来い・・・お前もその現場に立ち会えるよう、中にいるという二人には話を通してやる」
「あぁ~・・・その二人には私も結界に阻まれて会えなかったからちょうどいいけど、その二人の元に行くってことは・・・分かったよ。迷いの竹林の前にいるからちゃんと忘れずに呼びに来なよ?」
「分かっている。鬼を相手に約束事を反故にするようなことはしない」
比古は一応は場にいれるようにはすると言うと萃香はその中身に面白そうだといった予感に表情を緩め、それ以上は聞かないとしつつちゃんとするよう言うと確かにと頷き返した。萃香もちゃんと場にいさせるようにすると。


















・・・そうして翌日の朝になって食事を取って少しした後、比古は宗次郎を連れて迷いの竹林に行き・・・シャカにアベルの二人の元を訪れた。
「・・・永遠亭への案内を頼みに来た、ようには見えぬな」
「あぁ、少し面倒なことを頼みに来た・・・話に聞いた妖怪避けの為の結界を張る要領で、少しした後にこの辺り一帯を誰も来ないようにした上で結界を張ってほしい。これからあまり人に見られたくない類いの事をしたいのでな」
「・・・何か訳ありのようだな。まぁいい、何をするのかは知らぬがそれくらいなら引き受けよう」
「助かるが、今から少し迷いの竹林の外に妖怪を迎えに行く。そいつを連れて来なければ後々俺が面倒になるから、結界とやらを解いて待っていてくれ」
「・・・まぁいいだろう。しかし長い時間そうすると私達も面倒になる可能性があるから、早く連れてきたまえ」
「あぁ、分かった」
座ったまま応対したシャカは二人の来訪をすぐにただ事ではないと察した上で比古もシャカ達に対しての願いを口にして行き、話が了承でまとまった所で比古は宗次郎を置いて、来た道を後に戻っていく。
「・・・一体何をこれからしようというんでしょうか、比古さんは?」
「何だ、何をするかお前は分からんままにここに来たのか?」
「・・・はい・・・」
「・・・まぁあの様子では何の考えもない事は言いもしないだろうし、しもしないだろう。何をするかは知らんがどうせすぐ分かることだ、待っていればいい」
「そうですね・・・」
宗次郎は一人残され首を傾げる中でアベルが話し掛けるが、すぐに待てばいいといった言葉に頷くしかなかった。すぐに分かることだからと。






・・・そうして然程時間を空けることなく比古は萃香を連れてきて、シャカに頼んで中にいる自分達以外に見られないし近付けさせない人避けの結界を張ってもらった。尚その際にはシャカ達の姿を見て、興味深そうに萃香は笑っていたが二人はどこ吹く風といったようにスルーしていた。









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