最後の陸の黒船の剣の使い手と天剣の使い手
・・・そうして比古はまず自分の事から話始めた。自分が剣心の師匠であると共にもう既に元の時代では死んだ身であり、この幻想郷に生まれ変わるような形で今は生きているのだと。その事については宗次郎もそういうことがあるのかと素直に頷いていた。
しかし次に比古から口にされていった剣心の辿った道筋についてを聞き、宗次郎も次第に顔をうつ向かせていくしかなかった・・・剣心は次第に剣が振るえなくなっていった上で人を救おうとしていくがその中で病に妻の薫と共に犯され、その中でとある頼みから船に乗った後に海に落ちて行方不明になったが・・・剣心は最期には薫の元に戻ってきて、そこで頬の十字の傷が消えたと共に亡くなったと聞いて。
「・・・そうした剣心の最期についてを手紙で伝えられた俺だが、その手紙を最後に俺はあいつらとの繋がりは消えた・・・これが俺の知る全てだ」
「・・・そんな風に生きていったんですね、緋村さんは・・・」
・・・そうして全てを話終わった比古に、宗次郎はそれらの話を受け止めるようにしながらそっと目を閉じる。
「・・・今お前がこうして剣心に会いに行きたいと思っていたと初めて聞いたが、剣心の息子も含めてお前が剣心の元に訪れたといった話は聞いたことはない。それは単純にお前のことまで伝える意味がないと見てか、それともこうして幻想郷に来て帰れなくなったからお前は剣心の元に来ていないのか・・・それとも他の何かの理由からかは定かではないがな」
「・・・多分僕がここに来たからというのが正しそうですね。そうでなければ僕は元々十年が経ったなら緋村さんの元に行こうと思っていたんですが、緋村さんだけに会ってというようには考えていませんでしたからね・・・ただそもそも緋村さんと会った後にどうしたいだとか、どうしようなんて事を考えてなかったということに今の話で気付きました・・・」
「何?」
比古は更に宗次郎との接触についてを聞かなかった事を推測付きで話していくと、顔を下げつつ漏らしていく言葉にたまらず眉を寄せた。
「・・・志々雄さんがいなくなって緋村さんと会うことが目的となった僕でしたが、こうして会うことが難しいと思った時に何をしたいのかにどうすればいいのかという考えになったんです・・・これからどうすればいいのかと・・・」
「・・・目的がそれだけだったからこそ、お前は自分の行く末の事など考えられなかったということか」
「はい・・・」
そうして独白をしていく宗次郎の言葉に比古は受け止めるように確認を向けていき、顔を上げることが出来ずにいるその様子にそっと目を閉じて息を吐いてから声をかける。
「・・・取り敢えず今日はここに泊まっていけ。今から人里の宿を取るにしても時間が遅いし、明日にお前に関して確かめたいことがある。出来るならその為にもここにいてもらいたい」
「それは構いませんが・・・いいんですか?」
「構わん。外来人に関しては余程の人でなしでなければ来たら一先ずは受け入れるようにというのがここの決まりだ。それとも野宿でもわざわざしたいのか?」
「いえ・・・すみません、今日はお世話になります」
比古が出したのは今日は泊まるようにとの勧めであり、意地悪いといったように言葉をかけると宗次郎はそっと礼の言葉と共に頭を下げた。
・・・そうして時間が経って宗次郎が用意した床で眠りについたのを見て、比古は小屋の外に酒の瓶を片手に出て・・・夜空を見上げながら口元に瓶を傾けた。
「・・・まさかあんたの弟子と戦った相手が幻想入りするだなんてねぇ」
「・・・見ていたのか、萃香」
「初めは単なる外来人なら場所がえして飲もうかと思ってたんだが、予想以上に面白いことになったからずっと見てたのさ」
するとそんな比古の横に唐突に萃香が現れ、カラカラとしたように笑いながら見ていたと瓢箪の酒を飲んでいく。
.
しかし次に比古から口にされていった剣心の辿った道筋についてを聞き、宗次郎も次第に顔をうつ向かせていくしかなかった・・・剣心は次第に剣が振るえなくなっていった上で人を救おうとしていくがその中で病に妻の薫と共に犯され、その中でとある頼みから船に乗った後に海に落ちて行方不明になったが・・・剣心は最期には薫の元に戻ってきて、そこで頬の十字の傷が消えたと共に亡くなったと聞いて。
「・・・そうした剣心の最期についてを手紙で伝えられた俺だが、その手紙を最後に俺はあいつらとの繋がりは消えた・・・これが俺の知る全てだ」
「・・・そんな風に生きていったんですね、緋村さんは・・・」
・・・そうして全てを話終わった比古に、宗次郎はそれらの話を受け止めるようにしながらそっと目を閉じる。
「・・・今お前がこうして剣心に会いに行きたいと思っていたと初めて聞いたが、剣心の息子も含めてお前が剣心の元に訪れたといった話は聞いたことはない。それは単純にお前のことまで伝える意味がないと見てか、それともこうして幻想郷に来て帰れなくなったからお前は剣心の元に来ていないのか・・・それとも他の何かの理由からかは定かではないがな」
「・・・多分僕がここに来たからというのが正しそうですね。そうでなければ僕は元々十年が経ったなら緋村さんの元に行こうと思っていたんですが、緋村さんだけに会ってというようには考えていませんでしたからね・・・ただそもそも緋村さんと会った後にどうしたいだとか、どうしようなんて事を考えてなかったということに今の話で気付きました・・・」
「何?」
比古は更に宗次郎との接触についてを聞かなかった事を推測付きで話していくと、顔を下げつつ漏らしていく言葉にたまらず眉を寄せた。
「・・・志々雄さんがいなくなって緋村さんと会うことが目的となった僕でしたが、こうして会うことが難しいと思った時に何をしたいのかにどうすればいいのかという考えになったんです・・・これからどうすればいいのかと・・・」
「・・・目的がそれだけだったからこそ、お前は自分の行く末の事など考えられなかったということか」
「はい・・・」
そうして独白をしていく宗次郎の言葉に比古は受け止めるように確認を向けていき、顔を上げることが出来ずにいるその様子にそっと目を閉じて息を吐いてから声をかける。
「・・・取り敢えず今日はここに泊まっていけ。今から人里の宿を取るにしても時間が遅いし、明日にお前に関して確かめたいことがある。出来るならその為にもここにいてもらいたい」
「それは構いませんが・・・いいんですか?」
「構わん。外来人に関しては余程の人でなしでなければ来たら一先ずは受け入れるようにというのがここの決まりだ。それとも野宿でもわざわざしたいのか?」
「いえ・・・すみません、今日はお世話になります」
比古が出したのは今日は泊まるようにとの勧めであり、意地悪いといったように言葉をかけると宗次郎はそっと礼の言葉と共に頭を下げた。
・・・そうして時間が経って宗次郎が用意した床で眠りについたのを見て、比古は小屋の外に酒の瓶を片手に出て・・・夜空を見上げながら口元に瓶を傾けた。
「・・・まさかあんたの弟子と戦った相手が幻想入りするだなんてねぇ」
「・・・見ていたのか、萃香」
「初めは単なる外来人なら場所がえして飲もうかと思ってたんだが、予想以上に面白いことになったからずっと見てたのさ」
するとそんな比古の横に唐突に萃香が現れ、カラカラとしたように笑いながら見ていたと瓢箪の酒を飲んでいく。
.