最後の陸の黒船の剣の使い手と天剣の使い手
人里は余程の事がない限りは安全な場所ではあるが、外はその限りではない・・・慧音からそう聞いた比古はもしもの時の自身の身を守る為、再び自身の体得していた剣術を使えるようにと慧音の元にいた時から度々剣術の訓練に励んでいた。元々その剣術は誰かを殺すためにではなく誰かを守ることを念頭に置かれて引き継がれていた剣術であり、比古自身の性格としても誰かに身を守ってもらうだけで何もしないなどというのは気持ちよくないと思ってだ。
それで比古は人の目のないところで剣術の訓練を行っていた訳だが、そこに現れたのが萃香なのである。明らかに普通の人間離れをし過ぎているその剣を見て楽しめそうな存在だと感じてだ。
しかしそんな萃香とやりあうことなくさっさと人のいる場所に退散した比古に、萃香は肩透かしを受けた上で比古に注目して自身の能力をフルに用いてしばらくの時間を費やすのだが・・・それで比古と慧音の会話から前世ありの存在だと聞いた所で、再び人の目のないところで萃香が話を切り出したのである。一先ず戦えとかは言わないからお前の前世について話してみろと。
そんな声に最初こそは拒否しようとした比古だったが、そうしたなら今度は有無を言わさず殴りかかると言われて仕方なしに話をすることにしたのだ。下手にここでやり合うことになったら色々な面で面倒になることもそうだが、話してくれればそうはしないし鬼は嘘をつかないという言葉を信じて。
それで仕方無しというように話をしていく比古だったが、その話についてを聞き終わった時に萃香はいたく気に入ったと酒を飲みながら言ってきたのだ。特に自分の流派を引き継がずに自身の道を歩むことを決めていった弟子の事を。
それで話すことは話したからこれで終わりだと比古はもう以降は萃香は関わってくることはないと見たのだが、以降もちょこちょこと関わってくることになったのである。特に一人暮らしを勝ち取ってからは来る頻度が以前より多くなったのが比古の誤算だった。そして冗談めかして言ってきているが、一度でも頷けば本当に殺しあいを仕掛けてくるのは確実だと確信していた。萃香がそんな好機を見逃すはずがないと。
‘コンコン’
「・・・誰だ、こんな時間に?・・・まぁいい、俺は対応するがお前は姿を消しておけ。人里の者にバレれば面倒だ」
「あいよ」
・・・それで萃香と二人で飲んでいた所に入口の戸を叩く音がしたことに比古が立ち上がりつつ萃香に指示を出すと、一声で返した後に萃香はその姿をすぐに霧が晴れるようにその姿をその場から消し去らせ何もいなかったようになっていた。
「・・・誰だ、こんな時分に?」
「あの、すいません・・・ここはどこなんですか?さっきまで僕は人のいない山道を歩いていたんですが、急に目の前の景色が変わったと思ったらこの近くにいて・・・」
「何・・・まさか、幻想入りか・・・?」
それで戸を開けて誰かと確認すればにこやかな笑顔が特徴的な青年がいたのだが、若干困惑しているといったように眉を寄せている様子からの話の中身に比古はすぐに幻想入りの可能性に思い至る・・・人里は平野部にあって山道など無いのに、いきなりそんなことになるなど幻想入り以外無いのではと。
「あの・・・」
「・・・取り敢えず中に入れ。おそらくだがお前に何があったのかだとかこの場所についてを説明しよう」
「はい、分かりました」
その青年はその様子に声をかけようとしたが、比古がすぐに説明の為に中に入るように気を取り直して言えばすんなりと頷く・・・比古らしくない比古にしては親切な対応と最後の弟子なら思うだろうが、外来人が来た場合には何が起きたかを始めとして色々と説明をしなければその外来人が何をしでかすか分からない危険性もあるが、元々自分も外来人であったが故に説明くらいはしてやろうという気持ちがあったから言い出したことなのである。
・・・それで比古はその青年に説明をしていった。ここが幻想郷という場所であり、外にいたお前は何らかの形で幻想入りしてしまったのだと。
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それで比古は人の目のないところで剣術の訓練を行っていた訳だが、そこに現れたのが萃香なのである。明らかに普通の人間離れをし過ぎているその剣を見て楽しめそうな存在だと感じてだ。
しかしそんな萃香とやりあうことなくさっさと人のいる場所に退散した比古に、萃香は肩透かしを受けた上で比古に注目して自身の能力をフルに用いてしばらくの時間を費やすのだが・・・それで比古と慧音の会話から前世ありの存在だと聞いた所で、再び人の目のないところで萃香が話を切り出したのである。一先ず戦えとかは言わないからお前の前世について話してみろと。
そんな声に最初こそは拒否しようとした比古だったが、そうしたなら今度は有無を言わさず殴りかかると言われて仕方なしに話をすることにしたのだ。下手にここでやり合うことになったら色々な面で面倒になることもそうだが、話してくれればそうはしないし鬼は嘘をつかないという言葉を信じて。
それで仕方無しというように話をしていく比古だったが、その話についてを聞き終わった時に萃香はいたく気に入ったと酒を飲みながら言ってきたのだ。特に自分の流派を引き継がずに自身の道を歩むことを決めていった弟子の事を。
それで話すことは話したからこれで終わりだと比古はもう以降は萃香は関わってくることはないと見たのだが、以降もちょこちょこと関わってくることになったのである。特に一人暮らしを勝ち取ってからは来る頻度が以前より多くなったのが比古の誤算だった。そして冗談めかして言ってきているが、一度でも頷けば本当に殺しあいを仕掛けてくるのは確実だと確信していた。萃香がそんな好機を見逃すはずがないと。
‘コンコン’
「・・・誰だ、こんな時間に?・・・まぁいい、俺は対応するがお前は姿を消しておけ。人里の者にバレれば面倒だ」
「あいよ」
・・・それで萃香と二人で飲んでいた所に入口の戸を叩く音がしたことに比古が立ち上がりつつ萃香に指示を出すと、一声で返した後に萃香はその姿をすぐに霧が晴れるようにその姿をその場から消し去らせ何もいなかったようになっていた。
「・・・誰だ、こんな時分に?」
「あの、すいません・・・ここはどこなんですか?さっきまで僕は人のいない山道を歩いていたんですが、急に目の前の景色が変わったと思ったらこの近くにいて・・・」
「何・・・まさか、幻想入りか・・・?」
それで戸を開けて誰かと確認すればにこやかな笑顔が特徴的な青年がいたのだが、若干困惑しているといったように眉を寄せている様子からの話の中身に比古はすぐに幻想入りの可能性に思い至る・・・人里は平野部にあって山道など無いのに、いきなりそんなことになるなど幻想入り以外無いのではと。
「あの・・・」
「・・・取り敢えず中に入れ。おそらくだがお前に何があったのかだとかこの場所についてを説明しよう」
「はい、分かりました」
その青年はその様子に声をかけようとしたが、比古がすぐに説明の為に中に入るように気を取り直して言えばすんなりと頷く・・・比古らしくない比古にしては親切な対応と最後の弟子なら思うだろうが、外来人が来た場合には何が起きたかを始めとして色々と説明をしなければその外来人が何をしでかすか分からない危険性もあるが、元々自分も外来人であったが故に説明くらいはしてやろうという気持ちがあったから言い出したことなのである。
・・・それで比古はその青年に説明をしていった。ここが幻想郷という場所であり、外にいたお前は何らかの形で幻想入りしてしまったのだと。
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