神に最も近い男と神のいたずらで生まれ残った男

「・・・それで俺はオデッセウスに治療される形でカインから離れていって死んだかと思えばシャカと出会った上で迷いの竹林にいて、互いに情報交換をした後に強い力を感じ取ってそこに向かえば永遠亭があって幻想郷の事を聞いたというわけだ」
「・・・そんな、事が・・・」
「・・・まぁ百歩譲ってそれで問題が起こったのもあって、二人が幻想郷に迷いこんだんだってのはいいさ・・・でもどうしてあんたら二人は黄金聖衣を纏っているんだい?あんたらの話だと体の一部になってるみたいな感じなんだし・・・」
そうしてアベルからの説明が終わり映姫が有り得ないといったように呆然とする中、小町は気持ちを落ち着かせるためにか聖衣がある理由は何故かと問うように漏らす。
「正確な理由は分からぬが、先代と対峙した際に私は聖衣を纏った状態で対峙していたのは覚えている。それを考えれば我々は自分が聖衣を着ているというイメージのままにいたから、それでここに入ってきたのだろう。まぁその為に強さは聖衣を着た時のままではあるが、聖衣を自由自在に着脱することが出来ぬことは分かったがね」
「・・・ということはあんたらは本来の実力のまま幻想郷に入ってきたってことかい・・・」
ただシャカが平然と並べてきた仮説に、小町は聞きたくなかったとばかりにうなだれる。何ともシャカ達に都合がいい形で弱体化していないことが明らかになったために。
「・・・すみません、嘆きの壁のところで貴方の生涯が終わったので貴方の言う先代との対面に関してを見てもいいでしょうか?アベルは見たのですが、貴方に関してはどうしてそこで出てきたのかを見たいのですが・・・」
「でしたら私がその時の光景を見せましょう。浄波瑠の鏡を用いるまでもありません」
映姫もそこで気を取り直して先代との対峙についてを見たいと切り出すが、シャカは自分がやると両手を胸の辺りに小宇宙を燃焼させ出した。自身の力でその時の光景を見せるために。


















・・・それでシャカにより裁判所の中が先代の乙女座であるシジマとの対面の際の光景の場に変わるわけだが、そこで見た天舞宝輪対天舞宝輪のぶつかり合いの光景に映姫達は最早言葉を失う以外に無かった。人と人の戦いでここまでの光景が生まれるのだということに。

そして瞬の介入によりその戦いが終わり、シジマとの会話を終えたシャカが涅槃に戻ると言って消えていった所で裁判所の中へと光景は戻った。



「・・・最早ここまで来ればなんと言っていいか分からないですね・・・あんなことが出来る存在が人間の中にいっぱいいる世界があるとは・・・」
「というか神に最も近い男って触れ込みですけど、単純な力なら秋の神みたいな比較的力のない神よりは確実に上ですよね・・・さっきの映像を見るだけでも・・・」
・・・そうして場が元に戻るのだが、映姫も小町もかつてない程に疲れた気持ちを抱いていた。普通の人間から考えれば規格外な人間は霊夢を始めとして今まで何人も見ては来たが、それでもこれほどのぶっ飛び具合の人間達は見たことは無かったために。
「その辺りは俺達にとってはどうでもいいし、そもそも幻想郷をどうこうする気もないからさっさと涅槃に行かなければならないなら向かいたいからここに来たまでだ・・・そこにもう一人俺達の動向を知りたがっている奴もいるからこそ、尚更にどうなのかに関してを早くして欲しい物だがな」
‘ブォン’
「っ!?」
「貴女は、八雲紫!?・・・まさか、今までのここでの事を見ていたんですか・・・!?」
だがそこでアベルが不敵な笑みを浮かべつつ右手に小宇宙を込めて映姫達の背後に向けて異空間を開くと、そこはスキマ空間でその中にいた紫がらしくもなく目を丸く見開いて驚き、映姫もその様子に驚くと共にその行動に批難めかせた確認の声を向けた。覗き見ていたのなら許すわけにはいかないというよう。









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