神に最も近い男と神のいたずらで生まれ残った男

「・・・こんな・・・ことが・・・」
「映姫様・・・これって地球の話ですけど、外の事じゃないですよね・・・外で全世界規模で雨が降り続けたなんてことがあったなら、幻想郷にも流石に影響が出たでしょうし・・・」
「それは間違いないと思います・・・恐らくというより間違いなくこちらのシャカという人がいて戦ってきた地球は、こちらからしての平行世界の地球だと思われますし・・・何より聖闘士や海闘士に冥闘士の存在などあったなら、こちらに情報として伝わらないはずなどありませんからね・・・」
「ですよね・・・」
・・・それで一通りシャカの生涯を見たところで映姫に小町は互いに何とも言いがたそうながら、平行世界の人間であろうと話し合う。同じ地球の事とは言えあまりにも規模が違いすぎる出来事がある上で、聖闘士を始めとした存在が伝わってこないなど同じく幻想寄りの存在である為に情報が入ってこない筈などないと。
「ふむ・・・やはり我々は平行世界からここに迷いこんできたというわけか」
「・・・予想していたんですか、平行世界から来たのだということは?」
「当然です。この幻想郷の成り立ちを聞いた上で永遠亭の者達や八雲紫達の実力にその生態を見聞きしたから言えることとして、それらを聖闘士側が知ったならここや八雲紫のやることなど放置などせぬでしょう。人食い妖怪がまだ人知れず存在するばかりかどこからか拐って食料としているなどと知ったなら、この幻想郷を放っておくなど無かったと思われるでしょうからね」
「・・・ですがそれが無かったということから、貴方は幻想郷は自分のいた方の地球には無かったということは確実だと見たということですか・・・」
「・・・正直、もしそうなったとしたらなんて想像したくないね・・・さっきの戦いの映像を見るだけでもあたいじゃシャカとはかなり相性は悪いのは分かったからね・・・」
だがむしろシャカは当然とばかりにその予想は確かな根拠を語るが、対して二人の表情に声は優れないままである・・・それはそうだろう。シャカの言葉通りに聖闘士達と戦うような事になったなら幻想郷側の住民として相対する可能性があって、戦ったとしてもいい未来などシャカの強さから考えれば考えにくかった為に。
「・・・いけませんね、取り敢えず続きに行きましょう。嘆きの壁で貴方が他の黄金達と共に星矢達に後を託して亡くなったというのは分かりましたが、それならアベルは一体誰なんですか?双子座の聖衣を着てはいますが、サガにカノンでもないのに・・・」
「その辺りに関しては俺の事を浄波瑠の鏡で見てから説明しよう。色々と言葉だけで説明するには難しいのでな」
「・・・そういうことならそうしましょう」
その空気を自身で変えようと次はアベルにとどういうことなのかと話題を向ける映姫だが、当人が浄波瑠の鏡を用いた方がいいと平然と返す様子に釈然としない様子ながらも頷く。


















・・・それでアベルの生涯についてを見ていくのだが、こちらに関しての映像の方に驚きを映姫達は浮かばせるしかなかった。アベルがどういう存在なのかを兄であるカインも含めて分からないままに進んでいくのだが、そうして時間が進んでいきハーデスとの聖戦が開戦・・・となった時に未来での聖闘士であってシャカと同じ時間軸にて存在していた瞬に、後で一輝が双児宮までやってきたのだ。

これにどういうことかと驚いた映姫達だがシャカが後々に処女宮で自身が瞬のアンドロメダの聖衣に血を与えて甦らせた際、過去の乙女座の聖闘士と相対した時にそこに残っていたDNAから自分が残留思念として出てきた際に知ったこととして・・・簡単に要約するなら瞬達はハーデスを倒すことが出来たがその代償に星矢がその時受けた呪いを解除するため、過去にその解決策を求めて来たからだと知ったと言った。

そんなことがあるのかと見る中でカインとアベルに一輝のやり取りの後にこの兄弟の関係はどういうことなのかと見ていた二人だが、その後に起きた更なる事に加えて出会った十三人目の黄金聖闘士である蛇使い座のオデッセウスにより、その正体が明らかになることになった・・・アベルの正体は実は本来人間が成長していく内に使われなくなっていく筈だった細胞が、どういうことかずっと残った上で人格になるまでになったのがアベルなのだと。









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