神に最も近い男と神のいたずらで生まれ残った男

・・・そうして本来なら異変は解決したから終わりというような区切りのいい結末とはならず、どこか消化不良のような気分を残しつつも異変は終了したのだが・・・その後すぐに紫は一人スキマを開いてしばらくしたなら博麗神社に向かうと切り出し、場にいる面々は何のためにその場から離れていくのかというのをすぐに察知出来た・・・あの三人というか、鈴仙を除いた二人の後を追いに行ったのだろうと・・・


















「・・・成程、あんたらには死んだって自覚があってここに来たって訳かい」
「うむ。だがこの通り我々は何故か体を持って顕現することとなったが、ここに彼岸があるというなら閻魔様がどのような裁定を下すのかもだが涅槃に旅立たせるというならそうしてもらいたいと思ってね」
「だから俺達を連れていってもらいたいのだが、俺達は迷ってここに来た身でな。渡し賃となるような金など持っていない上で、この聖衣は本物の金の鎧ではなく俺達がここに来る前に着ていた聖衣が何故か俺達がここに来た際に俺達の力が形になった物だ。故にこれは俺達の体の一部であり、そちらに渡せるような金品ではないということだ」
「・・・そうかい・・・それをひっぺがして売れば相当な金になると思ったんだがね・・・」
・・・それで場所は変わり、三途の川のほとりにて。
鈴仙は案内を終えて場を離れていった後で小町と話をしていくシャカとアベルの二人だが、その中身に小町は露骨にやる気を失わせる。明らかに金が手に入らないということに対して。
「・・・ま、仕方無いか。話を聞く限りじゃあんたらなんかかなりの訳ありみたいだしね。渡し賃はいらないしすぐに向こう側にあんたらを送って映姫様と話を出来るようにするから、ちょいとじっとしといてくれよ」
ただすぐに小町は気を取り直し頭をかきながら送り届ける事を口にしつつ、能力を使い始める。






・・・そして数秒もしない内に三人の見る光景が先程いた場から一転して、ある建物の前になった。
「はい、到着と」
「これは・・・」
「あたいの能力さ。幻想郷に何日かいるんなら程度の能力については聞いてるだろ?」
「ふむ、中々に興味深い能力だな」
「その辺りに関しちゃ涅槃に旅立つんなら別に気にする必要はないだろ。ほら、映姫様の元に行くから付いてきなよ」
そうして周りの光景が変わったことにアベルが物珍しそうに辺りを見渡し、シャカも目を閉じたままであるにも関わらず微笑を浮かべる様に構わず小町は先に進んでいくために二人もその後に付いていく。






・・・そして程無くして二人は小町の案内により、映姫の待つ裁判所へと入った。
「・・・話は聞きました。貴殿方は自分達が死んだという自覚を持ちながらこの幻想郷に流れ着いてしまったと」
「そういうことになります」
「ただそうは言いますが、私としては貴殿方の言葉をそのまま信用する訳にはいきません。ですので今からこの浄波瑠の鏡を用いて貴殿方の生前についてを見させていただきますが、よろしいですか?」
「構いません。そしてどのような裁きを下されようとも我々は受け入れましょう」
それで中にいた映姫は小町からの説明を受けたと言いつつ浄波瑠の鏡で見られる覚悟はあるかを問い掛けると、シャカもだがアベルも当然と躊躇うことなく頷き返す。


















・・・それでまずはとシャカの事からと浄波瑠の鏡で生前についてを見ていくのだが、映姫もだが小町も絶句していくしかなかった。何故なら人間が至る領域など容易に超えた強さをシャカもそうだが周りや敵もあまりに段違いに持っていた上で、その生涯における戦いがあまりにもレベル違いな物であったために。









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