最強を願われた零と詳細なく消えた科学者

「・・・成程。そういうことがあったからお前に会いに行くと言った時、妖怪の山の妖怪達が何とも言いがたそうな顔をしたというわけか。紫や閻魔に飯綱丸という人物達との取り決めがなされたからこそ」
『はい・・・最初は私の事を取材に来た文からラヴォスも含めた私の事が幻想郷に新聞で広まる可能性があったんですが、取材を終えた文が帰ろうとした時に紫が来て映姫様にこの守矢神社の面々に飯綱丸さんを始めとした妖怪の山の人々との会合を行うと言ったんです・・・私というよりラヴォスの存在を知ったなら、かつての女王のようにラヴォスを信仰する者が現れて幻想郷に引き寄せられかねないから妄りにラヴォスの名や存在を民間に広げたりするなと。ですので文は私の事に関してほとんど記事が書けなくなったとぼやき、他の天狗だったり力を持つ方々にも注意が行くことになってそれに頷かざるを得なかったんですが・・・そういったことから普段は仲良くはしてくれるんですが、ラヴォス関連の話題でとなるとデリケートな部分ということから妖怪の山の面々はあまり何とも言いがたそうになるんですよ』
「そういうことだったのか」
それでゼロはロボ達からどうして妖怪の山の面々があんな反応だったのかについてを聞き、納得といった様子を浮かべる。






・・・紫が動いたこともそうだが、基本的に我が強くて他者の事をすっ飛ばして自分や仲間内の事を優先する妖怪達がそうすると決めたのは、やはりそれだけラヴォスの存在があまりにも大きかったからであった。特に力のない者がラヴォスの存在を知ったなら、他がどうこう言っても自分に力や永遠の生命を与えてくれる存在なのではないかと思われるような事になったなら、最悪な展開も有り得る・・・ラヴォスを信仰する誰かの想いをキャッチして、別の次元のラヴォスが現れかねないという展開が。

故に紫は文が新聞を作成する前に現れた上で映姫に守矢神社に妖怪の山の面々と話をして、ラヴォス関連の事は沈黙するようにと話し合ったのだ・・・映姫に頼んで浄波瑠の鏡を使ってラヴォスの事を見た時の場面を映し出させ、こんな存在についてを情報として知った誰かがラヴォスを求めて万が一幻想郷に入り込んだらどうなるか分からないと。

そしてそんな要求に対して妖怪の山の責任者側に立っていた飯綱丸は即座に射命丸に対してラヴォスに関しての文言は一切記事に出すなと命令を下し、また妖怪の間でもあまりそれらの件に関してはロボに関連する時はまだしも木っ端妖怪や人間に大っぴらに伝わるとどうなるか分からないため、基本的には事情を知った者達の中だけで口外無用にするとした。

そしてその上で守矢神社側としてもラヴォスがそのような形で信仰を得て自分達の信仰を奪われるばかりか、幻想郷そのものが滅びるような事になれば元も子もないということから、ラヴォスに関しては基本的には黙ることにした・・・というわけである。






「・・・事情は分かりました。ですが私達にそれらの事を話してよかったんですか?話に聞けばあまり公にしてはならないことのように思いますが・・・」
「そこに関しちゃあんたの事は心配しちゃいないさ。いたずらに知らしめちゃいけないような情報を里にばらまくなんてしないだろうし、こっちが言われているのは下手な奴らにラヴォスの事が伝わらないように配慮しろってことだったから、八雲紫がここに行けって言ったんなら必要な事なんだろ・・・そっちの二人にとってロボの話がさ」
そんな中で聖が話をしてくれたことに大丈夫かと問い掛けると、神奈子が承知の上と返していった上でゼロとケインに視線を向けた。重要なのはこれからだろうと。









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