最強を願われた零と詳細なく消えた科学者

「・・・どうするのですか、ライト博士?このような事になるとは思いもしませんでしたが・・・」
『・・・すまないが、その判断は貴方に任せてもよいか?私はXの修復に向かう・・・まだXは生きてはいるが、このままであれば手遅れになる。だからゼロについてはどうするかは貴方に委ねたい』
「私に、ですか・・・責任重大ですな・・・」
そうしてケインはどうするかをライトに問うのだが、返ってきた任せるとの答えに難しいと表情を歪める。
『私としてもゼロを助けたいという気持ちはあるが、ワイリーの最期の言葉を汲み取って何かが起きかねない可能性を貴方も感じているのであろう・・・だがそれでも貴方に選んでもらう必要があると見たのだ。ゼロをどうするのかに関しては、今を生きる貴方に』
「・・・分かりました。ただ取り敢えずは我々の秘密の研究所にゼロとワイリー博士の体を持って帰るようにします。この場で決断したとしても修復の為の道具などありませんからね」
『あぁ、分かった・・・ではまたそちらで会おう』
ライトはその姿に選ぶ大切さに適任はケインしかいないと説き、ならばと一先ず二人を連れて帰るからとの言葉にライトは頷き返した。


















・・・それでケインは自身が素早く動けるようにと用意していた車に手伝い用に乗せていたロボットに頼んでゼロとワイリーを乗せ、秘密の研究所に向かった。

そしてゼロとワイリーを並ばせる形で台に置き、様々な機器と繋ぎ合わせながらケインは二人の状態についてを調べていく。






『・・・戻ったよ』
「おぉ、ライト博士。Xはどうでしたか?」
『無事に治すことには成功した・・・だがゼロに関する記憶を封印した上でその場に残してきた』
「どういうことですか、それは?」
・・・そうしている内にライトが戻ってきた為にどうかを聞くケインだが、ゼロの記憶に関しての返しに怪訝そうに眉をひそめる。
『・・・今回の一連の件についてをXを修復する中で考えていく内に、イレギュラーハンター側もXの報告から全てを全て聞いている状態ではなくともある程度は考えているだろう事を考えた。ゼロがこの件の中心であると共に、例えゼロが無事に戻ってきたとしてもまたあのようになりかねないという可能性についてをだ』
「・・・それは・・・」
『イレギュラーハンター側からすれば当然の考えになるのは間違いないし、どこかでそれらがしこりになって残ることは避けられぬであろう。だがその中でXだけはどうにかゼロをと動くだろうが、いずれ周りと自分の気持ちの温度差に苦しむことになりかねない・・・だからゼロの記憶に関しては封印することにした。ケイン博士がゼロを復活させると言うなら、直接対峙という状態にならなければ思い出せぬといった形にしてな』
「そういうことですか・・・」
ライトはそうした理由についてを重々しく語り、その中身にケインも否定を返せなかった・・・話の中で幾度も出てきたが地球の被害は今回の件で壊滅的な物であり、それらを引き起こす大本ではなくとも一因となったのがゼロであれば様々に障害が出てくるだろうことから、Xが辛くないようにするには当然だと。
『ただケイン博士がどのようにするかにもよると思うが・・・』
「いえ・・・今の話を聞いて決心しました。わしはゼロを治します。そして・・・その上でゼロはそのまま封印させようと思います」
『何・・・?』
その上でどうするか・・・そう漏らしたライトにケインは頭を振った後に自身の決意を新たにするが、どうしてそうなるのかと言うように怪訝な顔を浮かべた。









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