最強を願われた零と詳細なく消えた科学者

「ライト博士、このレプリロイドが貴方の危惧していたワイリー博士だと言うのですか?」
『うむ・・・私はXを造った後にもしもの事があった場合にとこうしてライト本人の人格を投影したデータにアーマーといった物を残していたが、カウンターハンターの一人にワイリーとの関係を匂わせるような発言をした者がいた時にもしもワイリーも私と似たような事をしていたならと考えていたのだが・・・こうして危惧は当たり、出会うことになってしまったというわけだ』
「ぐっ・・・!」
ケインはそこでライト達の正体を聞いて知ったからこそ口調を糺して問い掛けの言葉を向けると、自分と同じことをしていたという予想が当たったとの言葉にワイリーは悪態の声を漏らし表情を歪めるしか出来なかった。
『動けぬであろう、ワイリーよ。そのフィールドはレプリロイドの動きを封じると共に、外への通信の為の電波などの一切を遮断する物となっている・・・つまりもしお前がまだ代わりのスペアボディなどを所持していても、その体から乗り移るような事など出来ぬというわけだ』
「小癪な真似を・・・!」
そんなワイリーに追撃をかけるよう逃げることは出来ないと理由も併せて述べるライトに、今にも殺したいと言わんばかりの目と声を向けるが・・・そんな姿にライトは悲し気な表情を浮かべた。
『・・・ワイリー、もう諦めよ。お前の執念は知っているが、最早今のこの時代は我々が生きていた時代ではない・・・我々はもう過去の遺物なのだ。そんな我々がこの時代でまで争っていいと思うのか?』
「黙れライト!この時代がどうだからとかそんなものなど関係無い!わしはわしの正しさや優秀さを示し、ゼロが最強だと示す!それがわしのやることよ!」
「っ・・・その口振り・・・まさかとは思っていたが、ゼロを造ったのは貴方だというのか・・・」
「そうだ!そしてお前達も見ただろうがウィルスは元々はゼロのデータだった!しかしシグマと初めて出会った時の戦いによりゼロの記憶に闘争本能は失われ、そのシグマに乗り移った事によりシグマはイレギュラーと化した!わしの思想を図らずも受け継ぐ形でな!」
「・・・なんということだ・・・そんなことからシグマはイレギュラーになったというのか・・・」
そのままライトが諦めるようにと話をするが激昂していくワイリーの話のゼロの部分にケインが反応するのだが、返ってきたまさかの答えに愕然としてしまった。元々シグマを造ったのはケインだが、その理由があまりにもまさか過ぎるものであったと。






・・・ただそもそもを言うなら、ロボットがレプリロイドと呼ばれるような存在になるまで発展された理由が何かと言えば、ケインがXを発見した上でXを参考にロボットの新たな形を造り出したからだ。そしてシグマに関してもその流れによりケインにより開発され、元々はイレギュラーハンター側として誰にも頼られる実力の伴われたレプリロイドと見られていた。

しかしある時に目覚めたゼロと戦い、半死半生というくらいにまで損壊させられたシグマはその時から狂いだしていたのだ・・・ゼロのデータを図らずも取り入れてしまったことから、本来の性格からかけ離れるようにと。

そしてそうした原因であるゼロはシグマとの戦いの後の検査を経た結果として、異常なしと見られてイレギュラーハンターとなった上でイレギュラーと断定されたシグマと戦っていくのだが・・・これが奇妙な因縁と言わずしてなんと言えるだろうか?かつて敵対していたライトとワイリーのロボットが肩を並べ、ライトの技術により造られワイリーの執念とも呼べるようなデータにより狂わされたロボットがその前に立ち塞がる・・・そしてその三体のレプリロイドの作成者が揃い踏みするなど・・・









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