『理解してもらえたなら話を進めるが、貴方の言うようにドップラーが狂ったのはシグマが動いたからというだけではない・・・もう一人、第三者の姿があったからと私は見ている』
「第三者・・・そんな者がいるというのか・・・？」
『少なくとも私はそう見ている。そしてその第三者がいるからこそシグマも二度の復活を経てきたと言えるが・・・だからこそ私が懸念している可能性がある。それは三度目のシグマの復活だ』
「なっ・・・！？」
そんなケインの様子にライトは話を進めていくのだが、その中身にケインは絶句してしまった。
『言いたいことは分かるし、私もドップラーの研究結果を見てウィルス対策は間違っていなかった事は確認している。しかしだからこそシグマ一人でドップラーをどうにか出来たとは思えない上で、私はとある存在の介入があったのではと考えている。ドップラーの対策すらも無効化出来る存在がな』
「なんと・・・いや、確かにそうでもなければこの研究を見る限りドップラーがウィルスとなったシグマに不覚を取るなどとは思えぬ・・・」
すぐにライトがその気持ちを理解して話を更に進めていくと、ケインもその方が納得が行くと表情を歪める。第三者がいなければシグマだけで復活するのは無理だろうと。
『とは言え、私も正確にはその第三者の存在がいるかどうかについては把握していないのだが・・・もしそうだったならまたシグマが現れる可能性以上に、その第三者という大元を断たねば何度でもシグマが復活するという悪循環が起きてしまう・・・だからこそ貴方に協力を願う為に私はここに現れたのだ。その第三者がいたなら見付け、どうにかするためにと』
「・・・確かにそんな存在がいるならどうにかしたいとはわしも思いはするが、何故わしに協力を願う？アーマーをＸに渡すのだからＸに頼めば良かったのでは？」
『これに関しては機械の体ではなく、人という存在である貴方でなければならないのだ。ドップラーのように自身もレプリロイドを造れる技術力がある者にそれを願っても、ウィルスに侵食されてしまえばどうしようもなくなる・・・それにこれからのもしもの事を考えれば技術力を持つ存在でなければならないから、Ｘでは無理なのです』
「成程・・・だからわしに協力を願ったと・・・」
だからこそ今ここに来たのはその第三者がいたならの為に、それらが起きたならの対応の協力の願い出・・・そう語るライトにケインは納得しつつ頷く。色々な条件を果たしている自分が適任と見たからこそ、ライトがそう言ってきたのだと理解して。
『分かっていただけたならありがたいが・・・その第三者がいた場合を考えると貴方が表に立ちながら活動していき、私が裏で貴方と繋がりながら活動するというのは第三者の虚を突くには手が遅れかねない・・・だから表向きという形になるが、貴方には死んでいただきたい』
「・・・わしもそちらと共に身を潜め、その第三者に対する対策を取るためか・・・分かった、そうしよう。その第三者とやらがいたならその誰かをどうにかしなければシグマは何度でも復活しかねぬ上、一度でも取り逃してしまえばその者を捕まえることは相当に難しくなるであろうから、一度で確実に捕らえるためにな」
そう納得した姿に表向きにと付けつつ死んでほしいと願うライトに、その意図を察した上でまた頷き返した。自分もその第三者を捕まえるために動くと。



















・・・そうしてライトと出会ったケインは自分が死んだという偽装工作を行った。イレギュラーハンターの本部にドップラーの居城の調査に向かったと報告をしている最中、施設の中で爆発が発生してその爆発に巻き込まれ・・・死体を残さず死んだというように。

その偽装工作についてはうまくいった上でケインはライトの案内によりとある洞窟にある誰も知らない研究所に辿り着き、そこでしばらく過ごしていくのだが・・・レプリフォースの反乱が起きたこと及び、その黒幕がシグマだったことにケインとライトはやはりシグマが第三者により蘇らされている可能性が高いのだというように認識しあった。ドップラーのウィルス対策のプログラムは完璧であったのに、それを受けてシグマが生きているのは第三者のせいだからだと。









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